俺の名前は健。ガキの頃から、ここ神聖大英帝国に住んでいる。
俺は高校三年生。クラスメイトの啓一とは小学生からの親友だ。

啓一には昔から付き合ってる彼女がいる。芽衣子さんだ。
芽衣子さんは啓一の優しい性格に惚れたらしいが詳しくは知らない。

啓一は同級生の「優子」という女の子を紹介してくれた。
その優子さんは芽衣子さんの友達で昔から女学院などで異性との付き合いがないらしく
俺となら良い友達になれると想い紹介してくれた。

この物語は異性の事に鈍感な主人公「健」の視点で描く急展開型の短編恋愛小説です。

6545/6/24のある日、俺は啓一と学校の放課後。静かな教室で雑談をしていた。

健 「俺もほんのひと時でいいから、彼女とか欲しいよ・・」
啓一「健さ、誰でもいいなら、気になった女の子に告白してみたらどうだ?」
健 「啓とは違って俺は奥手な性格だから告白なんか簡単じゃねぇーよ」
啓一「ふん・・よく言うよ。不良なくせにな」
健 「不良じゃない。ただ面倒なだけだ」
啓一「そうかい。お前さ、数日前に俺が女の子紹介するって言っただろ」
健 「あ、あぁ。そんなこともあったっけ。可愛いのか??」
啓一「あぁ。異性との付き合いはお前と同じ無いんだと。芽衣子が言ってた」
健 「是非紹介してくれ!!!!」
啓一「なら、今日の夜会えるか??」
健 「あぁ、どんな子なの??」
啓一「芽衣子から聞いたんだけど、神聖大英帝国の女子校あるだろ??」
健 「あぁ」
啓一「その子なんだけど・・」
健 「そうか・・たしかにそれじゃ異性の友達はいないだろうな・・」
啓一「そう。その子なんだけど。どうだ??」
健 「いいよ」
啓一「芽衣子に連絡して連れ来てもらうから、場所は適当にファミレスでいいか??」
健 「あぁ。(どんな子なんだろう??)」

正直名前も顔も知らない女の子だった。
俺と同じ境遇の女性に会えるっとあって緊張してきた。
時間は夜の08:20。

啓一と俺は芽衣子たちよりも先に地元のファミレスに着いた。
啓一は携帯電話を取り出して誰かと話してる。相手は芽衣子さんだ。
紹介してくれる女の子といつ頃到着するのか連絡しあっていた。

啓一「健、芽衣子がすこし遅れてくるからお店の中で待っててだって」
健 「なら、早く中に入ろう」

20分ほど待っていたら、ついにその子がやってきた。
4人なので男性は椅子、女子はソファー側に座ることにした。

女の子「芽衣子さん・・この人たちが・・」
芽衣子「そうだよ!! あとで紹介するからまずは挨拶して。ね」
女の子「よ、よろしく・・お願いします」

本当に小さい声で挨拶をした。
異性との付き合いが無いと啓一が言っていたが本当のようだ。

健「どうも。よろしくね」

自分自身、異性との付き合いがないという訳ではないが長いこと話してはいない。
早速、芽衣子さんは俺に女の子を紹介してくれた。

芽衣子「この子、名前は優子っていうの。今は私と同じクラスメイトなのよん。」
啓一 「ヨロシクね。優子さん」
優子 「よ、よろしくお願いします・・」
芽衣子「この子は啓一君。前に話したよね?」
優子 「う、うん。芽衣子ちゃんの彼氏さんだよね?」
芽衣子「いやーん。恥ずかしいわ。そうそう、そこにいるのが健君。」
芽衣子「私たちとは小さい頃からの親友なの」
健  「ど、どうも。」
優子 「よ、よろしくです」
健  「は、はい。どうも・・」
啓一 「優子さん。女子校には同姓の友達しかいないって聞いたけど・・」
優子 「は、はい。友達も皆女性の方なので・・男性とはうまく話せません、というか・・あぅ・・」
芽衣子「優子、悪い人達じゃないんだから・・」

優子はすこし恥ずかしいそうにしながら「ごめんなさい・・・」と呟いた。

啓一 「ホントに男性との付き合いが無いみたいだね。でも緊張するのは仕方ないかもね。芽衣子も分かってるだろ」
芽衣子「そりゃ、そうだけど・・」

最初に優子さんと会ってから会話が進まない・・。
よく言われていることだが、気になった女性と今後とも仲良くなるには交流は必要だとか。
これはその交流の史上最悪のパターンだ。しかし、優子さんはそれではダメというぐらいの勢いで俺に話しかけてきた。

優子「健さん。趣味とか・・なにか、好きなことはしてるんですか??」
健 「はい?? あぁ、アニメとかマンガとか・・かな。」
優子「そうなんですか。健さん・・実は隠れオタクさん・・なんですね(笑)」
健 「そう・・だね」

俺は初めて優子さんの顔を見た。
とても言葉で表しきれないが俺のタイプの子でめちゃくちゃ可愛いという印象を強く受けた。
髪型はショートヘアで癖毛がなく、目は青色の綺麗な目つきでおっとりとしている。
顔つきは小顔で体系は痩せている感じだった。
俺は優子の顔をずっと見入ってしまっていた。

健  「か、かわぃぃ・・。(小さい声)」
優子 「あ、あのー。な、なにか」
芽衣子「健君、なにずっと見てんのよん。」
啓一 「健、もしかして・・惚れたか??」
健  「あ?? あぁ、あ?? いや、これはな・・」
優子 「うふふ、面白い人ですね。」
健  「あぇ、あぁ」
芽衣子「優子ちん。始めてじゃん男の子の前で笑ったの」
優子 「は、はぃ?? ぇ私笑った?? さっき」
啓一 「いい笑顔だよ。健もそう思ったろ??」
健  「あぁ・・」

正直彼女の笑った顔は俺個人的な感想で言ってしまうと
どストライクだった。かわいい、可愛いの一言に尽きる。そんな彼女が天使に見えた。
今まで寂しい人生だったが、まるで天から一筋の光が俺に注いでるような感覚だった。
簡単に言えば、興奮していた。のだ

健 「あのー、友達になってくれるかな?」
優子「は、はい。喜んで」
健 「(よっしゃー!! YEAH)」
健 「携帯電話ある?? もし良かったらアドレス交換してくれる?」
優子「はい。私から送りましょうか?」
健 「うぃーす。頼みます!!」

彼女のアドレスをゲットした。鼻血が出そうだった。(≧ω≦)

啓一「時間もそろそろだし、みんな帰ろっか」
芽衣子「そうだね。優子ちゃん。健君。私たち帰るけど一緒に帰る?」
優子「そうですね。そうします」
健「俺も帰るよ。」

お店を出たところで俺は改めて優子さんにお礼を言った。

健  「今日は楽しかったよ。芽衣子さん、優子さん。またね」
芽衣子「ううん。たまにはいいもんだよ。ね? 優子ちん」
優子 「初めてだったけど、楽しい食事会でした。ありがとうございます」
健  「俺も楽しかったです。友達になったことだし、また機会があったら誘いますね」
優子 「楽しみにしてます。」

啓一、健「それじゃ・・。またね」

芽衣子「またねー!!」
優子 「それではまた今度・・」

俺と啓一は一緒に帰りはそれぞれの家に帰った。
ベッドの上で俺は彼女の笑顔が頭の中から離れなかった。これが一目惚れなのだろうか??
一目で惚れたのだからそうなのだろう。

6545/6/25 朝の7:30

結局眠れなかった。朝の7時。学校に行く時間だ。
俺は学校の制服に着替え啓一と一緒に学校に向かっていた。

芽衣子「おっはよー!!」
健  「おはよー。」
啓一 「なんだ、元気ないじゃん、どうした」
健  「眠れなかった・・」
芽衣子「もしかして、優子ちゃんのことかな??」
健  「違うよ。別に・・。そんなんじゃないよ」
芽衣子「照れるな照れるなー。分かりやすいなー!!」
健  「だから・・・。違うって・・」
啓一 「顔に出てるよ。でも安心しろって、折角の二人の関係を壊したくないから・・」
健  「そうか。ありがとな」
芽衣子「それじゃ健!! 啓一!! またねー」
啓一 「ああ」
健  「またな・・」

芽衣子とは学校が違うため途中で別れた。
俺たちは教室に入ると朝のホームルームが始まった。
先生は今日一日の予定を話していたが、俺の頭の中はあの子の事で一杯だった。
俺は昼休みの時間に彼女にメールを送ってみることにした。

メール内容 (健)
「今、なにしてるの??」
送信・・。

短文過ぎる最低メールだった。自分で絶望感を味っていたが、彼女からのメールの返信は無かった。
昼休みが終わる。結局、昼休みの時間中返信は無かった。

健「(うわーやっちまったよ、どうしよう)」

6545/6/26
家に帰り夜になって改めてメールを送信してみた。

メール内容 (健)
「昼休みの時はごめんね。なんとなく。何してるのかなって気になったから。ホントにごめんなさい。(´-ω-`)」
「もし良かったら、返信ください。おやすみなさい。(≧∀≦)v」

彼女の機嫌を損ねないように顔文字を付けてみた。
しかし・・。彼女からの返信メールは無かった。
返信が無いまま次の日・・・・。6545/06/27

健 「嫌われたかな・・。」
啓一「どうした健」

悩んだ顔してる俺の所に啓一が心配になって隣の席に座った

啓一「なにか、あったのか??」
健 「なぁ、優子さん覚えてるだろ。」
啓一「あぁ。」
健 「昨日な・・」

俺は昨日メールの返信がなかった事について啓一に話した。

啓一「健、会ったの初めてだろ」
健 「あぁ、そうだな・・」
啓一「すこし、考えすぎだろ。もう一回今日の夜送ってみたらどうだ?? メール」
健 「すまん。そうするわ」

俺はその日の夜、メールを送ることにすこし抵抗を覚えていた。
もしひょっとしたら嫌われているのかも知れないと思ったからだ。
いままで異性との付き合いがないと言っていたし男友達も俺と啓一だけと聞く。

ピュルンピュルン。

携帯の呼び出し音が鳴った。
携帯電話を取り出して見てみると、それは芽衣子さんからだった。

メール内容 (芽衣子)
「○○日の昼休みの時間にあの子にメールした??」

メール返信 (健)
「確かに送った。なにかあったのか??」

俺はすこし変な感じになってた。彼女になにかあったのだろうか。
また携帯電話が鳴る。

メール内容 (芽衣子)
「優子ちゃんね。メールの返信の仕方あまりした事がなくて困ってたんだって」
「それで、昨日のお昼の時間に私の所に相談しに来てね。」
「ちょっと泣いてたよ。でも大丈夫だから。気にしないでね。メールの返信の仕方も教えたから。」

彼女はすこし戸惑っていたことに安心した。
芽衣子さんにお礼のメールをした後。俺は今度彼女に直接会うためにメールすることにした。

メール送信内容
「今度会えるかな。直接会って謝りたいので。○○公園の○時に待ってます。」

6545/6/28
翌日、俺は彼女と公園で直接会うことができた。
心の中で申し訳ない気分で一杯の俺は天使のような可愛い彼女の顔を直視できなかった。
勇気を振り絞って落ち込む彼女に言った。

健 「この前は、本当にごめん」
優子「・・・」
健 「ごめん、なさい・・本当に」
優子「いいえ。別に健君が謝る必要はないと思います。メールの返信をしないで無視するような事をした私が悪いんですから」
健 「そ、それは・・」

健&優子「・・・・」

2人の間に沈黙の30分・・会話のない時間が進んだ。
しかし健の心は彼女に対しての罪悪感で満ち溢れていた。

健 「もし良かったら、今度メールしますので・・」
優子「は、はい」
健 「今度メールしますので返信くださいね」
優子「はい。お待ちしてます・・」

彼女は優しく健に笑みを浮かべてふたりは公園を後にした。
健は彼女に対する罪悪感を打ち消すため、デートに誘うことにした。

6545/6/29

しかし、健は女性との付き合いが数度しかないた為に、どう誘えばいいか分からなかった。
そこで啓一に助言を貰うため、メールを送ることにした。

メール送信内容 (健)
「啓一へ。今度優子さんをどこかに連れて行こうと思うんだ。」
「でも、どう誘えばいいのか分からないから助言みたいなのあったらメールくれないか。待ってる。」

健は恥ずかしい気持ちを隠せないでいた。それもこの罪悪感があるからこそである。
そうと考えていると啓一から返信が届いた。

メールの返信内容 (啓一)
「彼女に良い人って思われたい気持ちは俺もよく分かる。そうだな・・。」
「神聖大英帝国のテーマパーク地区の○○ランドってあるだろ。あそこにでも連れて行ったらどうだ??」
「優子ちゃん、自分の同級生たちと何度も行ってるらしいぞ。」

健は啓一にお礼メールを送った後、優子を誘うことにした。

メール送信内容 (健)
「夜遅くにごめんね。今度予定が空いたら○○ランド行きませんか??」
「返信待ってます。」

送信後、健はずっと彼女からの返答を待っていた。今度こそ彼女と仲良くなりたいから・・。
数十分後、彼女からの待望の返信メールが来た。
健は嬉しい気持ちでメールを見た。

メール返信内容 (優子)
「健君からの突然のお誘いにすこし戸惑ってますが、是非行かせて下さい」

健は嬉しすぎて夜はまた眠れなかった。

6545/6/30

健は優子の通う学校の正面玄関で直接会うため待つことにした。

健「(もう先に帰ったかな・・)」
優子「あっ、健君・・。」

下駄箱で靴に履き替える彼女を発見した。驚いた顔が天使のように可愛かったのは言うまでもない。

優子「なぜ、待っててくれたんですか」
健 「優子の顔、見たかったから。」
優子「ぇ、でも、連絡してくれれば・・でも。ありがとうございます」

2人は一緒の歩道を歩いていた。
健は彼女の顔をすこし横目で見ていた。
すっかり罪悪感など無くなっていたというわけではないが。
彼女に好感を持っていた。
顔や仕草が可愛いだけでなく性格や態度に徐々に惚れていったからだ。
俺は彼女といることでどこか胸の辺りが傷む何かを感じていた。
それは好きな人といる時に感じるものだった。
健は薄々気付いていた。彼女と一緒にいると心が安らぐ感じがあった。
彼女はどうなのだろうか・・。
俺は彼女にデートの予定について話しを始めた。

健 「先日の一件、なんだけど、行けそう。かな」
優子「行ける予定は何日かありますね。何時にしますか?」
健 「なら、○月○日の○時間なら、どうですか?」
優子「行けますよ。」
健 「それじゃおれはこの辺りで。○日忘れないでね。」
優子「はーい。」

ふたりはそれぞれの家に向かって帰った。
それぞれ健と優子はその日に着る特別な服装などをデパートなどで買い込んだ。

優子「(初めての男の子とのデートかぁ・・。なんか気持ちが・・)」
健 「(ヤヴァイ、女の子とのデートなんて初めてだ。どんな服着てけばいいんだー。)」

デートの日。健は待ち合わせの駅前に約束の時間より10分早く到着し優子の到着を待っていた。
商店街の奥から白い帽子と白い綺麗なワンピース姿で来たのは紛れも無い優子だった。

優子「お、遅れて、す、すみません」
健 「ううん。全然間に合ったよ」
優子「それじゃ」
健 「うん。行こうか」
優子「はいっ!!」

電車の中に乗る2人。優子の綺麗な姿が電車に乗ってる男性の目を引く・・。
健は優子の綺麗な姿に思わず言葉を失う。

電車に揺れること1時間。やっとテーマパークにたどり着く。

優子「はぁ、やっと着きましたね。」
健 「そうだね。なにかジュースでも飲む??」
優子「あっ、ぇ、でも、悪いですし・・」
健 「デートでしかも俺から誘ったから何か奢らせてよ」
優子「そ、そうですね。それじゃ、なにか軽いもので・・炭酸はちょっと・・。」
健 「そっか。炭酸とかって苦手?? お茶でいいかな??」
優子「は、はい。お願いします。」

親切な態度の健の姿に優子も健と同じ気持ちに近づいていく。

健 「はい。紅茶。」
優子「うわぁー暖かい。」
健 「それで良かったかな・・」
優子「大丈夫ですよ。家でも飲んでますし・・」
健 「そ、そう?? 良かった~」
優子「うふふww」

神聖大英帝国の一番大きいテーマパークに入る2人・・。

健 「最初に何乗る??」
優子「どうしましょうか・・。健君はなにかご希望はあるんです??」
健 「俺はやっぱりジェットコースターかな。優子さんは??」
優子「ジェットコースターは苦手ですが、克服はしたいと思ってはいるんですけどね・・」
健 「じゃ、俺と一緒に乗れば大丈夫だよ。行こう!!」
優子「え、ちょっと、たけるクーン!!」

優子を手を握ってジェットコースターに向かった。その後も2人は青空の晴天の中遊園地を思う存分楽しんだ。
昼時間に健は優子と一緒に遊園地内のレストランで食事をすることにした。

健 「あー面白かったー。あの着ぐるみの人写真ちゃんと取れてないから怒ってたね。」
優子「うふふ。そうだねー。特にあの転ぶ姿は写真に残したかった。」
健 「うん、確かにww」
優子「なにか食べよっか」
健 「うーん。優子さんは何食べる??」
優子「私はこれにしますね。」
健 「俺はこれでいいなー。すみません。」
店員「はい。何になさいますか??」
健 「スパゲッティを一つ。ハンバーグセットを一つで。」
店員「かしこまりました。少々お待ち下さいませ」
健 「すぐに来るからね」
優子「うん。」

再び2人の沈黙が続く。
静かに優子が口を開いた。

優子「今日は本当にありがとうございます。楽しい時間をいただいて」
健 「う、うん。また今度一緒に来ようよ」
優子「そうですね!! そうですよね」
健 「そうだよ!! 今も明日も楽しもうよ。」
優子「はい!!」

優子は可愛い顔を健に向けて微笑んだ。
デートの帰りの夜、ふたりは地元の公園に立ち寄った。ベンチに座る二人。
健は優子の顔を横目でみる。優子はどこか暗い感じだった。

健は意を決して告白した。

健 「俺、優子さんに言いたいことがあります。」
優子「はい・・。なんですか??」
健 「俺、優子さんと一緒に居て、優子さんのことを1日たりとも忘れたことがないんですよね」
優子「えっ・・・・。」
健 「それに優子さん優しいし親切だし、もしよかったらですけど・・・。」
優子「はい・・。」
健 「もし良かったら、もし良かったら俺と・・。」
優子「私も健君に言いたいことがあります。」
健 「はっはい。なんですか??」
優子「私も、むしろ健君と同じ気持ちでした」

健は優子の手を優しく握ると・・。

健 「それじゃ、もしかして・・。つ、付き合ってくれますか??」
優子「私からも、付き合ってくれますか??」
健 「そりゃ、もう喜んで。」
優子「私も。よろしくお願いしますね。健君」

健は思いもしない告白展開に何が起きたのか分からずにいた。
優子は「今度またデートしましょうね」と健に言った後公園を後にした。

6545/11/30

健は今後の優子との付き合いを考えていた。
健「次のデート先はどうしようかな・・。喫茶店にでも誘おうかな。」

健は優子に新たな誘いをすることに。
優子と健は学校が休みの土日の休日を利用して積極的に会うようになった。

6545/12/01

冷え込むある日、2人で喫茶店のお茶を飲んでいた時のこと・・。

健 「今日は随分と寒いね・・」
優子「うん。今日の夜、より寒くなるって」
健 「そうなんだ。優子さんは大丈夫?? 寒くない?? 俺のジャケット着る??」
優子「うん。大丈夫だょ。ねぇ・・健君・・。」
健 「うん?? なに?? 優子さん・・」
優子「突然こんなこと言うのもなんだけど、健君の家に行ってもいいかな??」
健 「えっ、でも、散らかってるし」
優子「健君のこと、もっと知りたい」
健 「いいの?? 散らかってるけど、それでもいいなら。」
優子「うん・・」

真面目に話す優子の姿に健は家に招き入れることにした。

健 「どうぞ」
優子「うわぁー。凄い綺麗お家だね。ご両親は??」
健 「海外出張で俺は1人お留守番かな。」
優子「そっか・・。今日は2人だけだね」
健 「なにか言った??」
優子「ううん。なにも言ってないよ。家に入ろう」
健 「うん・・玄関はこっちだよ」

健の部屋に入る優子。
男の子の部屋に入るのが初めてな優子。
初めて自分の部屋に女の子を招き入れる健。

健 「今ストーブ点けるね」
優子「はぁ・・寒いね・・」
健 「ごめんね・・寒くて暖かくしておくべきだったね」
優子「いいよ。突然、家に入れてって言ったの私だし・・」
健 「そうだったね・・」

冷え込む健の部屋・・。
お互い寄り添うように座る二人。

優子「ねぇ、健君・・。」
健 「ナ、ナンデショウカ?? 優香さん。」
優子「ちょ、優香って・・健君可愛い・・」
健 「ごっほん。何ですか。優子さん」
優子「私達って付き合ってるだよね。世間から見たら・・」
健 「そうですね・・」
優子「健君・・。ひとつお願いしてもいいかな」
健 「はい。なんですか??」
優子「私の名前をさんを抜いて呼んでほしいの」
健 「あ、あの、そ、それは・・。つまり・・名前で呼べと・・」
優子「うん・・。そう・・。」
健 「・・・。」
優子「健・・。」
健 「ゆ、優子さん・・。」
優子「こら・・。ゆうこ・・だぞ」

健の頬に人差し指で突っつく優子・・。

健 「優子さ・・ん・・優子・・・。」
優子「うん。なに??」
健 「俺優子のこと・・。好きだ。大好きだ・・。」
優子「私も健のことが好き。啓一さんや芽衣子さんが紹介してくれて、健に初めて会った時から好き・・。」
健 「優子・・。俺も大好きだ。」
優子「健・・。」
健 「優子・・。」
優子「健・・抱いて・・抱いてくれる??・・・。」
健 「いいよ。」

健と優子はお互いを優しく抱き合った。

健 「愛してる・・。数十年経とうが・・ずぅーと。」
優子「私もだょ・・」
健 「暖かいね。優子の体。心臓がドキドキ鳴ってる・・」
優子「健こそドキドキしてるよ・・私、健とするのが怖い・・・」
健 「俺もうまくはないけど・・優子とするのが・・・初めてだし緊張するよ・・。」
優子「健・・。あ、お互い初めてなんだね。(*´ω`*) 」
健 「そうだね・・。」

嬉しさで涙が出ながらも抱き合う優子と健。
その日の夜は2人にとって特別で最後の夜となった。

6545/12/02 翌日、優子は自宅に帰ることになり健と別れるため玄関に向かった。

健 「あの・・今日はありがとね。優子のこともっと好きになった・・」
優子「私も健のことよく分かったし大好きになった・・。それじゃね、家に帰るね」
健 「家まで送ろうか??」
優子「ううん。大丈夫だよ」
健 「そう・・。道中気をつけてね」
優子「バイバイ・・」

玄関が静かに閉まると同時に優子の歩いていく音がした。
静かな家で健は学校の支度をして朝食を摂って学校に向かった。

啓一 「おーい。健。おはよー。」
健  「やぁ、啓一。おはよう。」
啓一 「デートの助言してから連絡無かったけど・・大丈夫だったか??」
健  「感謝するよ。デートは成功した。今は優子と付き合ってるよ」
啓一 「そうか。うまく行ってるな。お前たち・・」
芽衣子「おーい。たけるー!! 聞いたぞー!!」

芽衣子が健に肘タックルを食らわせた

健「なっなにするんだ。いてぇー」
芽衣子「付き合ってるだってねぇー。良かったねぇーこのーこのー!!」
健「芽衣子さん・・。ちょww手加減してぇww」
啓一「とにかく、良かったじゃん。」
健「まぁね・・。」

俺の周りが賑やかに成っていくのが分かる気がした。全て優子のおかげだ。
彼女がいたからこそ初めての異性との付き合いも優子がいたから出来たことだ。
俺は改めて彼女、優子のことをずっと愛し続けることを一生涯に誓った。

そのころ昼の間に学校が終わった優子は家に帰宅していた。

ピュルルルル・・・。

突然家中に響き鳴る電話の呼び出し音。

優子「はい。○○家です。あ、お父さん・・うん・・へぇ・・すごいね。仕事成功したんだね。おめでとう!!」

しかし、お父さんからの喜びの電話は悲劇へと変わっていく。

優子のお父さん「そこでな・・優子・・。仕事の関係で引越ししなくちゃいけないんだ。」
優子「え、どういう事なの。お父さん」
優子のお父さん「お母さんも私と同じ仕事してるのは優子も分かってるだろ??」
優子「うん・・分かった」
優子のお父さん「引越し屋さんにはもう頼んであるから。それじゃね」
優子「うん。仕事頑張ってね・・。」
優子のお父さん「ありがとう。それじゃ・・」

優子は静かに電話を切ると引越しの準備に入った。
その頃、なにも知らない健は・・。突然優子の通う学校の同級生から手紙を貰うのだった。

同級生A「えっとー、健君。他校の生徒さんから手紙預かっててね。君に渡してくれって言うものだから」
健「あ、ありがとう。」
同級生A「じぁね。」
啓一「健、なんて書いてあるんだ??」
健「優子からだ・・。」

手紙の内容
「突然このような手紙を送ってしまい、ごめんなさい。」
「両親の仕事の都合で引越しすることが決まりました。」
「遠くに○○県の地方まで行くので、遠距離になってしまいますね。」
「それでも私は健のことが好きです。健君も好きならいいけど・・。」
「もし、もしだよ。他の女の子が好きになってしまったら・・」
「私のこと忘れてください。ね。それでは。」
「電車は12:30に乗ります。健君は学校があるから会えないのは分かってます」
「ごめんなさい。                  優子より」

突然の別れの手紙に涙がこぼれる健。
突然立ち上がる健。

啓一「行くのか??」
健「最後ぐらい優子のこと見送ってあげないとな。男として」
啓一「先生には大便してることにするから行って来い」
健「ありがとう。啓一・・。」

健は学校を抜け出し優子のいる駅まで全力疾走で向かった。
商店街を抜け、交番を抜け、喉が枯れるまで走る健。
ただ1人の愛する女の子の為に健はただ走り続けた。
どんな事になってもいい。

ただ健は優子と・・。
一緒に平凡な日々を過ごしたいだけなのだ。

大荷物の中、優子は駅の売店で食べ物を買っていた。
やっとのことで駅前に走りついた健。

線路を真ん中に挟んで駅の外側の歩道に健。
駅のベンチに座る優子。

目の前に突然、健がいることに口が塞がる優子。

優子「たける君??・・・なんで・・。」
健「優子・・。優子!!」

疲れたような顔で優子に言う健・・。

健「なんでだよ・・。なんで・・何も言わずに・・。」
優子「手紙読んだんでしょ・・だよ??」
健「優子は、ほんとにそれでいいのかよ」
優子「だって・・。」
健「ゆ、優子は・・俺と一緒にいたくないのか。優子は・・俺と遊園地行きたくないのか。優子は・・俺とご飯食いたくないのか。優子は俺と眠りたくないのか。」
健「どうなんだ・・。」
優子「私は・・。わたしは・・」
健「あの日の夜、俺、優子の体を抱いたの初めてなんだぜ。かわいいし、絶対に、どんなことがあろうと守りたいと思った」
優子「健・・。私も初めてだったよ。でもね・・。無理だよ。」
健「・・・。」
優子「だってね・・。健の親御さんはどうなの?? 許してもらえないよ・・」
健「優子?? 今、目の前に立ってる俺は優子がほしいだけだ。行くか・・・残るかは優子自身が決めろ・・。」
優子「私は・・。」
駅アナウンス「電車が参ります。ご注意ください。」

健の前に電車が止まり優子の姿を隠す。

ぴぃりりりりり・・。

電車が出発して再び健の前に駅が見える。

健「行ったか・・。割り切れねぇーよ・・・。突然・・・。手紙出して・・はい、さよならとか・・。」

号泣する健の前に見たことのある服装の女性が駅のベンチ前を立っていた。

健 「優子・・。残ってくれたのか」
優子「親には何とか言い訳しておくから・・。」
健 「優子・・。」

2人は終始見つめあった後、優子が一言つぶやいた。

優子「折角、残ったんだから・・責任取ってね。それと親が帰ってきたらちゃんと説明してね。健君♪」
健 「あ、当たり前だ・・じゃ、どっか食べに行く??」
優子「そうね・・ラーメンとか。どう??」
健 「いいの。それで??」
優子「だめ??」
健 「せっかくさ、2人で行くんだからもっといいところ行こうよ」
優子「じゃ、最初に健と会ったあのファミレス行かない??」
健 「思い出の・・場所だね」
優子「うん!!」

その後2人は仲良く手を繋いで駅を後にしてお店に向かった・・。
初めてふたりが出会った場所に・・。

THE END
最終更新:2013年03月04日 07:08