(草稿)

Ruin The Funというコマンドがある。
半年ほど前に流行った、Cookie Clickerというブラウザゲーのチートコマンド。
そのコマンドを入れると、一瞬で全クリ状態になり、それまでクリックして作ったクッキーの価値が消える。

その瞬間が、何にも増して面白い。何が面白いんだろう。
チートしてまで目標を達成して何が面白いのか。面白いのは目標ではなく、その過程じゃないのか。
りゅうおうを倒すためにレベル上げをするのが面白いのであって、りゅうおうを倒すこと自体はそれほど面白くはない筈だ。
という思いもある。

が、そもそも過程は面白いんだろうか?
Cookie Clickerは、ひたすらクリックを繰り返してクッキーを作るゲームだ。
ギミックやグラフィックで見てくれは良くなっているものの、頭を使う要素はどこにもない。
冷静に考えると、何が面白いのか分からないゲームだ。

冷静に考えて何が面白いのか分からないゲームに面白さを感じてしまうのは、どう考えても面白くない。
面白くないものを面白くないと知らせてくれるRuin The Funの瞬間は、面白いと言わざるを得ないのではなかろうか。

これはゲームだけの話ではない。思想信条にも言えることだ。

自分が何の面白味も感じない価値観に、他人が捉われている。
他人が何の面白味も感じない価値観に、自分が捉われている。

そんな偏った価値観から強制的に離脱させるのが、Ruin The Fun。
これさえ出来れば、どんな価値観も、相対的なものに変えられる。

Ruin The Funが単なる無常観と違う点は、Ruin The Funに技術が要ること。
ネタバレする為には元ネタを知っている必要があるし、自分は飽くまで中立的であらねばならない。
だが、Ruin The Funは娯楽として最高だと俺は思う。Ruin The Funをこれからやっていきたい。

すべての価値観を、相対化する。

自分にとっていちばん大切なものを、台無しにしていく。
最終更新:2015年04月29日 15:54