赤と黒


  • 初版:2002年3月25日
  • あとがき:南伸坊


感想(2013/06/10)
スタンダールの名作と同名の本ですが、内容は単なる赤と黒に関するトリビア。
今ならインターネットでちょっと検索すれば出来上がるような内容の本。

当時掲載された雑誌に使われた色を使った見開き二ページを埋めた、いわゆる埋め草的な雑文プラスおまけが何ページか。
執筆時にはインターネット検索は一般的ではなかったとのことですが、あまり関係なさそうな感じです。

こういう本に必要なのは幅広い知識もですが、何よりどこに着眼するかのセンスです。
最近雑学の本がたくさん出ているのですが、あまり感心しないのはそこら辺のセンスを感じられないからだと思います。

昔の雑学の本は監督に大御所を持ってきたりしたものですが、最近の本は匿名の集団が書いています。
自分の文章に責任をもてないのならば、書くのをやめるべきです。

この本も今更読むべきほどの内容が有るかといえば微妙です。
しかし、「クロンボ」という言葉が「コロンボ」という地名から来ているというような説などを見るのはそれはそれで楽しい。

南伸坊さんの興味のあったことや、考えてきたこと、表現をそこかしこに垣間見ることが出来て私はそれなりに楽しめました。

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最終更新:2013年06月10日 01:34