とある日・・。
学園は騒然とした雰囲気となっていた。
桃 子 「なんか学校全体が騒がしいんですけど・・なにかあったんですか??」
むこぬこ「またこの風物詩の季節がやってきてしまったか・・」
桃 子 「風物詩??」
美 月 「サバゲーだよ」
桃 子 「サバゲー??」
むこぬこ「サバイバルゲームの略だょ~」
桃 子 「サバイバルゲームですか??」
むこぬこ「そう!!」
廊下を歩いていると目の前に玲子と珠子が話し合っていた。
むこぬこ「たまちゃん!! おはよう」
珠 子 「おっ、来たなー!!」
玲 子 「おっはよー!!」
桃 子 「おはようございます。たまさん。サバゲーというものをやるんですか??」
珠 子 「どこのクラスと戦うかは決まってないんだけどね・・」
玲 子 「どうやら噂では・・先輩クラスの三年生らしいのよ」
むこぬこ「うわぁー当たったら強豪だな・・」
桃 子 「お強いんですか??」
美 月 「うん・・まだ桃子はエアガンとかもったこと無いんだよね??」
桃 子 「えぇ・・エアガンって空気で撃ちだすおもちゃの銃ですよね??」
美 月 「うん。そうだね」
桃 子 「それって痛いんじゃ・・??」
むこぬこ「どうやらPTA公認らしいよ??」
桃 子 「PTA公認なんですかー!?」
むこぬこ「そうだょ~☆」
桃 子 「うわぁ~マジっすか・・」
珠 子 「とにかく私達は打ち合わせ中だから教室行っててよ」
むこぬこ「りょうかいっす」
教室の中に入る3人。すると隣のクラス男子生徒たちが席に座って雑談していた。
むこぬこ「おろおろ・・どうなってんの??」
梨穂子 「あのねーなんか今回は合同で例のアレ、やるらしいよ」
むこぬこ「男子と一緒なん??」
梨穂子 「うん。たぶん」
むこぬこ「それじゃ彼氏の斉藤くん・・いるのかな・・あ、いた!!」
斉藤君は窓際の席に座って青空を眺めていた。
その姿を発見したむこぬこは近づいて話しかけた。
むこぬこ「にゃ!!」
斉 藤 「あぁ・・おはよう」
むこぬこ「なにしてんの??」
斉 藤 「青空眺めてたww」
むこぬこ「そうなん?? ねぇねぇ斉藤君」
斉 藤 「なに・・??」
むこぬこ「今回は第二学年は皆味方なの??」
斉 藤 「うん・・一応決まってるらしいけど・・」
榊 原 「おぅーむこちゃん!! 久しぶり!!」
むこぬこ「榊原くん。おはよ!!」
榊 原 「おっはー!! どう今年のサバゲーは行けそう??」
むこぬこ「どうなのかな・・」
桃 子 「榊原さんもやるんですか??」
榊 原 「当たり前じゃん!!! 桃子ちゃんもやるでしょ??」
桃 子 「いえ、私はちょっと・・」
榊 原 「痛いのいや??」
美 月 「あれ?? 今年からペイントボールじゃなかった??」
むこぬこ「ペイント??」
美 月 「当たると色つきの塗料が吹き出るやつ・・あれじゃなかった??」
斉 藤 「うん・・そうだよ」
美 月 「やはりか・・桃子、大丈夫だよ!! 痛くないよ」
桃 子 「本当ですか?? でも・・心配です・・」
むこぬこ「私と斉藤くんが守るから安心して!! ね??」
斉 藤 「うん、そうだね・・」
榊 原 「俺も入っていい??」
斉 藤 「ことわ・・」
むこぬこ「うんうん!! いいよ!!」
榊 原 「イェーイ!! 美月ちゃん、桃子ちゃん。よろしくねー!!」
桃 子 「は、はい・・」
美 月 「えへへ・・よ、よろしくね・・」
桃 子 「美月さん・・(小声)」
美 月 「なに?? (小声)」
桃 子 「この人・・苦手というか・・」
美 月 「私も同じ・・」
榊 原 「うん?? なんか言った??」
美 月 「ううん なんでもないー!!」
榊 原 「・・??」
楠 楓 「よし・・みんな席についてー!!」
先生が教室に入ってきて出席簿を取る。終わると、第二学年の学級委員が教卓に集まった。
珠 子 「えぇ・・と、もう知ってる生徒もいると思いますけど今年から合同サバゲーの季節になりました」
生徒全員「イェーイ!!!!」
珠 子 「はいはい!! 静粛に!!! 静かに!!」
珠 子 「でね・・第二学年の総大将みたいなの決めたいんだけど・・希望する人はいる??」
珠子がそう言った瞬間に百代に皆が指を指す。
百 代 「え、なに??」
珠 子 「百代・・やる??」
百 代 「なにを?? 総大将?? いやいや・・冗談でしょ??」
珠 子 「・・・・」
百 代 「ちょ、ちょ・・」
珠 子 「やる??」
百 代 「はい・・・」
脅迫とも思える雰囲気に負けて百代が総大将に決まった。
むこぬこ「ありゃま・・」
桃 子 「ひ、ひどい・・」
珠 子 「それじゃ・・ルールの説明しますー!! 真面目に聞いて!!」
珠子はそう言うと白幕を下ろして作戦兼ルールの説明を始めた。
珠 子 「いい・・まず、1つめ、BB弾が当たったら大きい声でヒット!!と叫ぶ。
「2つめはゾンビ行為の禁止!!」
「3つめは仲間への誤射も死亡扱いとします。なお、当てた人もリタイアとします・・いいですか??」
集まっている生徒全員が頭を頷いたり返事をする。
珠 子 「えっと・・作戦としては各自の判断に任せます。以上!!」
生徒全員「ちょww」
むこぬこ「各自の判断って・・」
桃 子 「とりあえず・・どうすれば」
斉 藤 「とにかくこれ・・掛けて三人とも」
斉藤君は美月、桃子、むこぬこの三人にゴーグルを手渡す。
むこぬこ「ありがと☆」
桃 子 「これは??」
美 月 「こうやって付けるんだよ・・目に当たったら痛いよ??」
桃 子 「し、知ってますよ・・」
珠 子 「ゴーグルを受け取ったら、学園支給の灰色の迷彩服に着替えて校庭に集合してください!!!」
生徒全員「はぁーい!!」
むこぬこ「ももこちゃん・・いこう!!」
桃 子 「は、はい!! ちょ、ちょっと待ってください」
女子更衣室に入る第二学年の女子とむこぬこ達、3人。
そして着替え終わった生徒全員が校庭に集合し始める。
むこぬこ「私達も着替え終わったから校庭に行きましょ」
美 月 「桃子、ホルスターはここだよ・・??」
桃 子 「うまくはまらなくて・・あ、できた!!」
むこぬこ「じゃ行こう」
生徒全員が集合し終わり校長先生が全校生徒に話す。
校長先生「えっー、今回、いい天気に恵まれて絶好のサバゲー日和となりました」
むこぬこ「ぁぅ・・校長先生・・話長いんだろうな・・」
校長先生「・・というわけです、お話しが長くなりましたがそれでは一年、二年、三年と人数は前より増えてますが頑張って勝って下さい。それでは始め!!!」
一斉に一年、二年、三年が所定陣地に移動する。
むこぬこ「さ、斉藤くん。私達は??」
斉 藤 「俺達は体育館裏だと思うけど・・」
珠 子 「ほら、そこの2人!! 移動するよ!!」
斉 藤 「は、はい!! 行こうか?」
むこぬこ「うん!!」
ふたりで手を繋いで陣地に移動する。
体育館裏に集合する第二学年全生徒たち。
桃 子 「す、凄い数ですね・・皆味方なんですか??」
美 月 「にしし☆ 桃子は初めてだから仕方ないよ~」
桃 子 「そりゃそうですけど・・。でもどう攻めるのか決めてるんですか??」
むこぬこ「そうだよね?? 百代ちゃん、作戦決まってるのかな?? ちょっと心配だょ・・」
美 月 「そうだね・・」
斉 藤 「珠子さん!! どう攻めますか??」
珠 子 「ちょっと待ってて」
珠子が総大将専用の馬車に堂々と乗る百代に近寄って話しかける。
珠 子 「百代ー!!」
百 代 「なに??」
珠 子 「作戦決まってんのー??」
百 代 「ちょっと待って!! 今考えてるから!!」
その言葉と同時に、開始を知らせる花火が空に舞い上がった。
その瞬間、第一学年か第三学年のどちらかが一斉に走り出した。
体育館裏からも聞こえるエアガンの乱射音。
桃 子 「も、もう始まったんですか??」
美 月 「どうするんだろ・・」
むこぬこ「斉藤くん、移動する??」
斉 藤 「いや、待ってて・・どうしよっか・・」
珠 子 「おーい!! 百代!!! 早くしろー皆殺しだぞ!!」
百 代 「あっーもう!! 皆各自判断に任せる!!!!」
第二学年全生徒「えー!!!!!」
百 代 「うわぁー!! あれ一年じゃん!! お、応戦!!!」
一斉に逃げ出す第二学年生徒たち。
その腰抜け先輩たちの背中にBB弾を撃ち込む下級生たち。
「ヒット!!!」と言いながら次々と倒されていくむこぬこ達の同級生たち。
むこぬこ「に、逃げよう斉藤くん!!」
斉 藤 「そうだね・・桃子ちゃん、美月ちゃん、珠子さんも一旦逃げましょう!!」
珠 子 「そ、そうだね・・逃げるよ!!!」
体育館から離れた特別棟の校舎内に逃げるむこぬこ達。
むこぬこ「はぁはぁ・・こ、ここまで来れば・・だ、大丈夫だよね・・」
珠 子 「はぁはぁはぁ・・ま、まったく・・い、いきなり・・れ、劣勢かよ・・」
むこぬこ「も、桃子ちゃんは??」
斉 藤 「大丈夫、そばにいるよ・・」
桃 子 「はぁ・・はぁ・・疲れます・・」
休む皆をよそに静かに壁から覗き込む美月。
美 月 「・・・・」
むこぬこ「ど、どう??」
美 月 「うん・・大丈夫だけど・・必死になって探してるよ・・」
下級生 「この辺りに先輩方が5人逃げ込んだはずだけど・・」
不良っぽい下級生「腰抜けが!!」
覗き込むのをやめて腰を下ろす美月。
美 月 「うわぁー随分と柄の悪い子も参加してるなー」
むこぬこ「劣勢だよ・・」
珠 子 「百代が総大将やるとろくな事にならないな・・」
珠子の肩に突然手が触れる。
咄嗟にエアガンを構える斉藤くん。
珠 子 「うわぁ、なになに!!!」
斉 藤 「なんだ!?」
玲 子 「たまこ・・わたしだよ、わたし!!」
珠 子 「れ、れいこか・・びっくりしたわ・・」
むこぬこ「敵かと思った・・それにしてもよく生きてたね・・」
玲 子 「うんなんとかね。それで?? どうする??」
斉 藤 「え・・??」
玲 子 「反撃するんでしょ??」
珠 子 「反撃って言ったって・・この人数じゃ勝てないでしょ・・」
むこぬこ「どちみち全滅でしょ・・」
珠 子 「玲子、ひとり?? もしかして」
玲 子 「ううん・・実はね・・来て!!」
すると奥の視聴覚室から出てきた梓と梨穂子たちの2人はむこぬこ達と合流する。
玲 子 「この2人も逃げてこれたんだけど・・」
梓 「うぃすーたまこ☆」
梨穂子 「うわぁーむこちゃんだぁ~」
むこぬこ「梨穂子ちゃん・・相変わらずのマイペースだね・・」
斉 藤 「俺も含めて約8人か・・充分な戦力だな・・」
むこぬこ「斉藤くん・・??」
斉 藤 「ここ・・特別棟に敵をおびき出せないかな・・??」
むこぬこ「え・・でも・・」
珠 子 「つまり・・」
斉 藤 「勝てるとは思ってないけど・・反撃するだけしてみようよ・・なにもしないで負けるほうが悔しいと思う」
珠 子 「・・そうだね。わかった・・やってみよ」
玲 子 「うん・・」
むこぬこ「力合わせよう!!」
むこぬこが手を出して後から皆が手を出し合い円を描くように一致団結した。
と、その瞬間・・むこぬこ達のいた教室の扉が開いた。むこぬこ達とその扉を開けた5人の第三学年生徒たちと目が合う。
白目になるむこぬこ達。見下すように見る第三学年の先輩達。
しかし、我に返った斉藤くんが横にスライディングして第三学年5人に弾を当てた。
しかし、5人が一斉に「ヒット!!」と叫ぶとその声が外まで響く。
第三学年先輩「なかなかやるな・・でも、増援来るかもな!?」
斉 藤 「すみません・・皆ここから出るぞ!!」
特別棟から外へ抜け出すむこぬこ達。外を捜索してた第三学年に見つかり撃たれ始める。
第三学年捜索部隊 「おい! いたぞ!!!」
とろとろ走る梨穂子に無数のペイント弾が梨穂子の背中を襲う。
梨穂子 「ヒット!! いたっ!! 痛いなー!! もう!!」
早速撃たれるマイペース娘。
むこぬこ「梨穂子ちゃんー!!!」
斉 藤 「行くぞ!! むこぬこ!! 早くー!!」
珠 子 「本校舎の教室に逃げ込みましょう!!」
本校舎の教室に逃げ込む7人。
教室の出入り口で応戦する美月。
桃 子 「はぁはぁ・・だめです・・疲れて息が上がります・・」
美 月 「はぁ全然弾が当たらない」
弾を撃ち込み続ける美月。
斉 藤 「大丈夫?? むこちゃん・・」
むこぬこ「さっき・・呼び捨てだったね・・名前・・」
斉 藤 「ごめん・・・」
むこぬこ「ううん・・でも嬉しかった・・」
珠 子 「まったく・・このカップルは!!」
美 月 「弾、まだ残ってる人いる??」
斉 藤 「俺はまだあるよ」
美 月 「一緒に応戦して!! 沢山来てるよ!!」
教室の扉の窓や壁に大量にペイント弾が付着する。赤、青、黄色、橙、様々なカラーペイントがむこぬこ達を容赦なく襲い掛かる。
斉 藤 「リロード!!」
美 月 「援護するわ!!」
斉藤君のリロードを援護する美月と珠子。
教室の墨でガクブル震える桃子。その震える桃子の頭を優しく撫でる、むこぬこ。
むこぬこ「大丈夫だよ・・」
桃 子 「こっ怖いです・・」
美 月 「弾が無くなった・・桃子!! 銃貸して!!」
震える桃子のエアガンを使う美月。
珠 子 「むこ!! あんたも手伝いなさい!!」
扉に激しく叩きつくペイント弾の破裂音。
危うく当たりそうになる珠子を守るため教室の扉を閉めて盾代わりにする斉藤くん。
それでも敵の攻撃が収まることはない。再び扉を開けて応戦する2人。
むこぬこ「わたしも戦うよ!!」
むこぬこが戦いに加わる。敵を的確に撃ち込んで倒す美月と斉藤くん。
斉 藤 「リロード!! 援護頼みます!!」
美 月 「はいよっ!!」
マガジンを本体に差し込む斉藤君の後ろ側のベランダでカキンと音がする。
なんとその存在に気が付いた第一学年の下級生達がロープを伝って登ってくる。
桃 子 「ヒィィ!!!」
虐められていた時の事を振り返る桃子。
震える桃子に斉藤君が言いかける。
斉 藤 「大丈夫・・絶対守るからね・・」
そういうとベランダに駆け抜け登ってくる下級生どもの頭にペイント弾を当てる斉藤くん。
下級生A「うわぁ!! ヒット痛っ!!」
ロープからずれ落ちて尻を激しく打ち付ける下級生たち。
下級生B「ダメだ・・他の場所から行ってみよう!!」
慌てて別の戦略を取る下級生達。しかし、別の進路にいた第三学年に全滅させられる下級生たち。
その姿を見て教室に引き返す斉藤君。
斉 藤 「ダメだ・・下級生が全滅した・・」
珠 子 「あとは第三学年の先輩達だけ??」
むこぬこ「そ、そういえば!! 玲子ちゃんと梓ちゃんの2人はどこいったの??」
斉 藤 「特別棟から抜け出すときに逸れたから・・分からない・・無事でいてくれればいいけど・・」
その頃、第三学年の殆どが教室に撃ち込んでる隙を見測って裏取りをしていた玲子と梓。そして途中で合流した榊原の3人。
玲 子 「静かに!! 階段で撃ちまくってるよ・・」
梓 「すごいね・・」
榊 原 「どうすんの??」
玲 子 「3人同時に撃って全滅させるしかないと思う・・」
物音を立てないように静かに階段を登りきり第三学年のすぐ真横に出た玲子たち。
むこぬこ達の持つ同様の電動エアガンを第三学年に構える3人。
玲 子 「スリーカウントね・・3・・2・・1・・GO!!!!」
一斉に第三学年の先輩方の顔に撃ちこむ三人。しかし、それに気付いたショットガンを持った先輩が梓と榊原を倒してしまう。
榊 原 「うわぁー赤いペイントだ・・(倒れる)」
梓 「やだ・・制服がベタベタするー」
撃たれて落ち込む2人。
ショットガンを持った先輩に撃ちこむ玲子。
倒れる先輩。
玲 子 「他には・・いない??」
しかし、隠れてた先輩女子がMP5A5で反撃してきた。
片目瞑って頬スレスレで避ける玲子。撃ち込んだペイント弾が壁に叩き込まれる。
先輩女子「どうせ、あんた達の負けだから!!」
そう言うゴーグルに学園制服姿の強気の先輩女子さん。
玲子は黙って空マガジンを本体から抜いて捨てるとペイント弾の入ったマガジンに入れ替える。
先輩女子「弾ないの~?? 反撃してみなさいよ~☆」
先輩女子に挑発されて銃をブラインドファイヤーをして見る玲子。
慌てて隠れる先輩女子。隠れたとみた玲子は壁から覗きんで改めて構えなおす。
玲 子 「・・・・」
先輩女子「下級生なんかに負けないから!! わたしは!!!」
顔を出した先輩女子に一発のペイント弾を撃つ玲子。先輩女子さんのゴーグルが赤く染め上がる・・。当たった勢いで倒れる先輩女子さん。
むこぬこ「なんか・・攻撃止んだね・・」
斉 藤 「仲間割れじゃないよね・・」
そっと覗き込む2人。
玲子はむこぬこ達のいる教室のほうへ顔を出すと大声で問いかけた。
玲 子 「むこちゃんー!? 斉藤君、生きてる??」
むこぬこ「はぁーい!!! 生きてるよ!!」
玲 子 「そっち行くね!!」
むこぬこ「ほぃほぃ!!」
再びむこぬこ達と合流する玲子。
教室に玲子が入ると珠子、美月が既に撃たれていた。
お腹に黄色のペイントが付いたまま眠る美月。ゴーグルが白のペイントで染め上がったまま不機嫌な顔で大人しくする珠子。
玲 子 「す、すごい色が付いてるね・・まるでぶっかけられた感じで可愛い~写真撮っちゃおうかな~☆」
珠 子 「あのね・・死体撮るなよ・・」
玲 子 「記念記念!! はいチーズ!!」
珠子と美月の無様な姿を写真に収める玲子。
むこぬこ「生きてるの私たちだけ??」
斉 藤 「4人か・・」
桃 子 「うぅ・・皆さん死んだんですか・・」
玲 子 「どうする??」
斉 藤 「玲子さん・・ここに来るまでに榊原のやつ見ませんでしたか??」
玲 子 「ごめん・・合流はしてたけど・・やられちゃった」
斉 藤 「そうか・・」
むこぬこ「あと何人生きてるのかな・・」
斉 藤 「味方??」
むこぬこ「ううん・・敵のほう」
斉 藤 「聞かないほうがいいかもしれない・・絶望的だよ」
むこぬこ「そ、そうか・・」
玲 子 「・・・・」
校内放送が流れて残りは第三学年14人生きてることが判明する。
むこぬこ「マ、マジで・・」
斉 藤 「随分と多いな・・」
玲 子 「派手に散って終わる??」
むこぬこ「そうだね・・」
斉 藤 「楽しく散るか・・」
第三学年の生き残りが校庭に集まるのを見たむこぬこ達3人は「万歳突撃」して儚く散った・・。
午後3時。ゲームが終了して全校生徒が校庭に集合した後、校長先生の挨拶のあと、生徒たちは各自解散となった。
斉 藤 「むこちゃん・・正面ゲートで待ってて・・」
むこぬこ「う、うん・・」
ジャージ姿で帰ろうとするむこぬこを引き止めた斉藤君はペイントの付いた迷彩姿で校舎内に入っていく。
数十分後、むこぬこが小石を蹴って待っていると学園の制服姿になった斉藤君はむこぬこの元に帰ってきた。
斉 藤 「ごめん・・待たせた」
むこぬこ「ううん・・帰ろう」
斉 藤 「うん・・」
むこぬこ「今日は楽しかったね」
斉 藤 「うん」
むこぬこ「どうした??」
夕日に染まるむこぬこの顔をずっと見つめる斉藤君。
斉 藤 「ううん・・むこちゃんの顔見ておきたいなっと思って・・」
むこぬこ「なにそれ・・恥ずかしいな・・」
斉 藤 「むこちゃん・・ちょっと・・」
むこぬこ「うん・・??」
帰宅途中、ビルの間にむこぬこを連れて隠れた斉藤君は、むこぬこの手を壁に押さえつけて顔をジッと見つめる。
むこぬこ「な、なに・・??」
頬を赤く染めるむこぬこ。
斉 藤 「むこちゃん・・キスしても・・いいかな??」
むこぬこ「やめて・・こんなところで・・」
斉 藤 「どうせ誰も見ないよ・・」
むこぬこ「もぅ・・」
ゆっくりと唇を合わせる二人。チュパチュパとキスの音が鳴る。
むこぬこ「うぱぁ・・」
斉 藤 「はぁはぁ・・今日は格段に可愛かったよ・・むこちゃん・・」
むこぬこ「なにを・・??」
斉 藤 「迷彩服姿・・」
むこぬこ「・・・・斉藤君のもカッコ良かったよ・・」
斉 藤 「そう?? よかった・・」
むこぬこ「・・・・」
斉 藤 「・・・・」
むこぬこ「ねぇ・・斉藤君・・」
斉 藤 「なに・・??」
むこぬこ「キスして・・続き・・しよ」
斉 藤 「うん・・いいよ・・」
唇を合わせてお互いを抱きしめ合うふたりは、キスしてる間の癒しの時を思う存分楽しんだ。
次回 「Ms コンテスト!!」 お楽しみに!!
END
最終更新:2013年06月16日 07:23