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2005年名古屋の思い出

 

 蟲:05/09/04 19:43:04 ID:KBxRWdPj

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9日前の午後8時、俺は1年ぶりになる名古屋の地に降り立った。
中部国際空港には、友達のNが迎えに来てくれていた。
Nは友達の少ない俺にとって「親友」と呼べる、貴重な存在だ。

こう言っては何だが、Nというのは非常にアホである。
気に入らなければ先輩でも余裕でブン殴るし、パチ屋で他の客と揉める事も日常茶飯事。
そんな訳で 俺は、大学の4年間、常にNに振り回されていた。
先日Nと電話で話した時、今19歳の彼女と付き合ってると聞いた。

Nは昔から 顔だけは良いので、サークルでは俺と二人で 女子の人気を二分・・・などするはずもなく、
サークルやらバイト先で、常に人気を独り占めしていた orz
そんな訳で、大学の4年間、Nに彼女がいなかった期間を俺は見た事がない。

それが 今度は、19歳の彼女だと!? ちくしょう、ウラヤマシス(´・ω・`)

Nの車で、空港から 一路 豊田市へ。
車中、お互いの仕事やスロの近況を報告し合いながら、Nの家に向かう。
約1時間後、Nのアパートに到着。

「ただいま○こ~~!!」と叫びながら、勢いよくドアを開ける俺。

すると・・・あれっ? 部屋の中、電気がついてるぞ??

クスクス笑いながら 奥から出てきたのは、Nの19歳の彼女だった。

おぃぃぃ!! 彼女どころか、同棲しとったんかい orz


K「蟲さん、お待ちしてました。 勿論会った事はありませんが、蟲さんの事はN君から色々聞いてますよw」
俺「どうせ ろくな事聞いてないんだろうなぁ~。」
K「蟲さん 学生時代は随分面白い人だったみたいですね。 あんな事やこんな事まで聞いてます。」
俺「いや、それやったのNだから! 俺じゃないから! オイN!!!」

彼女の名はKちゃん(仮名)。 もうマジでビックリするぐらいの可愛さ。
いや、可愛いだけじゃない。
Kちゃんは、俺やNがとっくの昔に失ってしまった、「若さ故の輝き」みたいな物を放っていた。
そしてKちゃんは、性格もすごく良い子だった。
とても明るくて優しくて 気の利く子で、女と喋るのが苦手な俺でも、あっという間に打ち解けられた。

・・・いいなぁNは。 こんな若くて可愛くて性格も良い子と同棲してるなんて。
名古屋での数日間、Kちゃんとも随分仲良くなり、Kちゃんの事を知れば知るほど、Nが羨ましくなった。

4日間が過ぎた。 麻雀やら飲み会やら万博やら沖スロやら遊び尽くし、いよいよ徳島に帰る日がやってきた。
帰りもNに空港まで送ってもらう手筈だったが、突然の会社からの呼び出しで、
午前中 Nは、会社に行かねばならなくなった。
Nの家に、俺とKちゃんだけがポツンと残されてしまった。

女の子と二人で部屋に残されるなんて 正直居心地が悪かったので、
俺は 当たり障りのないバカな事ばかりを喋って、午後まで乗り切ろうとしていた。
しかし そんな俺の意志など関係なく、突然Kちゃんが、衝撃の事実を切り出した。

K「蟲さん、私が以前 何の仕事をしていたか、N君から聞きましたか?」

俺「え? 聞いてないけど。 ずっとトヨタで事務してたんじゃないの?」


K「私ね、元・・・ヘルス嬢だったんです。」


俺「・・・・・・・。」
K「・・・・・・・。」
重い沈黙。 時間だけがゆっくりと過ぎて行く。
突然のKちゃんの告白に、俺は言葉を失ってしまった。
だって こんな時、なんて声を掛ければ良いのだ? 俺には見当も付かない。

K「驚きましたか?」
俺「うん、まぁ、ちょっとだけ・・・・驚いたかな。」

本当は ちょっとどころじゃなかった。 正直俺は、引いてしまっていた。
それまでKちゃんに抱いていた幻想が、ガラガラと音を立てて崩れ去る様な気さえした。

K「N君、親友の蟲さんにも言わなかったんですね。」
俺「その・・・・何でKちゃんは、その秘密を 俺に言おうと思ったの?」
K「分かりません・・・・ただ、蟲さんには話しておくべきだと思ったので・・・。」

混乱して口を噤んでる俺をよそに、Kちゃんはポツポツと語り始めた。

K「私がN君と初めて会ったのは、栄の風俗店でした。 私の勤める店に、N君が客として やって来たんです。」
俺(Nめ・・・相変わらずヘルス大好き野郎だな・・・)

K「私が仕事を始めようとすると、N君は 私に、『何もしなくていい』と言いました。」
K「N君は、何もしなくていいから、このまま 時間まで、楽しく喋ろうと言ってきたんです。」
俺「・・・・・・・。」
K「私は戸惑いました。 そんなお客さん、今まで見た事も聞いた事もなかったからです。」
K「結局 時間まで、N君と楽しく喋りました。 あっという間に時間が過ぎました。」
K「帰り掛けにN君は、私の携帯番号を教えて欲しいと言ってきたんです。」
K「その後 何度か食事したりデートする様になり、私は どんどんN君に惹かれていきました。」
K「ただ私には、N君の心が 分かりませんでした。 私はヘルス嬢だし、N君は大手企業の社員だし・・・。」
K「でも私の心配をよそに、N君は 私に 同棲しようと言ってくれました。」
K「N君は、私のために仕事を探してきて、そこで働く様 口利きしてくれました。 私はヘルス嬢を止めました。」
K「二人とも 大したお金はありませんが、今、幸せな同棲生活を送っています。」

全てを話し終えたKちゃんは、それまで放っていた輝きを 失ったけれど、以前より親しみ易くなった様な気がした。


俺は自分を恥じた。 正直俺は、Kちゃんの告白を最初に聞いた時、引いた。
Nは一体何を考えているんだろうとも思った。
俺のような小さい人間には無理だ。
Kちゃんが どんなに良い子でも、世間体とか そんな物が どうしても頭に引っ掛かってしまう。
この書き込みを読んでる人ならどうするだろう。 真剣にヘルス嬢と付き合う人は、何人ぐらい居るだろうか。

でもNは違った。 Nはヘルス嬢とか そんな事には拘らず、Kちゃんの人柄に惚れたのだ。

正直俺は、Nを見直した。 今までずっと、ただのバカだと思っていた。
でもNは、バカだけど、その分、とても器の大きいヤツだった。
だからこそ大学の4年間、俺はNと毎日、朝から晩まで 連んでいたんじゃないか。

Kちゃんの告白を聞いた後、俺は不覚にも泣いてしまった。
自分の小ささ、Nの大きさ、若くして苦難の人生を歩んできたKちゃんを想うと、涙が止まらなかった。

その後Nが仕事から帰ってきて、俺とNは空港に向かう事になった。

Kちゃんは俺達の姿が見えなくなるまで、ずっと手を振って、見送ってくれた。

空港に向かう道中、Nが口を開いた。

N「なぁ、蟲、お前にだけは話しておかなきゃならん事があるんだ。」
俺「それって、Kちゃんの仕事の事か?」
N「・・・・Kから聞いたんか?」
俺「おう・・・・全部Kちゃんから聞いた。 ビックリしたけどな。 でも、お前の事 見直したよ。」
N「え?」
俺「お前、Kちゃんの店を訪れた時、『何もしなくて良い』って言ったそうだな。 感動したよ。」

N「あぁ~~、あ・・・・あれかぁ~~~(汗)」
俺「え、どうしたん?」
N「あ、いや、あの時の事だけどな、未だにKは美談みたく思ってるから 言い出せないんだけど・・・。」
俺「へ??」

N「実は俺、あの日 Kの店に行く直前、別の店で抜いてもらったんだよ~~。」
N「でも どうしても職場の先輩が、次の店行こうっつーからさぁ~。」
N「だからあの時Kに『何もしなくていい』って言ったのは、勃たなかったからっつーか・・・。」


あ・・・あぁぁ~~~いたたたたっっ!! 痛っ! N痛っ! Kちゃんも痛っ! 俺も痛っっ!!
やっぱコイツ、ただのバカだ・・・ ○| ̄|_


N「まぁ、Kの事は真剣に考えてるけどな。 来年ぐらい、金貯まったら結婚しようと思ってるんだ。」
N「その時は、お前にスピーチ頼むぜ。 それまでに、アガリ症治しとけよ!」

照れくさそうにハンドルを握り直すNの横顔が、何故か眩しかった。

Nは本当にバカだ。
でも こんなバカだからこそ、俺は4年間 飽きもせず、毎日Nと遊んでられたんだろうなぁ。

さようなら名古屋。 さようならN。 さようならKちゃん。
こうして俺は、徳島への帰路についたのであった。 
.
.
~fin~
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最終更新:2008年05月25日 22:04
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