コンテストですっかり有名人となったむこぬこ。
学園寮で登校時間まで制服に着替えて寛いでいた。

むこぬこ「いゃ~困ったょ・・」
桃 子 「どうしたんですか??」
美 月 「コンテストですっかり人気者だもんね~」
桃 子 「いいことじゃないですかー。それが困ったことなんですか??」
むこぬこ「勉学に集中できないというか・・」
桃 子 「そうなんですか・・」
美 月 「そそ、むこちゃん」
むこぬこ「なにぃ~??」
美 月 「今日ね、授業見学者が来るみたいだよ??」
むこぬこ「うん知ってる」
美 月 「あらま、知ってたのね」
むこぬこ「うん・・うちお母さんの親戚なのよ」
美 月 「へぇ~親戚の人なの・・でっ??」
むこぬこ「でっ・・なに??」
美 月 「名前知ってるんでしょ??」
むこぬこ「知ってるけど・・」
美 月 「教えてよー!!」

ベットで寝転がるむこぬこに抱きつく美月。

むこぬこ「うにゃー!! 制服乱れるからやめてー!」
美 月 「寝転がって~それはないよ~??」
むこぬこ「うにゅ~」

嫌がる態度を見せるが満更でもない様子のむこぬこに興奮してしまった。
美月はむこぬこの頬に両手で触れた後、唇に軽くキスをする。
それを黙ってみてた桃子は我に返って美月を叱るのであった。


むこぬこ「にゅ・・ちゅ・ぱ・・」
桃 子 「ちょ、なにしてるんですかー!!!」
美 月 「うっぱぁー!!!」

長いディープキスから唇を離して息を深く吸い込む美月。

むこぬこ「・・・・なんなの」
美 月 「さいこうやわ~」
桃 子 「朝からなにしてるんですか・・」
むこぬこ「もぅ・・美月ちゃんのせいで髪乱れたよ・・」
美 月 「ごめんごめん!!」
桃 子 「さっきの斉藤さんには見せられないですよ・・」
美 月 「う~ん。でも、いい眺めではあるんではないかい??」
桃 子 「なんですか・・いい眺めって・・」
美 月 「これは名言だけど、異性の殿方は女性同士のキスでも興奮するって言うしね☆」
桃 子 「そんな名言ありません!! それに私はしません!!」
美 月 「興奮しないの??」
桃 子 「当たり前です!!」
美 月 「むこちゃん!!」
むこぬこ「なに??」
美 月 「桃子ちゃんにも朝のキスしてあげてよ!!」
桃 子 「しなくていいですから!!! むこさんも近づかなくて結構ですから・・」
むこぬこ「いらっしゃい桃子~(エロ気のある声)」
桃 子 「にゅぱ・・・ちゅ」

桃子の顔の頬を優しく両手で抑えて積極的なキスをするむこぬこに桃子も乗ってしまうのであった。

桃 子 「にゅにゅぱ・・・ちゅ・・ちゅ・・」
むこぬこ「うぱ・・」

むこぬこは唾液まみれの唇をゆっくり桃子から離す。
そのあと、桃子は乱れた髪を恥ずかしそうに直しながら一言。

桃 子 「ま、まったく・・なにしてるんですか・・」

その姿を見て和む。むこぬこと美月両名。

むこぬこ「可愛いな~!! ももちゃんは☆」
桃 子 「あーもぅー!! ほ、ほらー!! 早く学校遅れます!!」

美月&むこぬこ「はーい☆」

学園登校路地で玲子と珠子が仲良く話している様子を見つけた3人は急いで合流した。

珠 子 「あ、おはよう!!」
玲 子 「おはよう」
美 月 「おっはー☆」
桃 子 「お、おはようございます!!」
むこぬこ「うぃすー☆」
珠 子 「相変わらず元気だな。お前は・・」
むこぬこ「いいことじゃん!!」
珠 子 「まぁね、でっ、今日何かあるのか??」
桃 子 「そうなんですよ。授業見学者がくるとか何とか・・」
珠 子 「男女2人って私は聞いてるよ」
むこぬこ「さすが学級委員だね」
珠 子 「むこっちの親戚でしょ??」
玲 子 「そうなの??」
むこぬこ「ありゃま、バレてたかー☆ 実はね[むこちゃんの通ってる私立学園見せて欲しい]って電話があったのね」
玲 子 「その・・親戚から??」
むこぬこ「そうそう」
珠 子 「 で?? 」
むこぬこ「 で?? 」
珠 子 「それから??」

むこぬこ「 (・ω・) うん??」

珠 子 「お前な・・」
むこぬこ「あ、ごめんごめん!! 続きだよね。それで学園寮の寮長先生に掛け合って話を通してもらったってわけ☆」
珠 子 「そうだったのか~」
玲 子 「通すの簡単だったの??」
むこぬこ「うん」
玲 子 「そう~」
珠 子 「へぇ~でさ、顔は知ってるの??」
むこぬこ「誰の??」
玲 子 「親戚のお話じゃない??」
むこぬこ「あら、まだ続いてたのかー」
珠 子 「おぃ・・知ってるのか??」
むこぬこ「ううん、まだ知らないんだよね。髪型が似てるのは聞いたことあるんだわ」
珠 子 「お前に似てるのか。どんな人なのか楽しみだな」

学園の教室に入ると早速朝のホームルームが始まった。

楠 楓 「席に座ってー!! はい、それじゃね。授業見学者という私達の学園の授業を見学と体験を兼ねた体験入学者を紹介します。入ってきてー」

むこぬこのクラスの子達が一斉に扉のほうに顔を向ける。
扉が開いて2人の男女生徒が入ってきた。すると、クラス全体がざわめき始めた。
その2人の制服は特異で金の装飾類が沢山付けられた豪華な制服を着用していた。

楠 楓 「それじゃ、名前・・言って」
女の子 「西園寺 優子です。よろしくお願いします・・」
男の子 「神宮寺 健です。皆さん、よろしくお願いします!!」

男の子の方が、イケメンだという事が分かるとクラス全体が騒々しくなる。

楠 楓 「ほらぁー!! 静かに!! えっと、今日と明日だけだから皆失礼のないように!! それじゃ一時限目の準備してー!!」

先生が教室から出るや否やクラスの女子生徒が健君の前に詰め掛けた。

健 「あの・・」

女子生徒A「その金の装飾、凄いね、今通ってる学校って私立なの??」
女子生徒B「あの優子って子とは付き合ってるの??」
女子生徒C「なんでこの学園に来たの?? ねぇねぇ!!!」

珠 子 「こらぁー!!! 見学者に迷惑掛けないの!!!」

女子生徒達「はーい☆」

珠 子 「ごめんね・・えっと健君だっけ??」
 健  「えぇ・・君は??」
珠 子 「学級委員の珠子って言います。よろしくね」
 健  「よろしく☆ ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・」
珠 子 「うん、なんでも聞いて。なにかな??」
 健  「むこぬこって名前の子がいるはずなんだけど・・」
珠 子 「あ、あいつね・・あそこにいるよ」

むこぬこに指し示す珠子。

珠 子 「むこー!! 健君がお呼びだぞー!!」
むこぬこ「あ、うんうん!!」

健君のところに来るむこぬこ。

 健  「えっと、君が・・」
むこぬこ「優子ちゃんの親戚のむこぬこと言います・・どうも☆」
 健  「へぇ~そうなんだ?? あまりに似てるから驚いたよ」
優 子 「健、誰と話してるの??」
 健  「あ、ほら優子の言ってたむこぬこってこの子じゃない??」
優 子 「えっ?? あ!!!」
むこぬこ「優子ちゃん??」
優 子 「久しぶりだね~!!!」
むこぬこ「だね~そっちも相変わらず変わらないね!!!」
優 子 「それは貴女もでしょ?? うふふ☆」
 健  「良かったね。優子」
むこぬこ「呼び捨てってことは付き合ってるの??」
優 子 「ずっとね??」
 健  「うん、そうだよ・・」
むこぬこ「へぇ~すごいイケメンをゲッチュしたね優子ちゃん!!」
優 子 「えへへ、そっちは?? まだ彼氏いないの??」
むこぬこ「えっへん!! いるよ☆」
優 子 「へぇー!! お互い凄いね!!」
むこぬこ「えへへ☆ r(>ω<) 」
優 子 「あとで紹介してね」
むこぬこ「うん?? うん。そうだね昼ごはんの時に呼んでみるよ!!」
優 子 「楽しみにしてるね」
むこぬこ「ほぃ☆」

それから数時間後。昼食の時間。
優子とむこぬこは特別棟の誰もいない屋上に健と斉藤君を呼び出した。

 健  「やぁ」
優 子 「おっすー!!」
むこぬこ「あっ、こっちこっち!! 優子ちゃん」
優 子 「うん」
むこぬこ「この子が私の彼氏の斉藤君!!」
斉 藤 「どうも・・むこちゃんからはお話し聞いてます。親戚なんですよね?」
優 子 「そうなんです。よろしくね、こっちも紹介しますね。えっと、私は西園寺 優子といいます。こちらが彼氏の健君」
 健  「よろしく」
斉 藤 「どうも・・」
むこぬこ「4人全員同い年なんだよね??」
優 子 「うん。たぶんね」
 健  「優子、じゃ、俺は斉藤君に・・」
優 子 「うん・・」

健と斉藤君は2人で。むこぬこと優子と2人で別々に食べることにした。

優 子 「でね・・」
むこぬこ「なに??」
優 子 「実際はどんぐらい行ってるの??」
むこぬこ「え??」

優子はお弁当を開きながら恐る恐る聞いてみた。

優 子 「エッチしたの??」
むこぬこ「えっー!?」
優 子 「こらこら、彼氏さんに聞こえるよ」
むこぬこ「おぅ・・ごめんぽ」
優 子 「どうなの??」
むこぬこ「した・・」
優 子 「で??」
むこぬこ「時々、トラブルが起きて・・キスぐらいかな・・」
優 子 「抱き合ったりとかは??」
むこぬこ「あんまり・・」
優 子 「そうなのか・・」
むこぬこ「ゆうはどうなの??」
優 子 「うん、順調だよ」
むこぬこ「どんぐらい??」
優 子 「ふむ・・そう・・だね。高校卒業したら・・どうしようかとか。就職先は決めないといけないしね」
むこぬこ「結構将来のこと考えてるのね・・」
優 子 「でも、普通だよ??」
むこぬこ「そうですか・・」
優 子 「なにか、あったの??」
むこぬこ「うん??」
優 子 「彼と・・ほら、喧嘩したとか・・」
むこぬこ「うんこの前ね・・」

むこぬこは数週間前に自殺未遂をしたことを優子に打ち明けた。

優 子 「殴って・・後悔したから自殺しようと思ったの??」
むこぬこ「うん・・」
優 子 「でも、むこちゃんの勘違いでよかったよ・・本当だったら私も許せないから」
むこぬこ「ありがとう」
優 子 「うん、それで?? 林檎って子は謝りに来たの??」
むこぬこ「うん病院でね。今は最高に良い友達だよ~」
優 子 「それはよかったね☆」
むこぬこ「でも、どうすればいいのかな・・」
優 子 「うん??」

たまご焼きを口に含んだまま返事する優子。

むこぬこ「恋ってなにすればいいのかな・・。彼女として斉藤君に何してあげられるのかな・・」
優 子 「別になにもしなくていいよ」
むこぬこ「えっ、それじゃ・・」
優 子 「むこちゃんはさ、なにか勘違いしてない??」
むこぬこ「なにを・・??」
優 子 「斉藤君はむこちゃんにとって何なの・・??」
むこぬこ「彼氏であり大切な人だけど・・」
優 子 「なら、彼も同じ事を考えてるよ・・」
むこぬこ「そうなのかな・・」
優 子 「ただ、彼の側に寄り添ってあげればそれだけで彼にとっても自分にとっても嬉しいと思うんだ」
むこぬこ「・・・・でも」
優 子 「斉藤君に聞いてみ?? なにすればいいって言うと無言で抱きしめてくれるかもね」
むこぬこ「そうか。わかった☆ ありがとう優ちゃん」
優 子 「仲良く進展すること祈ってるよ~」

同時刻。健と斉藤君はふたりで話し合っていた。
むこぬこが優子に対して話してた同様の気持ちで・・。

斉 藤 「おれってむこちゃんになにしてあげられますかね」
 健  「なにを??」
斉 藤 「俺、彼女の笑顔が見たい為に色々してきましたけど、彼女のほうが気を使ってるみたいで笑顔を見せてくれないです」
 健  「斉藤君はむこぬこちゃんの事大好きなんだな・・」
斉 藤 「それは健君もそうでしょ??」
 健  「うふ、まぁね☆」
斉 藤 「彼女になんて言ったら笑顔みせてくれると思いますか??」
 健  「難しい質問だな・・そうだな・・例えば、あの子が気を使ってるのであれば・・気を使わなくていいから笑顔でいてほしいって言えばいいかも」
斉 藤 「そんなこと言えってことですか??」
 健  「おいおい・・聞いてきたのは君のほうだぞ」
斉 藤 「そうでしたね・・すみません」
 健  「彼女は君に対して何かしてあげたいという気持ちがあるから、気を使ってるんだ。彼女は世話好きなんだよ」
斉 藤 「世話好きですか??」
 健  「君の身の回りのこととか、例えばお弁当作ってきてくれたりとか・・そういう事なかった??」
斉 藤 「コンビニ弁当買い忘れたときは作ってきてくれてました・・」
 健  「それが彼女の本心だろうな。彼女としてなにをすればいいのか悩んでるはずだよ??」
斉 藤 「じゃ、おれは何をすれば・・」
 健  「実に簡単なことだろ・・」
斉 藤 「え??」
 健  「あの子が、君に対して尽くしてあげたいという気持ちを自由に、やらしてあげればいいんじゃないかな??」
斉 藤 「それで・・彼女が笑顔になるのなら・・」
 健  「優子もむこちゃんと親戚だし性格もどことなく似てるよ・・元気で、マイペースで、くだらない事に全力でね・・」
斉 藤 「そうなんですか??」
 健  「君が無理する必要はどこにもない・・ゆっくりとやらしてあげれば自然と笑顔になるよ」
斉 藤 「・・でも、分かりました・・俺、やってみます」
 健  「ガンバレー!!」

優子が健を呼びかける。

優 子 「食べ終わったー??」
 健  「あぁ!!」

両二組は合流した。

優 子 「それじゃ、私達は教室に戻ってるから」
むこぬこ「うん、色々ありがとね」
 健  「頑張ってな」
斉 藤 「ありがとうございます・・」

健と優子は手を繋いで教室へと戻っていった。

むこぬこ「仲良いよね・・」
斉 藤 「うん、そうだね」
むこぬこ「座ろう」
斉 藤 「うん」

優子とむこちゃんが先ほど座っていたベンチに座る2人。

むこぬこ「なんか・・気持ち良い風が吹いてるね・・」
斉 藤 「そうだね・・」
むこぬこ「・・・・」

ふたりの間がまた暗い雰囲気になる。

むこぬこ「もぐもぐ・・」

黙ってご飯を食べ続けるむこぬこ。

斉 藤 「はぁーふぅ・・」

斉藤君は深呼吸した後、思い切って話しかける。

斉 藤 「あのさ・・」
むこぬこ「ぬ?? ごっくん・・なに??」
斉 藤 「俺・・むこちゃんの、作るお弁当毎日食べたいから・・」
むこぬこ「ほぇ??」
斉 藤 「だから・・作ってきてくれない??」
むこぬこ「う、うん・・別にいいけど・・急にどうしたの??」
斉 藤 「俺は・・」

お茶を飲んで驚いた顔で斉藤君を見るむこぬこの肩を掴む斉藤君。
【一番の宝物♪ yui version】

斉 藤 「俺・・」
むこぬこ「ど、どうしたの・・」
斉 藤 「・・・・」
むこぬこ「なんか・・恥ずかしいな・・」
斉 藤 「俺・・」
むこぬこ「なに・・??」
斉 藤 「むこちゃんの笑顔がみたいから・・」
むこぬこ「私の笑顔が・・??」
斉 藤 「・・・なんて言えばいいか分からないけど」
むこぬこ「うん・・」
斉 藤 「気を使わなくていいから、自由な君を見ていたい・・だから・・」
むこぬこ「うん・・・」
斉 藤 「暗い顔を見せないでほしい・・俺も君の暗い顔見てると心が痛い・・」
むこぬこ「私も・・斉藤君の嬉しい時にしてる顔がみたい・・」
斉 藤 「むこちゃん・・」

斉藤君はむこぬこの胸の間に顔を埋めた。斉藤君の頭を両手で優しく包み込むむこぬこ。
斉藤君はむこぬこの柔らかい胸の感触に突然号泣してしまう。

むこぬこ「どうしたの・・?? なんで泣くの・・よしよし。そんなに泣いたらもらい泣きしちゃうよ??」
斉 藤 「あ゛ぁ・・・自分でも・・よくわからないけど・・」
むこぬこ「分かったから・・泣かないで・・ね?? ね??」

ゆっくりと頭を上げる斉藤君はむこぬこの顔を見る。
すると、彼女の顔が"笑顔"になっていたのだ・・。
それをただ呆然と見とれる斉藤君・・。

むこぬこ「うん?? ・・落ち着いた??」
斉 藤 「笑顔だよ。むこちゃん・・」
むこぬこ「うん」
斉 藤 「かわいいよ・・笑顔が・・」
むこぬこ「うん☆」
斉 藤 「抱いていい??」
むこぬこ「うん・・いいよ」

むこぬこの体を強く抱きしめる。抱きしめたむこぬこの頭を撫でたり背中を摩る。

むこぬこ「何回目かな・・」
斉 藤 「なに・・」
むこぬこ「・・抱かれたの」
斉 藤 「数えてないな・・」
むこぬこ「でも、数えられないほど抱かれたら嬉しいな・・」
斉 藤 「そうだね・・」

彼と彼女の愛はそこに確かにあった・・。
そして、その愛は絶対に崩れることはないだろう。

次回 「夏の終わり・・」 お楽しみに!!

END
最終更新:2013年06月24日 14:28