Lynx

目次


概要

  • テキストだけの軽量ウェブブラウザ
    • もともとは*nix用、低速回線経由でホストに接続したテキスト端末でウェブブラウジングするのが目的だった
    • Win32用バイナリもある(ただし、公式のものはなく、有志によってビルドされた私家版のみ)
  • メリット
    • 画像をいっさい表示しないので、ページの表示が速いだけでなく、気が散ることなくテキストコンテンツに集中できる
      • ただし通常のブラウザでも、「画像を読み込まない」設定にするだけでそれに近い効果は得られる
      • cf. Firefoxアドオン「ImgLikeOpera
    • キーボード操作だけでウェブブラウジングできる
      • ただしFirefoxアドオン「Vimperator」やChromeのエクステンション「Vimium」でもそれは可能
    • 会社で勤務時間中に仕事をサボってウェブブラウジングしていても目立たない
      • ただしアクセス先URLはログに残るので、過信は禁物
    • ブラウザというよりテキストファイルビューアや軽量ファイルマネージャとしてある程度使える
    • レトロな気分を楽しめる
  • デメリット
    • 昨今のウェブサイトのほとんどはリッチなGUIを前提として画面設計されているので、無理にテキストだけで表示するとたいがいのページは読みにくい
      • メニューを持つページでは、それがページの上部にずらずらと並び、肝心の本文が下の方になってしまう
      • フレームを使ったページでは、まずフレームのリンク一覧が表示され、各リンクの先のフレームを別々のページとして見ることになる
      • テーブル表示はたいてい崩れてしまう
      • JavaScriptを使ったページは、正しく表示されなかったりボタンが機能しなかったりする
      • 数少ない「Lynxでも見やすいサイト」を発見するたびにブックマークに貯めていき、その範囲で使うのが現実的

URL

インストール

  • zipを展開するだけ
    • necona版 日本語対応Win32バイナリは、連携する他の各種DLLをそれぞれ別途ダウンロードして適切なフォルダに配置する必要がある

設定

  • 環境変数
    • http_proxy, https_proxy, ftp_proxy, no_proxy をセットしておくこと(詳細省略)
  • コマンドラインオプション
    • パラメータ設定ファイルを切り替える
      -cfg=<ファイル名>
      
  • lynx.cfg でのパラメータ設定
    • Lynx起動時に表示されるページを指定する
      STARTFILE:file://localhost/C:/Users/MyName/html/index.html
      STARTFILE:C:\Users\MyName\html\index.html
      
      • ローカルのファイルを指定するときは file:// スキームを使っても使わなくてもよい
    • リンクと入力フィールドに番号を付ける
      DEFAULT_KEYPAD_MODE: LINKS_AND_FIELDS_ARE_NUMBERED
      
      • 各リンクが番号付きで表示され、番号をキー入力すればすぐそのリンク先にジャンプする(タブキーを何度も押してフォーカスを移動する必要がない)
      • 各入力フィールドも番号付きで表示され、番号をキー入力すればそのフィールドにフォーカスが移る
      • 番号をリンクにだけ付けて入力フィールドには付けたくない場合は、代わりに LINKS_ARE_NUMBERED をセットする
      • cf. Firefoxアドオン「Vimperator」のhint機能
    • マウスでもリンクをクリックできるようにする
      USE_MOUSE:TRUE
      
    • 入力フィールドにカーソルを移動させた時に自動で入力モードに入らないようにする(入力モードに入るには一回リターンキーが必要)
      TEXTFIELDS_NEED_ACTIVATION:TRUE
      
    • 配色を変更する
      • 明るい背景の例(デフォルト配色をわずかにアレンジ):
        COLOR:0:black:lightgray
        COLOR:1:blue:lightgray
        COLOR:2:lightgray:black
        COLOR:3:black:green
        COLOR:4:red:lightgray
        COLOR:5:magenta:lightgray
        COLOR:6:lightgray:blue
        COLOR:7:black:yellow
        
      • 明るい背景でほぼ無彩色の例(番号付きで表示すれば色分けしなくてもリンクだとわかる):
        COLOR:0:black:lightgray
        COLOR:1:black:lightgray
        COLOR:2:lightgray:black
        COLOR:3:white:lightgray
        COLOR:4:red:lightgray
        COLOR:5:red:lightgray
        COLOR:6:black:gray
        COLOR:7:lightgray:black
        
      • 黒い背景の例(コマンドプロンプト風):
        COLOR:0:gray:black
        COLOR:1:cyan:black
        COLOR:2:black:gray
        COLOR:3:green:white
        COLOR:4:green:black
        COLOR:5:magenta:black
        COLOR:6:brightcyan:black
        COLOR:7:black:brown
        
      • 黒い背景で完全に無彩色の例:
        COLOR:0:lightgray:black
        COLOR:1:lightgray:black
        COLOR:2:black:gray
        COLOR:3:lightgray:lightgray
        COLOR:4:white:black
        COLOR:5:white:black
        COLOR:6:black:gray
        COLOR:7:black:white
        
    • システムのファイル関連付けを流用してファイルを開く
      • 対象とするファイル種類のMIMEタイプについて以下のように書く(二重引用符がたくさん必要なので要注意)
        VIEWER:image/gif:start """" ""%s""
        VIEWER:image/png:start """" ""%s""
        VIEWER:image/jpeg:start """" ""%s""
        VIEWER:application/pdf:start """" ""%s""
        ...
        
    • viライクなキーバインディングで操作できるようにする
      VI_KEYS_ALWAYS_ON:TRUE
      
    • ページ最下段2行のヘルプを非表示にして表示領域を広く取る
      DEFAULT_USER_MODE:ADVANCED
      
      • ウィンドウタイトルにURLではなくページタイトルが表示される
      • フォーカスされたリンクのURLはステータスラインに表示される

Tips

  • NTLM認証付きのプロキシを使わざるをえない環境(企業内ネットワークなど)の場合、Cntlm Authentication Proxyを併用するとよい
    • Cntlm Authentication Proxy の設定で User-Agent を iPhone などのモバイルデバイスであるかのように詐称すると、少し読みやすくなるかもしれない(悪影響もあるかもしれない)
  • モバイルプロキシサービス(Googleモバイルプロキシなど)を経由してモバイル向けページに変換すると、少し読みやすくなるかもしれない
  • Consoleのシェルとして設定することで、タブ型ブラウザのような使い方ができる
    • Lynx のキーバインディングと重なる Console 側のショートカットキー定義はクリアして None にしておくこと
      • Setting dialog (デフォルト:Ctrl+S), Help (デフォルト:F1), Rename Tab (デフォルト:Ctrl+R) を None に
    • Consoleウィンドウ側ではスクロールできない設定にしておくこと
      • Buffer size は Rows:0 Columns:0 に
      • ショートカットキー Scroll buffer * もすべて None に(ページ送り等にはすべてLynx側のキーバインディングを使う)
    • 「リンクを新しいタブで開く」操作手順は以下のとおり:
      1. リンクにフォーカスする
      2. Ctrl+S(LynxでリンクURLをクリップボードにコピーする)
      3. L(URL種別「L)ink」を選択する)
      4. Ctrl+F1(Consoleで新しいタブを開きLynxの新しいインスタンスを走らせる)
      5. G (新しいタブのLynxをジャンプ先URL編集モードにする)
      6. Shift+Insert(ConsoleでクリップボードのURLをペーストする)
      7. リターンキー
    • Window size の設定例:
      • Rows:45 Columns:90
  • 軽量ファイルマネージャとして使う場合、いくつか不都合がある
    • ショートカット(*.lnk)はファイルの中身(バイナリ)が表示されてしまい、指すフォルダやファイルは開けない
    • ギガバイト単位のファイルサイズの表示が正しくない(マイナス値が表示されたりする)

Lynxで見やすいサイトのリンク集

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最終更新:2012年03月18日 14:19