風邪が治り数日後、むこぬこは教室でお弁当を食べていた。

桃 子 「でも、風邪が数日で治ってよかったですね!!」
美 月 「ふぅ~心配したよ・・」
むこぬこ「ごめんね・・」
桃 子 「それにしても緋鞠さんはあのあとちゃんと帰れたんですかね・・」
美 月 「うん、手を繋いで仲良くお話ししながら帰ったよ~」
桃 子 「昔から知ってるんですか??」
美 月 「うん~、小学生の時、むこちゃんの家行った時かな~まだ幼稚園児だったけど~☆」
桃 子 「可愛かったですか~??」
美 月 「もちろん☆ ねぇ? むこちゃん!!」
むこぬこ「私とひまはそっくりだからママが間違えたりしてね~」
桃 子 「また会ってちゃんとお話しとかしてみたいですね・・」
美 月 「大丈夫、また会えるよ☆」
桃 子 「むこさん、また呼んで下さいね、ひまりちゃん」
むこぬこ「うぃすー!! 了解!!」

同時刻。
斉藤と玲子は図書の本を片付けるため担任の先生に呼び付けられていた。

楠 楓 「えっと、玲子ちゃん~??」
玲 子 「はい?」
楠 楓 「あとで職員室に来てくれる??」
玲 子 「はい。わかりましたー」

玲子が職員室前に来ると斉藤くんが既に待っていた。
斉藤はなにをされるのか分かっている様子の顔をしていた。

玲 子 「えっと・・さいとうくん・・だっけ??」
斉 藤 「あ、はい・・」
玲 子 「職員室・・はいろう??」
斉 藤 「お先にどうぞ・・」

職員室に入る2人。

楠 楓 「おっ、やっと来たねー」
玲 子 「失礼しますー」
斉 藤 「失礼します」
楠 楓 「あのね、ここに置いてある本を図書室に片付けて欲しいの」
玲 子 「ふたりでですか??」
楠 楓 「そうよ??」
玲 子 「ちょっと・・重いのは・・頑張ってみます・・」
楠 楓 「斉藤くん??」
斉 藤 「あ、はい・・」
楠 楓 「あなたも女の子にやらせないの?? いい??」
斉 藤 「そ、そんぐらい・・わかってますよー!!」
楠 楓 「あらそう。それじゃ頼んだよー☆」
玲 子 「行きましょ斉藤くん」
斉 藤 「はい・・」

一冊300gある本を50冊持つ玲子。斉藤君は一冊500gの本を50冊もつのが斉藤くんとなった。

玲 子 「なんだか・・お、重い・・ね」
斉 藤 「えぇ、自分も随分と重いですから・・」
玲 子 「何キロあるのかしら・・斉藤君の・・」
斉 藤 「10kは・・有に超えて・・ますよ・・」
玲 子 「ふむふむ・・・25kじゃないかしら・・」
斉 藤 「え??」
玲 子 「えっと計算してみたの・・どれぐらいあるかなっと思って」
斉 藤 「すごいですね・・」
玲 子 「なに・・??」
斉 藤 「計算ですよ・・速いですね・・」
玲 子 「うふふ・・それほどないわよ・・」
斉 藤 「それにしても・・あの、いつも綺麗ですよね・・玲子さんは・・」
玲 子 「と、突然な、なにー??」
斉 藤 「あの・・素直な感想言っただけです・・すみません・・」
玲 子 「ううん、ちょっとびっくりしたから・・」
斉 藤 「お嬢様な感じだから・・大きい家とかに住んでるですか??」
玲 子 「ううん・・実はね豆腐屋なのよ」
斉 藤 「え、そうなんですか??」
玲 子 「結構勘違いされるかな・・まぁ、大抵はびっくりされるけど」
斉 藤 「すごいですね・・」
玲 子 「あ、階段だわ・・」
斉 藤 「おれが先に行きます・・」
玲 子 「うん、じゃ気をつけてね」
斉 藤 「ほぃほぃー」
玲 子 「 (*´ω`*)  」

斉藤君が1つ下の階に降りると玲子も続いて降りてきた。

斉 藤 「よっこらせっと・・どうぞ玲子さん・・足元気をつけて・・」
玲 子 「はい・・」

玲子が足元を気を付けつつ本を落とさないように階段を下りていると
足元を滑らせる玲子!! 玲子の階段からの転倒を防ぐため、斉藤君は階段を駆け上がる。
斉藤くんのおかげでなんとか転倒せずに済んだ玲子。
しかし、事故だったとはいえ玲子を強く抱いてしまう斉藤くん。

斉 藤 「だ、大丈夫ですか・・・玲子さん・・??」
玲 子 「う、うん・・あ、ありがと・・」
斉 藤 「あ・・いいえ・・別に・・」

その階段の近くの手洗い場で手を洗っていたむこぬこちゃんがその光景を目撃してしまう。

むこぬこ「ほ・・ぇ・・・」
玲 子 「あ、むこちゃん・・」
斉 藤 「え・・??」

振り返る斉藤君・・。ただただ呆然と見つめるむこぬこ。
そしてなにも言い出せない斉藤君。
むこと斉藤の目と目が見つめあう中、むこぬこは重い口を開いた・・。

むこぬこ「な、なに・・してるのかな・・さい・・とうくん・・」
斉 藤 「あ、あの・・こ、これは・・」
むこぬこ「・・・・」
玲 子 「あ、あのね・・」
むこぬこ「・・・・」
斉 藤 「玲子さんはいいから・・(小声)」
むこぬこ「私を裏切ったのね・・斉藤君は・・(目元が暗くなる)」
斉 藤 「ち、違う!! これはその・・」

大粒の涙を斉藤君に見せ付けるむこぬこちゃん。
そのむこぬこの悲しい表情を見て驚く斉藤くん・・。

むこぬこ「・・・・もう・・斉藤くんなんか・・知らない!!!!」

どこかへ走り出すむこぬこ。
そしてトイレから出てきた珠子の肩とぶつかるもののむこぬこは泣きながら走り去っていく。

珠 子 「おぅー!! むこっちここでなにを?? うわぁ痛ッー!! なに??」

そして走っていったむこちゃんを追いかける斉藤くん・・。

斉 藤 「あの・・本お願いしていいですか??」
玲 子 「うん・・あとやっておくね・・ちゃんと仲直りしてよね・・」
斉 藤 「す、すみません・・それじゃ・・」

むこぬこを見失う斉藤くん。

 梓  「痛かったね・・むこっちなんかあったのかな・・」
梨穂子 「随分と大泣きしてたよね・・」
斉 藤 「あ、あのー」
 梓  「はい??」
梨穂子 「うん??」
斉 藤 「むこぬこさん・・どっちに走っていきましたか??」
 梓  「はぁ?? えっと・・体育館裏に走っていったけど・・」
梨穂子 「むこぬこちゃんに何かしたんですか??」
斉 藤 「い、いいえ・・あの」

梓と梨穂子の静止を振り切り体育館裏へと走り出す斉藤くん。

 梓  「ちょっと!! むこちゃんになにかしたなら承知しないよ!!! おーいこらぁー!!!」

そして体育館裏へとやってきた斉藤君。
すると、体育館裏口の扉の前で座り込んで大泣きしているむこぬこがいた。
そっと近づくとむこぬこは気が付いて驚いた顔で斉藤くんを見つめる。

斉 藤 「あ、あの・・・」

そう言うとむこぬこは怯えながらも必死でまた逃げようとするも
斉藤君はむこぬこのブレザーの腕袖を力強く掴んだ。

むこぬこ「は、離して!!!!!」
斉 藤 「ちょっと・・話をきいて!!」
むこぬこ「やだー!!!!! 離してよ!!!」

斉藤君の頬を思いっきりビンタするむこぬこ。
ビンタされた斉藤くんは驚いた顔で腕袖を離す・・。
我に返ったむこぬこは立ち止まる・・。

むこぬこ「あ、あの・・」

ビンタされ赤く腫れる自分の頬を触る斉藤君・・。斉藤君の目元から零れる涙。

むこぬこ「でも・・斉藤・・君が悪いよ・・」
斉 藤 「・・・・」
むこぬこ「玲子ちゃんと・・抱いてるの見せられたら・・そうでしょ??」
斉 藤 「・・・・」

頬を触ったまま俯くふたり。

斉 藤 「・・・・」
むこぬこ「・・・・」

ゆっくりと足を後ろに下がっていくむこぬこ・・。
そして走ろうとした瞬間。むこぬこの袖を掴む斉藤君。

むこぬこ「え・・・」

斉藤君の顔を見ずに袖を見るむこぬこ。

斉 藤 「お話し・・聞いてくれないの・・」
むこぬこ「べ、べつに・・なにを話すの・・玲子ちゃんとの関係の話??」
斉 藤 「・・・・」
むこぬこ「黙ってるのなら教室に戻るから袖、離してくれるかな・・」

暗い声で言いかけるむこぬこ。

むこぬこ「斉藤君・・聞いてる?? 袖離して・・よ・・」
斉 藤 「・・・・・」
むこぬこ「離して!!!」
斉 藤 「・・・・・」
むこぬこ「もぅー!!!」

斉藤君の腕をポンポンと叩くむこぬこ。
すると・・必死に掴んでた袖を離す斉藤君。
むこぬこはそのまま離れようとした瞬間、むこの頬を引っ叩く斉藤君。

むこぬこ「・・・・え」
斉 藤 「・・・・・」
むこぬこ「ちょ・・な、なに・・するの」
斉 藤 「・・・・・」
むこぬこ「痛い・・なにするの斉藤君!!」
斉 藤 「あぁーもう!!!!」

人の話しを全く聞こうとしないむこぬこを斉藤君は感情を失い怒鳴った。

斉 藤 「なんで人がさ!!! お話ししようとしている時に!!! 自分でなんでもかんでも決めるんだよ!!!!! おまえは!!!!!」
むこぬこ「・・・!!」
斉 藤 「いっつもそうじゃん!!! 俺がお前のこと捨てるとか!!!! いい加減にしろよ!!! 別に捨てねぇーよ!!!」
むこぬこ「・・・・」
斉 藤 「お前のことを最初に告白したのどっちだよ!!!!! それを事故で玲子ちゃんを抱いたぐらいでさ!!」
むこぬこ「・・・・」
斉 藤 「被害妄想だよ!!!! ただあれはさ・・本を持って降りた時に足元が滑って転びそうになったところを助けただけだよ!!!!」
むこぬこ「・・・・」
斉 藤 「だからさ・・・勘違いだよ!!!・・ただの・・・」
むこぬこ「・・・・」
斉 藤 「・・・・」

斉藤くんは怒鳴り散らすと我に返ったときには更に暗い雰囲気になっていた。
斉藤君は・・黙り込んでいるむこぬこに切り出した。

斉 藤 「別れるか・・・」
むこぬこ「・・・・・ほぇ」

俯いてたむこぬこはゆっくりと斉藤君の顔を見る。
むこぬこはさっきまで怒っていた斉藤君の顔は悲しい表情となり怖い表情はなくなっていた。

斉 藤 「別れよう・・・・」
むこぬこ「ど、どうして・・」
斉 藤 「はぁ・・気が合わない・・だろ・・」
むこぬこ「・・・・」
斉 藤 「一目惚れだったし・・元々合わないんだよ・・俺たち・・」
むこぬこ「一目惚れ・・・だから・・」
斉 藤 「・・・うん・・??」
むこぬこ「女の子・・気持ち分かってないのは斉藤君だよ!!」
斉 藤 「え・・・・」
むこぬこ「私人生初めて告白されて嬉しかったんだよ~?? それで気が合わないから別れるって・・」
斉 藤 「・・・・」
むこぬこ「お父さんやママがいってたけど・・お互いすこしの失敗でも目を瞑らなくちゃいけないときがあるって・・言ってた」
斉 藤 「・・・・」
むこぬこ「確かに・・玲子ちゃんのことはわかったよ?? でもね・・」
斉 藤 「・・・うん」
むこぬこ「玲子ちゃんを抱いてた理由は分かったし、忘れる。だから、別れるなんて・・わたし、絶対嫌だから・・」
斉 藤 「・・・・」
むこぬこ「私ね、斉藤君のこと絶対に好きで離れられない関係にしたいと思ってるから・・」
斉 藤 「むこちゃん・・」
むこぬこ「だから・・さっきビンタしたこと・・謝ります・・ごめんなさい・・」
斉 藤 「・・・・」
むこぬこ「・・・・」
斉 藤 「いや、俺のほうも頬にその・・引っ叩いたりして・・ごめんなさい!!」
むこぬこ「ううん・・いいよ・・・」
斉 藤 「・・・ほんとにごめんね」
むこぬこ「もう、謝らないで・・」
斉 藤 「・・・・ごめん」
むこぬこ「・・・・」
斉 藤 「・・・・」

再び和解したところで沈黙の空気が流れ黙り込む2人・・。
むこぬこは黙り斉藤くんに問い掛けた。

むこぬこ「ねぇ斉藤君・・」
斉 藤 「うん・・なに?? むこちゃん・・」
むこぬこ「もし良かったらね・・」
斉 藤 「うん・・」
むこぬこ「あ、あの仲直りの・・キス・・してくれる??」
斉 藤 「え・・でも・・」
むこぬこ「だめ?? (上目遣いで見る)」
斉 藤 「ううん・・いいよ」

首を軽く縦に振るとむこぬこからのお願いを快諾。
ゆっくりとむこぬこの肩に手を乗せる斉藤君・・。
むこぬこは顔をすこし突き出しながら唇を尖らせる。
斉藤くんはゆっくりと顔を近づかせると唇と唇を合わせる。

むこぬこ「むぅ・・・ちゅ・・・」
斉 藤 「・・・・・・・・」

唇を離す斉藤。

斉 藤 「これでいいかな・・」
むこぬこ「・・・・」
斉 藤 「だめ・・??」
むこぬこ「放課後のチャイムが鳴るまで・・」
斉 藤 「えっ??」
むこぬこ「やってー!! (だだをこねる)」
斉 藤 「あ、え、えっと・・あの・・」
むこぬこ「ほらぁー☆」

戸惑う斉藤君を尻目に唇をくっ付けるむこぬこ。

斉 藤 「むぅ・・ぅぅ・・むこちゃん・・」
むこぬこ「ぬぅ・・ちゅぱ・・体・・抱いて・・」

キスしながら抱き合うふたり。
いつも以上に長くそして舌を交じり合わせながら・・お互いの愛を確かめながら・・。
放課後終了の鐘がなるまで・・・。ふたりはキスをし続けた。

次回 「女子高生の日常」 お楽しみにー!!

END
最終更新:2013年05月21日 14:19