【八カ國無双 Episode one】 第1部ー2項 「作戦案」

畑山角谷 「最近、南方青龍への兵器や輸送機の活動が活発化してるが、なにかあるのか??」
影狼 総帥「よくは分かりません」
畑山角谷 「帝国軍のことは昔から信用できないからな・・調査隊を送り込むか・・」
影狼 総帥「なにか・・企んでると??」
畑山角谷 「尋常じゃないだろ・・あの数・・」
影狼 総帥「わかりました・・しかし、極秘書類の奪取のみで終わらせます。面倒は避けたいですから・・」
畑山角谷 「頼むぞ・・」

とある・・。
南方青龍軍の倉庫で・・。
神聖大英帝国軍の隠密兵がとある機密文書奪取の任務を受けていた。

神聖軍隠密兵「本部、南方青龍軍の倉庫に侵入に成功した。これより任務を開始する」
本部    「了解した。気をつけろ。周りは敵反応しかないぞ」
神聖軍隠密兵「了解、通信終了」

倉庫奥に侵入する神聖軍隠密兵・・。

南方青龍兵卒A「なぁ~タバコあるか??」
南方青龍兵卒B「ほらよ。なぁ聞いてくれよ。俺の対人刀、酷いぜ・・。酷い鈍でバターも切れないぜ」
南方青龍兵卒A「研いだほうがいいかもな」

雑談する兵卒。

「なんだ!! うわぁー」

最新鋭の低周波ナイフで一瞬にして瞬殺する隠密兵・・。

南方青龍兵卒A「なんだ・・おめぇは・・」
隠密兵    「悪く思うな・・」

止めの突き刺しで息を引き取る二人の兵卒。
南方青龍軍基地では最も警備が厳重なところにたどり着いた隠密兵。

戦術オペレーター「チョーク1、チョーク2は戦術訓練が終わり次第、早急、兵舎に駐留せよ。繰り返す・・」

基地全体に鳴り響くオペレーターの音声、潜入に成功した隠密兵は本部との通信を開始する。

隠密兵「基地に潜入した。誘導を頼みます」
本部 「神聖大英帝国統合参謀本部からの連絡だ。諜報班からの最後の目撃では、今現在の位置から南方青龍統合参謀本部に書類が置いてある。行けるか」
隠密兵「了解・・。」
本部 「幸運を祈る。HQ通信終了」

その頃、南方青龍軍が加盟してる帝国軍の草麻(そうま)家本家では・・。

草麻バクラ皇帝「首尾はどうだ。麗」
草麻 麗   「順調に南方は成長してる。ここ数年で連邦の日本に匹敵するほどの勢力に出来たのはバクラのおかげだ」
草麻バクラ皇帝「そうか」

帝都城の皇帝私室で会話する幹部。
数分ほど沈黙が始まる。高級ワインを静かに口に運ぶ麗。
そして・・。バクラが静かに口を開く。

草麻バクラ皇帝「覇王が教えてくれた。人類は、歴史や、混沌とした時代の中で戦争を続けてきた」
草麻 麗   「そうだな・・」
草麻バクラ皇帝「永遠の終結こそ、帝国の民の夢だ。本当に・・戦争はこの世から無くなるのか??」
草麻 麗   「戦争という言葉が歴史、辞書、世界、人間の思想から消える。人類終焉計画なら可能だ」
草麻バクラ皇帝「計画の実行地は・・」
草麻 麗   「俺の街の首都、聖霊殿(せいれいでん)」
草麻バクラ皇帝「やってくれ・・」
草麻 麗   「それじゃ・・」

席を立ち出入り口を出る麗。

帝国兵士「お疲れ様です」

出入り口で付近で待機してた総帥に命令を下す。

西野裕 「皇帝、お疲れ様です。どうかしましたか」
草麻 麗「裕総帥、例の計画を実行する。準備しろ」
西野裕 「防衛網はどうしますか。ライトニングに配備させますか」
草麻 麗「街ではない。国全体に軍隊を配備しろ。車輌、戦車、戦艦、戦闘機、防衛要塞ダイタロスもだ」
西野裕 「了解。ライトニングは」
草麻 麗「首都だ」
西野裕 「了解です。配備させます。そういえばセブンの姿が見れないそうです。大間から連絡がありました」
草麻 麗「大佐に捜索指示をだせ」

その頃、南方の機密文書を手に入れた隠密兵は本国神聖大英帝国に無事帰還した。
参謀、総帥、天皇陛下が見た機密文書の内容は人類終焉計画・・。
世界並び銀河系全土に関わる壮大な計画だった。

畑山角谷  「人類全てを運命の灯火で焼き払い帝国の民が既存の世界の創造を続け帝国の民の夢の実現の第一歩・・・。帝国軍の野郎どもが考えそうな計画だな」
影狼 総帥 「しかし、運命の灯火というのが引っかかりますね」
畑山角谷  「どうせ、何らかのマイクロ波かなんかで通信して起動させる大型の兵器なんだろうよ。街のどこかに置いてあるだろうさ」
大丸 元帥 「裏で動かしてるのは、やはり・・帝国軍なのか。だとすれば、南方青龍軍は帝国軍の傘下国家ですから、親の言う事聞くでしょうね」
獅仲 総帥 「そうなったら、南方青龍と戦争になっちまうじゃんか。でも・・結局は俺らがやることになるんですよね。天皇」
畑山角谷  「まずは慎重に調査を続けるしかないだろう。なにかいい方法ないか、影狼はどう思う」
影狼 総帥 「俺ですか?? やはり潜入して調査するしかないでしょうね」
畑山角谷  「たくっ、結局そうなるか。影狼!! 第二小隊を召集。調査部隊を編成しろ」
影狼 総帥 「了解だ」

その台詞と同時に神聖軍兵士が駆けつけた。

神聖軍兵卒 「突然ですみません。ご連絡があります」
影狼 総帥 「おい!! 現在打ち合わせ中だ」
神聖軍兵卒 「大切な用件です」
影狼 総帥 「まったく、何なんだ?? 用件とは」
神聖軍兵卒 「連絡源は街の衛兵から。南方青龍のナイトオブライトニングのトップガンの1人が天皇に会わせろと申しております。いかが、しますか」
畑山角谷  「構わん通せ。ちょうど聞きたい事があったからな」
神聖軍兵卒 「分かりました。行け」

入ってきたトップガンの姿に神聖軍幹部勢は絶句した。
なんと、入ってきたのはナイトオブライトニングのリーダーである藤崎綾乃だった。

畑山角谷天皇「おぅと、これはこれは・・。ライトニングのリーダーじゃないか」
藤崎綾乃  「いいえ、私はリーダーのクローン。ナイトオブセブンです」

神聖軍は驚くことばかりだった。なんと降伏宣言して天皇の前に立っている人間は藤崎綾乃の精巧なクローンだった。
しかし、角谷はパッと見の時は容姿がよく綾乃にそっくりだと思ったが所々傷などが目立つところからクローンだという事を確信した。

ナイトオブセブン「私が、ここに来たのは、ただ2つ成すべきことがある為です。警告と手助けです」
影狼 総帥   「お前の警告とやらが俺たちに対しての宣戦布告ではないことを祈ろうか」
ナイトオブセブン「心配は無用です。私は帝国軍の最終的な計画である人類終焉計画についてお話するためです」
畑山角谷    「どういうことか、説明してもらおうか。どのように、どうやって破滅させる計画なのか。俺たちはなにをすべきなのか」
ナイトオブセブン「分かりました。今から私が話す帝国軍の悲劇と歴史は私の知り得ている情報のみです。正規の歴史については不明です。それでは・・」

帝国軍の時代はメッカニア文明と呼ばれる古代文明から我々帝国人の歴史は始まります。
時代としては1964年ほど。人類はまだ火縄銃、刀、剣で人を殺していた頃です。
メッカニア人は生まれつき赤眼で生まれます。頭脳に優れ鋳造技術も発達していました。ところが4534年に、我々は1つの過ちをした。
これが悲劇の始まりであり、計画の発足の原因となります。
帝国本土が外部の人間の入植の受け入れをしたが為に武器鋳造技術が盗まれ純粋なメッカニア人。以下を現在の帝国人は外部の人間に対する不信感が高まりついに政府が入植受け入れを全面的に否定。
観光客や外部通貨も失われ国際的発展は失われたかのように思えましたが、帝国軍はここ数年で同盟賛同国家の急増ともに国家は急速に発展。今の帝国があります。
帝国軍【政府】を全面的に支持、命令、政権投票は全て四つの武家が仕切っています。

1つめは、剣舞の名で知られ政府の皇帝を選抜する実質指揮権を握る草麻家。
2つめは、分家の殆どが冷酷な性格で知られる天道家。
3つめは、あらゆる武器の扱いに手馴れた武人ばかり揃える孫家。
4つめは、草麻家にとっての都合が悪い人間の排除を目的とした執行役を担う竜我家。

私、ナイトオブセブンは藤崎綾乃の精巧なクローンとして作られました。多分、戦闘において出来すぎた兵士を生涯に残すためでしょう。私以外に数人いるとの事ですが詳細は不明。
話の続き、計画は純粋な帝国人によって持ち上がります。

影狼 総帥「その・・。純粋な帝国人というのが・・」
ナイトオブセブン「草麻バクラ・・現在の皇帝です」
畑山角谷「なるほどな・・」

外部の人間からの言われようのないバッシングや批判などによって帝国人は行き場を失い母星から出ることさえ許されない人間として最悪な状況に立たされたのです。
そして純粋な多数の帝国人は皇帝の「謁見の間」で言いました

「今も先も永く暗い、我が愛しき国家が慈悲無き批判や差別で国家の発展を妨げることは大変遺憾なこと、今亡きメッカニアの呪われた技術で帝国民の夢の実現の時・・」

この言葉で帝国人は「外部の人間のいない銀河系こそ我ら帝国人の夢である」という結論にまとまりました。

畑山角谷「それが・・」
影狼 総帥「人類終焉計画・・」
大丸 元帥「なんとも・・言葉がでませんね」
ナイトオブセブン「以上が帝国軍が計画に発足に至るまでの経緯です」
畑山角谷「簡単に言えば、まず俺らのようなやつがあいつらの国に住み着いて技術を盗み・・怒り狂った帝国人は入植を全面的に拒否ったうえに盗んだ外国人ぶっ殺すってか・・」
影狼 総帥「しかし、問題なのはどうやって人類終焉計画を阻止するかでしょう。帝国軍に喧嘩売れば我ら神聖大英帝国軍もただでは済みませんよ」
畑山角谷「そんなのわかっとるわ。ボケが!! 特攻覚悟の作戦を取らなくちゃいけないのは目に見えてる」
大丸 元帥「この戦争経済の中で協力国家なんかいるのか・・我々の本店にも協力を求めますか??」
畑山角谷「サイドスリーのジオン皇国軍にか?? ダイクン・セイジさまは絶対協力はしてこないぞ。それこそ賛同国家減少に繋がりかねない」
影狼 総帥「銀河評議会・・。」
畑山角谷「あぁ??」
影狼 総帥「銀河評議会。あそこなら帝国軍のしようとしていることを公にすれば協力国家が出てくるかもしれません」
畑山角谷「影狼。お前はバカか。評議会に帝国軍大使官ぐらい潜り込んでるに違いない。そん時に議会召集かけたら計画を早めるに決まってんだろう」
影狼 総帥「そうですね・・。ですが、他に手が無いもの事実なのでは・・」
畑山角谷「セブンって言ったか。おまえ、人類終焉計画の実行地の場所分かるか。なんつう惑星で行うとか・・。何月何日の何時に行うか」
ナイトオブセブン「それについては情報があります。実行地は南方青龍本国のアバン星。行う日時は6550年7月7日、2130です。時差は神聖大英帝国よりも二ヶ月早いです」
大丸 元帥「今、3月ですから、準備する期間は最低でも1ヶ月程度ですか・・。」
畑山角谷「となると、問題なのはナイトオブライトニングっつう南方青龍軍の誇る特殊部隊と南方青龍国家の頭上を守る軌道防衛要塞ダイタロスだな・・」
畑山角谷「影狼、神聖大英帝国に現在動作確認済みの兵器、車両、航空機、兵士をかき集めて首都ディーベルシティに集結させろ」
影狼 総帥「総力戦ですね。了解」

影狼総帥は元帥や参謀など諸々の幹部を集め各命令を出した。
神聖大英帝国は敵国家、南方青龍軍に対する決死の総力戦を挑むため全戦力をひとまず、首都「ディーベル・シティ」に集結させた。

影狼 総帥「いいか、皆はよく分かってると思うが、どのような結果であれ総力戦だ。攻撃部隊に責任が問われるということだ。そこで」
影狼 総帥「大丸、軌道艦隊を率いてほしい。各艦長にも連絡しろ」
大丸 元帥「了解した」
影狼 総帥「葬儀、航空連隊を率いてほしい。航空官制局に連絡だ。天皇さまの友人、秦・和光さんにも連絡しろ」
葬儀 元帥「了解・・」
影狼 総帥「橘、お前らは戦車隊を率いてほしい。ありったけの戦車隊を集めてくれ」
橘  元帥「了解しました」
畑山角谷「さすがだな。影狼、仕事が速いな」
影狼 総帥「あなたほどではないですよ」
畑山角谷「魔刀将剣にも仕事してもらう時が来たようだな」
影狼 総帥「あれは肉体をボロボロにする。呪われた剣ですよ??」
畑山角谷「南方の草麻麗と息子の西野裕も魔刀使いだという噂を小耳に挟んだからな」
影狼 総帥「どこからそんな情報を・・」
畑山角谷「どちみち勝てる気がしないからな・・魔刀ぐらい持って行ったって戦闘に支障はないだろ」
影狼 総帥「そうですが・・天皇陛下、息子さんはどうなんですか。反対しますよ」
畑山角谷「家で待機してろって言っておけ」
影狼 総帥「了解です・・」

6550年5月7日、AM 08:05分。首都ディーベルシティに神聖大英帝国軍の各部隊が集結した。

軌道艦隊 8300隻
戦車隊  4500台
航空機  2300機
兵 隊  9.458.800人

影狼 総帥「総力全て集結完了しました」
畑山角谷「いいぞ、兵士に最後の挨拶をしてくる」

畑山角谷は天皇陛下として神聖大英帝国の行う決死の強襲作戦に参加する全兵士の前にある挨拶台に立った。

畑山角谷「おはよう!! うん?? おはようー!!」
全兵隊「おはようございます【大声】」
畑山角谷「諸君はこれから・・決死の強襲作戦に参加することだろう。敵は未知の装備をしているかもしれないが気を抜いてはいけない」
畑山角谷「敵、南方青龍軍は人類終焉計画という全銀河系の有機生命体を殲滅させ自分ら帝国人だけの理想の国家を作ろうとしていることがわかった」
畑山角谷「思想、理想、共有、共存など敵は我々と違うものを思っているが、住んでいるところは宇宙でありその宇宙の惑星で暮らしている」
畑山角谷「決死の強襲作戦に参加する諸君らに。改めて言う事はない。我々神聖大英帝国軍人が捨て身の攻撃精神を発揮し我々の住むこの惑星、故郷、家族を守ろう!!」
全兵隊「おぅーーーーーー!!!!!」

挨拶を終えた天皇陛下はナイトオブセブンを営倉に送り込んだ。
二時間ほど影狼総帥と作戦に対する打ち合わせをしたあと・・。角谷はセブンに、ある仕事をしてもらうよう説得し始めた。

畑山角谷    「セブン、お前に1つやってもらいたいことがある」
ナイトオブセブン「なんでしょう」
畑山角谷    「我々の作戦都合上、ライトニングの存在が邪魔すぎる。お前が囮になれ」
ナイトオブセブン「なぜ・・」
畑山角谷    「こんな計画を教えてもらったが、事実貴様と俺らとは敵同士だ。裏切り者としてケジメつけろ」
ナイトオブセブン「ケジメ・・分かりました」
畑山角谷    「影狼、軍隊に指揮しろ。南方に攻め込むぞ」
影狼 総帥   「艦長及び各隊聞こえたな。出撃しろ!!!」

全艦隊は装備や兵器を収用後に南方青龍及び帝国軍の人類終焉計画阻止のため移動を開始した。

第1部3項に続く

END
最終更新:2013年03月06日 03:03