精神と時の部屋に、将棋盤と、二人の男がいる。
将棋盤と二人の男のほかには、何もない。
二人の男は、どちらも、将棋初心者。
やることがないから、日がな将棋に没頭する。
初心者同士だから、拙い棋譜になる。
しかし、僅かずつ上達する。
二人の男が、ずっと対局を繰り返すなら、いつか羽生レベルになるか?
十年、百年、千年、万年、億年、繰り返したら、羽生レベルに到達するか?
それとも、永遠に到達しないか。
成長率が、逓増か、一定か、逓減か。
発散か、収束か。
とある共同体の人間関係が悪いとする。
この共同体を丸ごと、精神の部屋に閉じ込め、時間を進める。
このとき、バラバラに飛び回る水素から人間が誕生するように、
自動的に、共同体の人間関係は良くなるのか?
精神と時の部屋は、実生活上のこの問題のモデルである。
最終更新:2015年04月29日 16:08