医療の地域格差、医師偏在、医師不足

 

 

厚生労働省発表 報道発表資料・統計調査結果

平成18年 (2006) 医師・歯科医師・薬剤師調査の概況

4) 都道府県(従業地)別にみた人口10万対医師数

  全国の医療施設に従事する「人口10万対医師数」は206.3人で、前回(201.0人)に比べ5.3人増加している。
  これを都道府県別にみると、京都府が272.9人と最も多く、次いで徳島県270.1人、東京都265.5人となっており、埼玉県が135.5人と最も少なく、次いで、茨城県146.7人、千葉県153.5人が少なくなっている。(図6)

www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/06/kekka1-2-4.html

 


2007-07-18

sociologically@はてなRSSフィード

[]医療の地域格差--10万人あたりの医師数CommentsAdd Stargojopost22bunoumより抜粋

d.hatena.ne.jp/iDES/20070718/1184750008

 

各県の10万人あたりの医師数.
ワースト5」は埼玉、茨城、千葉、岐阜、神奈川となっている.どちらかというと都会であり、過疎化が問題になっている県でもない。 

ワースト5(医師が少ない)
1 埼玉 121.8
2 茨城 136.6
3 千葉 141.9
4 岐阜 161.7
5 神奈川 162.2
 
トップ5(医師が多い)
1 徳島 258.7
2 高知 258.5
3 京都 257.8
4 東京 253.7
5 鳥取 249.2

(単位:人)

10万人あたりの医師の数。厚生労働省「地域保健医療基礎統計」(2003年)を再集計。データは2002年度のもの。

 

  1. 田舎に医者が少なく都会に多いわけではない
  2. 東日本より西日本に医師が多く、また増えている

 

人口10万人あたりの医師数だけで、医療格差を語れるわけではなく、この他に、県の広さ、医師の都道府県内の密度、病院までの交通機関の整備など考える要素はいろいろあるように思われる。

 

この中から考えられる有力な仮説は、人口密集をしていると医者の数が少なくて済むという仮説である。人口密度の高い都会では一人の医者が受け持てる患者数が多く(通える距離にたくさん人が住んでいる)、逆に人口密度の低い県では都会と同じ患者数を持とうとすると、何十キロと離れたところから通ってこなければならないため、医者が通える範囲に配置しようとすると必然的に10万人あたりの医者数は増えるというものである。

 

ただ、この仮説も医者の少ない県ワースト5に人口密度が高い東京(逆に多い県)や大阪(33位)などの都道府県が入っていない。また、ワースト5に入っている岐阜県の人口密度は低い。どうも説得力に欠ける。

 

この問題に詳しいわけではないので、なぜこのような分布になっているのかは分からない。ただ、少なくとも、分かりやい形での格差が開いているという訳ではないのは確かなようである。

 

参考:医師の地域格差…分布は“西高東低”(2006年7月27日 読売新聞)


付表:

都道府県別の10万人あたりの医師数(2002年度)

少ない順に並べてある。

1 埼玉 121.8
2 茨城 136.6
3 千葉 141.9
4 岐阜 161.7
5 神奈川 162.2
6 静岡 164.8
7 青森 164.8
8 新潟 165.4
9 岩手 166.1
10 福島 170.4
11 愛知 172.8
12 三重 173.6
13 長野 176.5
14 秋田 178.4
15 山形 179.4
16 沖縄 179.5
17 滋賀 180.8
18 宮城 183.5
19 栃木 186.0
20 山梨 187.4
21 奈良 187.7
22 群馬 190.7
23 兵庫 192.6
24 福井 193.6
25 北海道 198.0
26 宮崎 201.7
27 鹿児島 208.3
28 富山 210.4
29 佐賀 214.0
30 山口 215.3
31 愛媛 222.1
32 広島 223.1
33 大阪 224.7
34 大分 226.5
35 和歌山 230.5
36 島根 230.6
37 香川 232.9
38 長崎 234.8
39 熊本 235.3
40 石川 235.5
41 岡山 240.9
42 福岡 247.6
43 鳥取 249.2
44 東京 253.7
45 京都 257.8
46 高知 258.5
47 徳島 258.7

(単位:人)

10万人あたりの医師の数。厚生労働省「地域保健医療基礎統計」(2003年)を再集計。データは2002年度のもの。

 


 

 

都道府県別の1984年から2002年の医師数の増減

 

1984年から2002年への各県の増減を全国平均の増減を1として標準化した数値。全国の趨勢としては1984年→2002年で1.35倍に医師数は増加している。数値は全国と比較して1が全国と同じペースで増加していることを意味し、1以下は全国平均より低い増加率、1以上が全国平均よりも高い増加率を示している。ちなみに、1984年から2002年で医師数が減少した都道府県は存在しない。すべての都道府県で医師数は増加している。

 

宮城 0.91
石川 0.92
岩手 0.93
東京 0.93
神奈川 0.94
兵庫 0.95
徳島 0.96
三重 0.98
鳥取 0.98
岡山 0.98
福岡 0.98
新潟 0.99
愛知 0.99
大阪 0.99
青森 1.00
福島 1.01
茨城 1.01
京都 1.01
栃木 1.02
静岡 1.02
山口 1.02
滋賀 1.03
長崎 1.03
群馬 1.04
埼玉 1.04
岐阜 1.04
佐賀 1.04
熊本 1.04
長野 1.05
広島 1.06
香川 1.07
高知 1.07
秋田 1.08
山形 1.08
富山 1.08
愛媛 1.08
奈良 1.09
山梨 1.10
鹿児島 1.10
福井 1.11
和歌山 1.11
千葉 1.12
島根 1.12
北海道 1.13
大分 1.16
宮崎 1.20
沖縄 1.25

厚生労働省「地域保健医療基礎統計」(2003年)を計算。

 


 

 

 www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20051118ik06.htm

人口あたりの医師格差、東京は埼玉の2・04倍

 厚生労働省は17日、大学病院を除く病院や診療所で働く医師の総数が昨年12月末現在で27万371人に上り、2002年の前回調査と比べて2・9%増加したと発表した。

 人口10万人あたりの医師数は、最多の東京都と最少の埼玉県との格差が2・04倍に上り、1次医療を担う医師数の地域格差が浮き彫りになった。都道府県別では、東京が264人で、徳島(262人)、高知(261人)と続いた。一方、埼玉は129人で、茨城(142人)、千葉(146人)、青森(164人)、岐阜(165人)などが下位だった。

 一方、診療科別では、内科が7万3670人(前回比1・4%減)と最も多く、外科、整形外科と続いた。医師不足が問題となっている産婦人科は1万163人と4・3%の減少。小児科は1万4677人で、1・4%増加した。

(2005年11月18日   読売新聞)

 

 

2007年06月12日

日本の医師数は世界でも最低クラス

人口1,000人当たりの日本の医師数は現在2.0人で、経済協力開発機構(OECD)加盟30ヵ国の中で下から4番目の少なさである。表にあるように、最下位はトルコで1.4人、以下低いほうから順にメキシコ1.5人、韓国1.6人となっている。逆に多いのはギリシャの4.7人を筆頭に、イタリア、アイスランドと続いている。

国 名 医師数(人口1,000人比) 年平均増加率
ギリシャ 4.7人 2.50%
イタリア 4.1人
アイスランド 3.6人 2.00%
カナダ 2.1人 0.00%
日 本 2.0人 1.26%
韓 国 1.6人 5.50%
メキシコ 1.5人 3.20%
トルコ 1.4人 3.50%

注:医師数は2003年のデータ。

 


全国医政関係主管課長会議資料(Ⅲ) 平成18年2月20日(月)
於:厚 生 労 働 省 《医政関係統計》
www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/0/c64d2f0275b19d3c4925711d002b58a7/$FILE/siryou3_all.pdf

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終更新:2008年03月02日 20:51
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