アルスナル級二等戦艦
アルスナル級二等戦艦は我が国の海軍がかつて保有していた前弩級戦艦の一つである。当初は主力戦艦として設計されていたが、予算の逼迫により計画は縮小され、二等戦艦として建造された。そのため列強各国の軍艦と比較しても性能的にめぼしいものはない。
| アルスナル級二等戦艦 |
| 艦種 |
二等戦艦 |
| 艦名 |
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| 前級 |
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| 次級 |
スアロキン級 |
| 性能諸元 |
| 排水量 |
基準排水量 9496トン 満載排水量 10677トン |
| 全長 |
140.2m |
| 全幅 |
22.3m |
| 機関 |
石炭重油混焼缶12缶 レシプロ機関2基2軸 |
| 最大出力 |
6000hp |
| 最大速力 |
15.6ノット |
| 航続距離 |
10ノット/8900浬 |
| 燃料 |
石炭:1000トン 重油:500トン |
| 乗員 |
650人〜800人 |
| 兵装 |
25.4cm45口径砲連装2基 15.2cm45口径単装砲12基 7.62cm45口径単装速射砲18門 53.3cm水中魚雷発射管4門 |
| 装甲 |
舷側装甲180mm~80mm 甲板装甲75mm~25mm |
1.概要
当初アルスナル級は我が国海軍のこれまでの経験を生かした上で、速度を最低限まで抑えて攻撃力を強化した強力な戦艦として開発が進められていた。しかしながら周辺国の状況も落ち着き、平和であったことから軍部の予算は削減された。結果としてアルスナル級の設計は改変せざるを得なくなり、他の様々な軍艦の建造や設計にも多大なる影響を与えた。
しかし当初の設計で行われていた、艦型を最小限にとどめつつ装備を充実させるという努力が生かされ、艦のサイズを抑えつつ性能を一定程度確保することに成功した。
とはいえ、主砲口径が25.4cmと貧弱なのには変わりなく、同型艦2隻が建造されたもののその2隻で独立した部隊として運用されるなど、艦としては不遇な一生であった。
二番手のルクバトは火薬庫爆発事故により轟沈し、解体されている。1番艦アルスナルは退役後も長らく浮き桟橋として使われた後に解体された。
2.同型艦
アルスナル級の名前は射手座の星の名前に由来している。
3.性能面について
3.1.艦型
本級の設計については目新しいものはない。新式の鋼鉄の採用により、以前よりも薄い装甲厚でも同程度の強度を確保することに成功し、高い耐弾性を有している。主に防御性能は25.4cm砲に対応したものであり、他国の主力艦と渡り合うためには少々不安がある。そのため任務をまかされることもあまり多くはなかった。4番艦アスケラは装甲が厚く設計変更されていたとの情報もあるが定かではない。
本級の船体形状は当時の主流である平甲板型船体で、艦首水面下に衝角を持つ。兵装は25.4cm45口径砲を連装式の砲塔に収めて2基を配置して主砲としている。副砲としては船体側面に15.2cm単装砲を6基12門搭載している。また水雷艇対策の補助砲、7.62cm砲を両舷9門ずつ18門搭載している。
当時の我が国の軍艦の平均速度が17ノットであった中で15.6ノットと速力の面で見劣りする部分が多い。また、防御、攻撃面においても不安があり、小さくまとめた結果として性能面での後退が見られてしまうという結果になった。我が国において二等戦艦は旧式戦艦が分類されたものであったが、就役直後に二等戦艦と分類されたのは本級が最初である。
最終更新:2014年05月23日 09:08