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2012年3月11日。
夜勤明けでこの文章を書いています。
東北大震災から1年が経った。
いろんなものが変わってしまった。
僕は看護学校に入学した。長く付き合っていた彼女と別れた。
震災から看護学校入学までの数週間、僕は地元の福島に帰った。そしてそこで長編小説を描いた。レインホースシリーズの初めての長編だった。まとまった休みをとって長編小説を描く。それが受験の強力なモチベーションとなっていた。震災で東北新幹線が不通となり、東北自動車道が通行止めになった。予定よりだいぶ遅れてしまったけれど、災害派遣用の高速バスで福島に帰った。そして福島で小説を描いた。
無力だった。
食料をキャリーバッグに詰め込んで帰っただけ。何もできなかった。スーパーマーケットに食料品はなかったし、ガソリンスタンドにはガソリンがなかった。テレビも新聞も正気を失っていた。余震が続く中で(バカみたいに毎日揺れた)僕は小説を描いた。逐一上書き保存するのを心がけた。
長編小説は完成しなかった。
僕は物語の深淵に深く潜った。震災の影響で滞在期間が短くなってしまったのも原因だけど、何より僕は混乱していた。今思えばよくあの極限状態で小説を描いたものだと思う。長編小説を描いている時の僕は本当に頭がおかしくなってしまうのだ。
あの日からずっと自分を責めてきた。
何もできない自分がたまらなく嫌だった。
でもそれは間違ってる。
少なくとも僕は、震災直後に家族のもとに帰った。
それこそが最も大事なことだったんじゃないかって。
アウトリーチ。
もう自分を許してやれよ、と思う。
2012年3月11日。
今日は一日中震災の報道であふれかえるだろう。今日はテレビのリモコンを探すことはなさそうだ。地震が発生した時間、僕はきっと眠ってるだろう。
ゴアでタフな看護学校はもうすぐ春休みに入る。
この短い春休みを僕は小説を描くことに費やすだろう。
長いブランクがある。すぐに描けるとは思ってない。
夜勤明けに『ハミングバード』を読んだ。そして落涙した。過去からの手紙を読むシーン。まるで、過去から手紙をもらったかのようだった。
ナルシシズムじゃない。
自分が描いた小説とはとても思えなかった。
彼女は僕の描いた小説が好きだと言ってくれた。
彼女は僕に失望したのかもしれない。
俺はまだ夢を捨てられない。
途切れた物語をもう一度紡ごう。
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最終更新:2012年03月11日 11:42