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風呂ロックに行ってきた。
吉祥時、弁天湯で行われるアコースティックライブだ。
このイベント考えたひとはちょっと天才なんじゃないかと思うな(弁天湯の孫娘だって噂を聞いたけど)。なんだって銭湯でライブやろうと思ったんだろう?
僕は日本語ロックの特性は「親和性」にあると思う。強烈な一体感とかアイデンティファイとかもまあ、あるっちゃああると思うけれど、結構ふわっとしたところで成立してるのが日本語ロックだと思って。鍋を囲んだり風呂にはいったりするカンジに近いというか。そういう意味で「親和性」を全面に押し出した風呂ロックは優れているし、考えたひとは天才だなと思ったわけです。
この日の出演者はイルリメの鴨田潤とサニーデイ・サービスの曽我部恵一。
まずね、絵的に面白い(笑)
男湯と女湯の仕切りをとっぱらって、正面にステージが組んである。ステージのバックにはドーンと富士山のペンキ絵。仕切りはなくても、間取り的にどうしても男湯と女湯に分かれてるから、二手にわかれて観るんだよ。ビール片手に。スリッパ持参のオールスタンディング!!(笑)
イルリメの鴨田潤も凄く良かったんだけど、今回は曽我部恵一にフォーカスを絞って描く。
銭湯に姿を現した曽我部恵一は、どこからどう見ても、普通のおっさんだった。スリッパ履いてたし(笑)普通の、犬顔したおっさんだった(笑)
一曲目はニューアルバム『けいちゃん』のオープニングナンバー『夕暮れの光』。弁天湯が一瞬にして曽我部恵一ワールドと化した。
続いてはサニーデイ・サービスの名曲『あじさい』
そして、僕が一番好きな曲『シモーヌ』!!しびれた!!まさか『シモーヌ』が聴けるとは思わなかった!!
『シモーヌ』は僕にとって強い思い入れのある曲だ。
もう六、七年前の古い思い出。
つき合ったばかりの女の子と初めて旅行に行った。伊豆への一泊旅行。電車の中でふたりでイヤホンを分け合って『シモーヌ』を聴いた。電車の窓からは海が見えた。隣には素敵な女の子がいた。窓から差し込む光。電車の心地よい揺れ。温かな空気。僕たちは若かった。僕と彼女はつき合ったばかりで、凄く幸福だった。『シモーヌ』はそんな個人史の重要な一事件と共にあるのだ。
『シモーヌ』から続く珠玉の曲たち。『おとなになんかならないで』『吉祥時』未発表の新曲『普通の女の子』サニーデイ・サービスの新曲『ふたつのハート』(傑作!!)『魔法のバスに乗って』
曽我部恵一の声は銭湯の高い天井に反響して、美しく広がった。彼の歌声は相変わらず繊細で、かすれていて、かっこつけていて、とにかくたまんないくらいキュートだった。
曽我部恵一は何故にこれほどまでにイノセントなのか?
曽我部恵一は何故にイノセントであり続けるのか?
何故にこれほどまでにイノセントで、エバー・グリーンで、フォーエバー・ヤングなのか?
僕はかつて自らのエッセイ『Still青春狂騒曲』で曽我部恵一についてこう語っている。
「曽我部恵一。彼は永遠の少年なのだ。どんなに時がたったって。見ている景色や隣にいる女の子が変わったって。彼はいつまでも同じ無邪気さで歌い続けることでしょう。そんな彼を見て僕らは無邪気に感動するでしょう。曽我部恵一の音楽は真っ青で色あせることのないブルースなのだ」
いやあ我ながら素晴らしい一文(笑)
そう。曽我部恵一の音楽は色あせることのないブルースなのだ。彼はアドレセンス・マシーンとして青春を再生産し続けるイカれた永久機関なのだ。
だから僕はいい年したおっさんのことをいまだに「曽我部君」などと呼ぶのだ。
ライブ終了後、物販で彼女とふたり「缶バッチかわいいねー」とかきゃっきゃしてた時「CD販売してまーす」って声に顔を上げたら曽我部恵一そのひとだった!!(笑)大日で試合後流血しながらTシャツ売ってた葛西純を思い出して、俺は猛烈に感動した!!
僕はサニーデイ・サービスの『本日は晴天なり』を。彼女は曽我部君のソロアルバム『BLUE』を購入した。曽我部君はばっちりサインしてくれた。
「『シモーヌ』聴けたね」僕と彼女は喜び合った。
あの日一緒に『シモーヌ』を聴いていた彼女は、今も僕の隣りで笑っている。
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2010年10月28日] - &trackback() - 2010年10月28日 23:29:43
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最終更新:2010年11月03日 01:54