むこぬこは無事クリスマス会を終えた後、部屋のテーブル上で寝ていた。
むこぬこ「うぅ~ん・・あ、はぁ・・寝ちゃってたのか・・」
美月や桃子、友達がぐっすり寝る中・・。
静かな部屋を見渡すむこぬこ。
むこぬこ「はぁ・・あ・・もう一年過ぎるのか・・ホント色々あったな・・」
むこぬこはフッと斉藤君の顔を見る。
むこぬこ「うふふ・・可愛い寝顔・・」
斉 藤 「うっふん・・はぁ?? もう・・朝??」
むこぬこ「うん・・まだ寝てる子いるから・・静かにね・・」
斉 藤 「わかった・・」
静かに仰向けから胡坐をかいて座り込む2人。
むこぬこ「・・・・」
斉 藤 「・・・なに??」
むこぬこ「ううん。寝癖・・凄いなぁ・・と思って☆」
斉 藤 「これか・・さっきまで寝てたからね・・」
むこぬこ「触っていい??」
斉 藤 「うん・・いいよ」
ビョンビョンと跳ね上がる寝癖。
むこぬこ「はっはっ!! 面白い☆」
斉 藤 「そう??」
むこぬこ「うん☆」
むこぬこの笑顔に癒される斉藤君。
斉 藤 「可愛いよ、むこちゃんも・・」
むこぬこ「え、わたし化粧なんかしてないよ・・??」
斉 藤 「すっぴん??」
むこぬこ「・・うん」
斉 藤 「すごいなぁー!!」
むこぬこ「えっ??」
斉 藤 「化粧なんかしなくても結構綺麗なんだね・・」
むこぬこ「そう?? 照れるよ・・」
斉 藤 「あ、そういえばさ・・」
むこぬこ「うん?? ・・どうしたの??」
斉 藤 「初詣なんだけど・・一緒に行かない?? 地元神社まで・・」
むこぬこ「いいよ。ねぇ、桃子と美月もいいかな??」
斉 藤 「うん。いいよ」
むこぬこ「やった☆」
斉 藤 「さて、ちょっとテーブルの上片付けようか・・」
むこぬこ「そうだね・・手伝うよ」
斉 藤 「ありがとう」
数時間後。
百代達や珠子、玲子ら友達は大晦日の夜の為、各自の自宅に帰宅した。
むこぬこ「年越しまで・・あと数時間だね・・」
桃 子 「年越し蕎麦、食べますか??」
むこぬこ「そうだね・・寮の食堂に配ってるかも・・」
美 月 「私が取ってくるよ!! んじゃー!!」
むこぬこ「気を付けてねー!!」
急いで寮の食堂に向かっていった美月。
桃 子 「初詣なんですけど・・」
むこぬこ「あ、うんあのね・・斉藤君が行こうって言ってるだけど・・どう??」
桃 子 「あ、いいえ・・2人で行って下さい・・その方が良いと思いますし・・」
むこぬこ「え、でも・・」
桃 子 「美月さんと行きますから・・お2人で」
むこぬこ「斉藤君は構わないって言ってたけど・・」
桃 子 「そうなんですか・・でも・・お邪魔じゃ悪いですから・・やっぱり」
むこぬこ「いやなの・・??」
桃 子 「いいえ、別にそういうつもりじゃ・・あの・・幸せな輪に邪魔しちゃいけないと思って・・」
むこぬこ「え、でも・・一緒に行きたいと思ってるんだけど・・」
桃 子 「それじゃ・・お言葉に甘えて・・」
むこぬこ「やったー☆」
桃 子 「美月さんに言っておきますね~」
むこぬこ「ごめん、頼むよ」
桃 子 「はい☆」
蕎麦を三人前持って部屋に入ってくる美月。
美 月 「持って来たよー☆」
むこぬこ「桃子、食べよー☆」
桃 子 「あ、はい!! 」
テレビには新年と新月に入るカウントが入る。
9....
8....
7....
むこぬこ「いよいよ・・だね」
桃 子 「そうですね・・」
6....
5....
4....
美 月 「・・・・古い自分よ、さよなら」
3...
2...
1...
時間はあっという間に過ぎていき・・そして新年に入った。
むこぬこ「桃ちゃん、美月ちゃん・・ハッピーニューイアー!!!」
桃 子 「おめでとうございますー!!!」
美 月 「イェーイ!!!!」
カウントの間は静かだった女子寮が一際賑わう。
むこぬこ「新年の始まりだ・・皆、頑張っていこうね・・」
桃 子 「そうですね・・頑張りましょう」
美 月 「そうだね・・」
(Hikaru no go Get Over Special mix Piano Version♪)
そして朝になり・・。初詣。
皆が色々苦労してきた思い出を振り返る。
むこぬこと桃子が出会い・・。学園中を案内してくれたこと。幽霊ちゃんとの出会い。
美月の嫉妬が原因で桃子と喧嘩してしまったこと。
百代が久しぶりに登校して来て珠子に無理やり学級委員を押し付けたこと。
初めて三人で買い物を行って財布を失くしてしまったことで斉藤君と出会うことができた。むこぬこ・・。
そして・・、楽しいお茶会になるはずが、悲しい過去を明かしてくれた桃子。
過去のような辛い目に遭わせないと心に誓いあった。むこぬことその友達との深い友情。
泳げないむこぬこに優しく教えてくれる桃子。勉強会ではむこぬこより喧嘩に強いことが判明した珠子の実力。
初めて首都圏を学校行事で行った修学旅行で遭遇するむこぬこと斉藤君。まだお互いうまく会話が出来なかったあの頃・・。
旅館で明かされる美月の同性愛者だという驚愕事実・・。
抑えきれない愛しい気持ちで一杯だった斉藤君はむこぬこを抱きしめてしまう。あの雨の日の出来事・・。
学園祭でむこぬこの可愛い姿に心を打たれながらも告白することを決意したこと。
そして玉砕覚悟で告白する。快く快諾してくれたむこぬこ。
初体験の日。むこぬこの暖かい体を抱いた日を決して忘れない・・。
初めてのデートの日、性的な行為に及んでしまった日のこと。
自分の勘違いで斉藤君を殴ってしまったこと・・。飛び降りてしまい自殺未遂を犯してしまったこと・・。
様々な思い出が脳裏を過ぎる・・。
全てこの一年間過ごしてきた日常の物語なのである・・。
当然のように子供を生み・・。恋愛をして結婚し・・。
良い家庭を築き・・。孫が出来ると・・暖かい布団の上で亡くなっていく・・。
それが今までの日常の連鎖の中、また違う世界で同じことは何度も繰り返されている。
皮肉・・。自分が思い描いていた世界とは違う結果になったことをこう言う。
しかし、例え違う世界だろうとも繰り返される愛の形は一緒だと思う。
それが自分の彼女にもう一度惚れることも、それもまた1つの愛なのだから・・。
世界は言うだろう。この学生達の日常はあり得ないと・・。
あまりにも出来すぎた告白。初体験の日の環境。飛び降りて偶然助かるなど。
それでも・・彼らにとってはそういう日常だったのだ・・。
意味の無い愛など存在しない。人を愛するという気持ちはとても素晴らしいことで大切なものだ。
これまでに上手く会話も出来なかったむこぬこと斉藤君も普通に会話ができている。
これも愛や友情などが無ければ普通は出来ないのではなかろうか・・。
嫌いな人に無理に話しかける人はいないだろう・・。
好感を持ってるから「交友」が始まり「交際」が始まり・・そして夫婦の関係になる・・。
皆はどんな日常を過ごしているだろうか。
激動か・・。平凡か・・。
それは個人個人の視点で語られる物語だから・・視点が変われば、また違う日常物語となるだろう・・。
そして・・むこぬこと斉藤君の日常物語も・・まだまだ続く。彼らのストーリーの終わりは一生の終着点こそが最終回なのだから・・。
地元に神社に到着する4人・・。
むこぬこ「やっと、到着したね・・」
斉 藤 「遠かったね・・」
桃 子 「はあはあ・・寒いです」
美 月 「早くお参りして・・寮に帰ろう!!」
斉 藤 「そうだね・・」
パシンと2回手を叩き新年のお願い事をする4人。
斉 藤 「(むこちゃんと幸せな関係が続きますように・・)」
むこぬこ「(斉藤君と結婚できますように。それと喧嘩をあまりしませんように・・)」
桃 子 「(むこさんと斉藤さんがお幸せでありますように・・)」
美 月 「(いい女の子と恋愛関係になれますように!!!)」
手を下ろす一同・・。
むこぬこ「斉藤君はなんてお願い事したのー??」
斉 藤 「うふふ 秘密だよ☆」
むこぬこ「えー!!」
桃 子 「私もです☆」
美 月 「私も☆」
むこぬこ「もうずるいよー!!!」
斉 藤 「そうだ朝ごはん、まだだったよね・・ご飯どこかで食べに行かない??」
美 月 「いいね!! 行こう行こう!!」
むこぬこ「ありゃま、ま、いっか!! ( ・∀・)」
桃 子 「寮に帰るんじゃないんですか??」
美 月 「ご飯食べてからだね☆」
桃 子 「マジっすか・・」
皆が帰った後、一匹神社前に来る猫
ねこちゃん「にゃーご・・ごろにゃ・・ごろごろごろ」
次回、最終回「皆の日常物語」 お楽しみに!!
END
最終更新:2013年07月08日 10:33