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松葉一清著『失楽園都市~20世紀の夢と挫折』を読む。
「花の19世紀があって憎むべきモダニズムがあって衝撃デビューのポストモダンが世界を変えるという幻想が敗れて停滞していく社会……」
簡単に言うとそういうことらしい。この本が書かれたのが1994年(あれ、カートコバーンが死んだ年じゃないか??)日本はバブルが弾けて「失われた10年」真っ只中。あの頃はニヒリズムが一番クールな思想だったような気がする。この本の「ポストモダニズムが敗北してもはや世界に語るべきものは何もない」的なニヒリズムはあの時代のトレンドだったのだ。ロックも暗い歌ばかりがもてはやされてたしな。ちなみに今ニヒリズムという思想を体現しているのがニートだと思う。
19世紀の享楽的都市を『楽園』と賞して現代の都市を「欲望の制御装置」として断罪するこの作者の姿勢はどうかと思う。現代都市を徹底的にこきおろすしね。カンジ悪いよ。
じゃあ新しい都市のモデルは何だって言ったらラスベガスだっていう(笑)
「わたしは頬を伝う汗を拭いながら、観光客の群れに紛れ込んで、それらのアトラクションを予定表片手に巡る時、夏祭りの夜店をわくわくしながら歩いた幼児の記憶が脳裏に浮かんできた。大金はいらない、歩く気力さえあれば、本当に一銭も使わないで、夜店を冷やかして歩くように、アトラクションを堪能できるのである。その意味では、ここは間違いなく20世紀の都市の『楽園』なのである」
あんたラスベガスが好きなんだよ(笑)
ただそれだけだよ。建築論を語る言葉はどうも好きになれなかったけど、ラスベガスを語る時は良かったよ。妙に生き生きしてて(笑)
で、この本の結論としては。最後の都市はインターネットの中にあるっていう。それは10年たったらわかるでしょう。インターネットの中に都市なんてない。
東京なんてモダニズムそのものの都市だ。鉄とガラスとコンクリートの無機質で醜い建物ばかり。
でも僕はこの街が好きだ。
鉄とガラスとコンクリートの、この街が好きだ。
僕はこの街のミニマリズムを愛してる。
規則正しいビート。美しい旋律のループ。
ここから物語が生まれてくる。高層ビルとか地下街の物語が。
「歴史は終わった」とか「物語の終焉」とかはポストモダニストのロマンティズムだから。それはアカデミーで教えることであって、現実にはほとんど役にたたない。
ニヒリズムってもう明らかに古いぜ??
さらに世界は軋み、高揚していく。



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最終更新:2006年12月11日 02:20