感想(2011/02/23)
ここのところしばらく2chまとめサイトというのをむさぼるように読んでいました。
危うい熱をもっていて、言霊が飛び交う陰惨な世界の上澄みを掬って、精神への汚染を軽減して読むに耐えるものに仕上がっているところが多くて、へたな小説なんかよりずっと面白い存在です。
2ch由来の読み物というのは電車男というのとこれだけ存在を知っていました。
以前パラパラと流し読んでいたことがあって、今回完読出来て結構楽しめました。
電車男はまだ完読してないのですが、そちらも今度機会があれば。
ちょっと違うの話ですがRIP-リップ・イン・プノンペンという本で、ベトナムで逮捕拘留された経験を活かした小説を読んだことがあります。
迫るようなリアルさは現実に経験した部分があるからだと思う。
著者のほかの作品とは違うものになっています。
ノンフィクションには魂の叫びというものが有る。
この話のどれだけがノンフィクションで、どこまでがフィクションなのかは知らない。
IT土方と言われる現状の凄惨さがぎりぎりのシチュエーションを支えている。
日本語は事象を正確に表現するのに向いていない言葉だといわれることがある。
日本語で書いた論文を英訳するときは、もう一度最初から書き直すくらいの修正が必要になるとどこかで養老さんも書いていた。
日本語は成立過程を見ても、口語言語なのは動かしがたい事実だと思う。
日本語でものを書くのは、常に読者との会話になる。
なので、日本語で文章を書いたらそれは私小説になるか、評論になるってのは三島だったか。
自分に対する突っ込みは、漫画の世界で多用されるようになり、照れ隠しの突っ込み待ちなのはどのジャンルの作品でも使われだし、あざといくらいになり、最後には内輪受けにまで堕落していった。
2ch由来の文章は、自分で自分に突っ込む必要が無くなる。
人間個人の発想はどこに行くかわからないけど、人間の集団が発想するのは大体どこに落ち着くかは予想がつく。
客観的に突っ込まれるのは編集者がいるのと同じ状況だし、その過程をさらけ出すのは内輪受けともいえる。
この場合の内輪が大きくなりすぎて、内輪受けのいやらしさが消えるのが救いだ。
最終更新:2011年02月24日 01:05