放課後のチャイムが鳴り終わり教室に戻るむこぬこと斉藤君。

むこぬこ「うぱぁ・・(涎がすこし垂れる)」
斉 藤 「あはぁ・・垂れちゃったね・・」
むこぬこ「ちょ、ハンカチで拭いてっと・・」
斉 藤 「じゃ、行こう・・」

仲良く手を繋いで教室に戻った。

桃 子 「むこさん、どこ行ってたんですか~??」
美 月 「大泣きしてたって梓や梨穂子から聞いたけど・・」
むこぬこ「ううん・・ごめんね、なんでもないよー!!」
桃 子 「斉藤君となにかあったんですね・・」
美 月 「別の女の子出来たとか・・」
桃 子 「それは有り得るかもしれないですね・・」
むこぬこ「いや、ホントになんでもないんだわー☆」
桃 子 「そう、なんですか?? ならいいんですけど・・」
美 月 「心配したよー」
むこぬこ「ごめんねー!!」

そういうむこぬこの周りに同級生が心配になって集まってくる。

女子高生A「あの斉藤君っとかいう子になんかされたんでしょ??」
百 代  「なんか、するとは思ってたけどね・・」
女子高生B「それでそれで!! どうだったのむこちゃんー!!」
むこぬこ 「え、どうって??」
女子高生A「斉藤くんに引っ叩かれたとか・・それとも別れてとか言われたー??」
むこぬこ 「ううん、別に言われてないよ☆」
女子高生C「なんだー!! よかったー」
むこぬこ 「(全部当てはまるけどね・・とりあえず)」
むこぬこ 「なにも無かったから・・心配させてごめんね」

楠 楓 「こらー早く席着きなさーい!!」

女子生徒全員「はーい☆」

授業が始まる。

楠 楓 「さて、この言葉はね。2、3世紀から・・・」

真面目に楠楓先生が授業をする中、女子高生同士が紙飛行機型の手紙を飛ばし合い。
黒板の内容をノートに書くむこぬこのところにその紙飛行機型の手紙が行き届いた。

むこぬこ「ほぇ、なにこれ・・??」
桃 子 「あの・・玲子ちゃんからだそうですよ・・」
むこぬこ「ほぅほぅ・・どれどれ・・」

手紙の内容
[ ごめんね・・斉藤君から聞いてると思うから。あとで奢らせてね☆ ]

むこぬこは手紙の内容を読むとゆっくりと玲子の方向へ振り返った。
両手を合わせて「ごめんね」のサインを送る玲子ちゃん。
小さく手を振るむこぬこ。

手紙の返信
[Re:ごめんね・・斉藤君から聞いてると思うから。あとで奢らせてね☆]
[ ううん、私の早とちりだったみたいだから・・心配かけてごめん!! ]

その内容の手紙を紙飛行機にして飛ばそうした瞬間先生に取り上げられるのだった

楠 楓 「むこぬこ~あんた・・いい度胸だな・・紙飛行機か・・」
むこぬこ「いえ!! 断じてそんなことはありません!! ゴミ箱に入れようとしただけです!!」
楠 楓 「ほぅーそれにしても後ろ側に飛ばそうとしてたようだが・・??」
むこぬこ「えーそれは・・あの・・すみませんでした・・」
楠 楓 「うん?? なにか書いてあるが・・」

内容を読む先生・・。

楠 楓 「誰が書いた??」
玲 子 「・・・・」
むこぬこ「・・・・」
桃 子 「・・・・」
珠 子 「・・・・」
百 代 「・・・・」
美 月 「・・・・」
 梓  「・・・・」
梨穂子 「・・・・」
楠 楓 「おいー!! だんまりか?? まぁいい!! ほら」

手紙を返す先生・・。

楠 楓 「いいか。むこぬこ、授業は真面目に受けろよ」
むこぬこ「ありがとうですー」
楠 楓 「んじゃ、授業続けるぞー教科書の32page開けてーえっとここはねーアルシュタイン文明の」
むこぬこ「桃子ちゃん・・玲子ちゃんに渡して!!」
桃 子 「はい・・渡してくれますか・・珠子さん・・」
珠 子 「ほぃほぃ・・渡して、百代・・」
百 代 「後ろの人・・梓に渡せ、梨穂子・・」
梨穂子 「うん・・梓ちゃん・・玲子ちゃんに渡して~」
 梓  「はいよー美月、玲子に手渡してー☆」
美 月 「はいはい・・玲子?? はいー」
玲 子 「うん、ありがと☆」

むこぬこからの返答を読んで笑顔になる玲子。
そして授業が終了の鐘がなる。

楠 楓 「じゃー今日はここまで!! 号令かけて!!」
珠 子 「起立!! 礼!! ありがとうございましたー」
楠 楓 「それじゃ掃除係りは教室掃除、始めちゃってねー」

鞄の中に教科書などを入れて学園寮に帰ろうとするむこぬこの側に近寄る玲子。

玲 子 「むこちゃん・・」
むこぬこ「おぅー!! なにー??」
玲 子 「ごめんね・・変な誤解招いたようで・・」
むこぬこ「ううん、事情は聞いたよ。それに斉藤君に少し怒られちゃったし・・」
玲 子 「え、なにか言われたの??」
むこぬこ「うん、実はね・・」

むこぬこは斉藤君が咄嗟に怒ってしまった時に言った台詞の内容を玲子に伝えた。

玲 子 「そうだったんだ・・」
むこぬこ「私も早とちりしちゃうクセ直さないと交際は無理だからね・・反省してるよ」
玲 子 「学園寮に行くついでに自販機でジュースでも買ってあげるよ」
むこぬこ「えー、いいよ別に☆」
玲 子 「でも、それじゃ私の気分が落ち着かないから奢らせて!!」
むこぬこ「いや、そこまで言うんなら・・お願いします☆」
玲 子 「はーい!!」

本校舎の近くにある自販機でむこぬこの大好きなブルーベリージュースを買ってもらったむこぬこ。
正面ゲートを抜けて学園寮に帰る所で斉藤くんが待っていた。

むこぬこ「おー!! 斉藤君ー☆ 待っててくれてたの??」
斉 藤 「うん、色々あったから、埋め合わせしておきたいっと思って・・」
むこぬこ「そうか・・うふふ」
斉 藤 「・・・行こう」
むこぬこ「うん☆」

ふたりが手を繋いだところで間に入ってくる玲子、桃子、美月!!

斉 藤 「うわぁー!! なに??」
美 月 「ずるいぞーむこちゃんは私達の友達なんだからー!!」
桃 子 「おふたりの邪魔しないほうがよろしいのでは・・」
玲 子 「うふふ (*´ω`*) 」
斉 藤 「あ、そういえば忘れてたことが!!」
むこぬこ「なにを??」
斉 藤 「あのー玲子さん・・あの本はちゃんと戻してくれましたか??」
玲 子 「うぅーん?? なんのことかしら??」
斉 藤 「ほらー本を図書室に返すっていうあれですー!!」
玲 子 「あぁあれね・・」
斉 藤 「そうですー」
玲 子 「職員室に戻しておいたよ??」
斉 藤 「え゛ (゜д゜;) 」
玲 子 「うふふ 冗談ですよ・・珠子っ知ってるでしょ?? あの子と一緒にちゃんと図書室に戻しておきました☆」
斉 藤 「あ、ありがとうございます・・びっくりしたー」

その当時の会話シーン
むこぬこの肩とぶつかる珠子。

珠 子 「いったぁーいなー!!! 気をつけろよなー!!! まったくいつも猫みたいに元気なんだから・・」
玲 子 「あちゃーやっちゃったな・・斉藤君大丈夫かな・・」
珠 子 「玲子、その本どうしたの??」
玲 子 「そうだ!! 珠子~お願いがあるの~」
珠 子 「な、なに・・??」
玲 子 「この大量の本、図書室に返してほしいの~」
珠 子 「はぇ?? なんでわたしが!?」
玲 子 「大丈夫!! わたしもやるからー!!」
珠 子 「そういう問題じゃないでしょ・・」

そんな会話をしたことを斉藤君や桃子たちに話す玲子。

むこぬこ「たまちゃん・・嫌がってたでしょうね・・」
玲 子 「たまちゃんーしっかりしてるからね!! 早く終わったよ~」
桃 子 「そういうもんですか・・ね・・」
斉 藤 「珠子さんにも事情お話ししたほうがいいのかな??」
玲 子 「ううん別に必要ないと思うよー」
斉 藤 「ど、どうしてですか!?」
玲 子 「私が言っておいたからー☆」
斉 藤 「そ、そうなんですか・・」
玲 子 「うん☆」
美 月 「珠子、なんて??」
玲 子 「え?? そうね」
むこぬこ「ふむふむ・・」
玲 子 「そうね・・[あらそう、大変ね]って言ってたー」
美 月 「え・・」
桃 子 「元から興味なさそうですもんね・・たまさん・・」
むこぬこ「たまちゃん・・心配してなかっのか・・」
斉 藤 「まぁ・・でもありがとうございます・・そう伝えてください、玲子さん」
玲 子 「うん☆ わかったー」

女子寮前に到着する5人。

玲 子 「それじゃーね斉藤くんー!! おやすみー」
むこぬこ「おやすみー☆」
斉 藤 「はいーそれじゃ・・」

男子寮に帰る斉藤君。
女子寮に入った後、学園女子寮の事務所にいた先生がむこぬこを呼び止めた。

大 原 「あ、むこ、いま帰ったのか??」
むこぬこ「ただいまー」
大 原 「あのな実はお前のご両親から電話があってな・・」
むこぬこ「ほぇ??」
大 原 「今電話繋がってるからお話ししてみろ・・」
むこぬこ「はい・・わかりました」

大原寮長先生から受話器を受け取るむこぬこ。

むこぬこ「もしもし・・」
理 恵 「あ、むこぬこ??」
むこぬこ「あ、お母さん!! どうしたの??」
理 恵 「まぁね・・ずっと寮生活してる娘のことが心配でね・・」
むこぬこ「大丈夫だよー!! みんなと仲良くしてるしー元気満点だよ☆」
理 恵 「そうなの?? ならいいんだけどね・・時々でいいから家に帰ってきてお父さんも心配してるから・・」
むこぬこ「うん分かった・・休みの日にでも家に行くよー」
理 恵 「あらそう?? あ、今お父さん仕事から帰ってきたから代わるね・・」
むこぬこ「ほぃ☆」
理 恵 「あなた~娘に電話、繋がってるわよー!!」

受話器からむこの母、理恵の声が筒抜けだった・・。

むこぬこ「お母さん・・手で隠してよね・・」
和 夫 「はい~いま代わったよ・・」
むこぬこ「お父さん? どう元気??」
和 夫 「あぁ・・まぁな・・」
むこぬこ「一応ね・・こっちはうまくやってるから・・心配しないでね・・」
和 夫 「そっか・・分かった・・」
むこぬこ「うん・・・」
和 夫 「なぁ・・」
むこぬこ「・・なに、パパ??」
和 夫 「ママのこと心配させないように時々でいいから・・帰って来い・・」
むこぬこ「うん・・さっきママにも言われた・・えへへ」
和 夫 「そっ、そっか・・それじゃ緋鞠に代わるぞ・・」
むこぬこ「うん・・」
緋 鞠 「どう?? おねぇちん・・元気?? スキップしてた??」
むこぬこ「してないよ?? そんなにー!!」
緋 鞠 「そうなの?? 風邪とか弱いんだから気をつけてねー!!」
むこぬこ「はいはいー、そそ、ひまは進路決まったの??」
緋 鞠 「ううん~全然決まってないー」
むこぬこ「おねぇちんと同じ学園にしなよ??」
緋 鞠 「えぇー!! やだよー」
むこぬこ「なんで・・??」
緋 鞠 「見分けつかなくなったらやだよー」
むこぬこ「髪結んで来ればいいでしょ・・」
緋 鞠 「あ、そうだね!! おねぇちゃん天才だねー」
むこぬこ「常識だわ!!! まったくぅ・・」
緋 鞠 「今日の夜ね、ヒレカツだってー!!」
むこぬこ「じゅるり・・おいしそうだね・・」
緋 鞠 「おねぇちゃんーそれじゃまたねー!!!」
むこぬこ「うん、じゃあね!! 」
緋 鞠 「おやすみー!!」

受話器が切れる。

むこぬこ「ちゃんと・・寝ろよって切りやがった・・」
大 原 「もういいのか??」
むこぬこ「はい・・ありがとうございました・・おやすみですー!!」
大 原 「あぁ・・おやすみ」

部屋に戻ると桃子と美月は食堂で出来上がったカツ丼定食を食べていた。

むこぬこ「おぅおぅー美味しそうだねぇ!!」
桃 子 「ここにむこさんの分もありますよー」
美 月 「むこちゃんー!! 一緒に食べよう」
むこぬこ「うぃすー!!」

次回 「実家へ」 お楽しみにー!!

END
最終更新:2013年05月21日 14:21