- サブタイトル:『ワンダフルライフ』の奇妙奇天烈動物達が生き返った!
- 責任編集:荒俣宏
- 発行所:角川書店
感想(2011/06/5)
ワンダフルライフの衝撃は、当時生物に興味が有った人には当然だったが、そうで無い人にも大きなものが有った。
ハルキゲニア、幻覚(ハルシネーション)から名前を取った棘を脚にしてジャガイモのような頭をした生物。(この本では上下、前後は逆だと紹介されている。ウィワクシアの姿を見ればなるほどそうかと理解できる。)
当時最大の捕食生物のアロマリカリスの波打つような動きの移動形式。
節足動物の様な頭、脊索動物の様な体のネクトカリス、象の鼻の様な触腕をもったオパビニアその他にも多数の現在生きている生物からかけ離れた姿をした生物群。
この本はワンダフルライフに衝撃を受けた人が企画を立て、現代の碩学荒俣さんに編集を依頼して作った本であろう。
大量の資料やイラストをふんだんに使用する事で一般の人にもとっつきやすいものになっている。
ワンダフルライフの衝撃というのはただめずらしい生物が大量に見つかったという事ではない。
進化というものがどういうものかを問い直したということです。
当時流行っていたPC上での人工生命の再現や、カオス理論、ゲーム理論、社会学、フラクタルなどと付かず離れず一種ムーブメントを引き起こした。
そのムーブメントの一種のまとめになるのか。
ページ数と値段、内容の濃さと受け入れる側の咀嚼具合などを考えるとちょうど良いバランスなのだろうと思う。
多分荒俣さんはもっと濃い内容にしたかったんだろうが、角川という時点でこれ以上の内容にはならなかっただろう。
最終更新:2011年06月05日 14:28