wake(plasma void)とは?
wakeは和訳すると「航跡」という.船やら何やらの通った後にできる波のことである.
ウェイクボードなんて呼び名はここから来ているみたい.
例えばロケットなんかを飛ばすと,電離圏中を通過するときに,船の通過した跡ができる.
周囲のplasmaを含んだ中性大気中を運動するロケットの通過した跡は,ほぼ真空となる.
しかし,真空は長く続かない.周囲の空気が連続の式を満たすように熱速度でもって侵入する.
熱速度にも上限があるので,ロケットの速度との兼ね合いで,空隙領域の大きさは決まる.
月のwake
月はほぼ無磁場天体といってもいい天体である(少々の残留磁場はあるが).
また,大気も殆どない(希薄なナトリウム大気はあるが).
太陽からは太陽風と呼ばれる高速プラズマ流が流れ出しており,月は直接的な相互作用をする.
月のような球体に太陽風が吹き付けると,その後方に円錐形のwakeが形成される.
また,太陽風の磁力線(IMF)の方向によっては,きれいな円錐形にはならない.
plasmaの侵入方向は,沿磁力線方向だからである.
最終更新:2009年09月13日 21:44