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ヘルスプロモーション と 学校教育

 

 

 

 

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教育界 The新語【その20】

ヘルスプロモーション

 


 

 先日、勤務校で「ヘルスプロモーション」という言葉が指導案に入った保健の授業を参観しました。内容 は、身の回りの食品の染色作業を通して、人工着色料の存在を確かめさせ、健康への影響を考えさせるというものでした。この授業を見たとき、「ヘルスプロ モーション」というキーワードを入れることで、今まで行ってきた健康教育とどこがどのように変わってくるのだろうかと思いました。そこで、今回はヘルスプ ロモーションについて取り上げてみたいと思います。

ヘルスプロモーションとは

 ヘルスプロモーションとは、世界保健機構(WHO)の新たな健康戦略として提唱された理念です(HealthPromotion :1986年オタワ憲章)。
 「人びとが自らの健康をコントロールし,改善することができるようにするプロセスである。」と定義されてい る。これに引き続いてこの憲章では「健康は,生きる目的ではなく,毎日の生活の資源である。」と記載され,さらに,健康のための前提条件として「平和,住 居,教育,食物,収入,安定した生態系,生存のための諸資源,社会的正義と公正」の重要さが指摘されている。
(宮城県地域保健医療計画の概要:

と読み取られています。ここでわかることは、ヘルスプロモーションという考え方自体は学校教育の範疇を大きく越 えているということです。その証拠に「ヘルスプロモーション」をキーワードにインターネットで検索をかけてみると、企業、自治体などの取り組みの報告とし てページが多数表示されます。

学校教育とヘルスプロモーション

 学校教育とヘルスプロモーションはどのような関係にあるのでしょうか。平成14年度実施の学習指導要領(小中 学校,1998,高等学校1999)が公表されました。これらの内容はすでに公表されていた教育課程審議会答申(1998)に基づいて作成されたものと言 われています。その健康教育に関する内容の改善についての基本的な考え方は次のように示されています。
 「健康については、ヘルスプロモーションの理念にたち、生涯を通じて自らの健康を適切に管理し、改善していく資質や能力(実践力)の基礎を培うため、次のような基本的な視点に基づいて、改善を図ることとしている。
  ・健康の大切さや体の発育・発達などの基礎的・基本的な事項の理解
  ・健康的なライフスタイルの確立
  ・深刻化する健康・安全に関する新たな課題等への対応
  ・心の健康の保持増進」
(戸田芳雄:教育課程の改善と健康教育,平成10年度養護教諭中央研修会資料,文部省体育局学校健康教育課,p.16,1998)

 このように、堂々と「ヘルスプロモーション」という言葉が使われています。健康教育を進める際、これらを意識して進めていく必要が出てきます。

健康教育とヘルスプロモーション

 学校では今までも「健康教育」を行ってきたはずです。これとヘルスプロモーションとはどこがどのように違うのでしょうか。
 わたしが参観した授業の指導案には「ヘルスプロモーションの目標は、組織的に人々の健康増進を支援すること」であり、小学校におけるヘルスプロモーションは「環境整備というよりは生涯にわたっての自己管理能力(生きる力)を育むことに重点が置かれる」と書いていました。
 また、豊島登氏は、
 環境へどう働きかけていくかという視点で保健管理を見直す必要があるだろう。それも「足りないものを充足した り、危険なものを排除する物理的環境」への働きかけだけでなく、「自動販売機の撤去に働きかける、喫煙する教師の子どもへの影響を少なくするといった社会 的環境へ」の働きかけを重視することがヘルスプロモーションを進めるためには必要である。
(スポーツ・遊楽創:http://village.infoweb.ne.jp/~toyosima/index.htm
(「ヘルスプロモーション」の実体に迫る!?:

とし、「ヘルスプロモーションは、ヘルスエデュケーションを含んだとてつもなく大きな範囲を示すものであることがわかる(前URL)」と述べています。
 いずれにしても「従来の健康増進のように,生活行動にのみ視点が置かれているのではなく,生活環境の改善をもあわせて健康状態のレベルを向上させようとする新しい活動(大和町立小野小学校 大和町 健康教育推進地域事業 資料:http://www.asahi-net.or.jp/~ix5y-kktn/home.htm)」という考えのように、パーソナルな考え方からパブリックな考え方へと方向転換していく必要があるのではないかと考えます。
 小学校3、4年生から保健学習が取り入れられるようになりました。健康教育を真面目に取り組んでみませんか。

 

 

最終更新:2008年06月24日 10:15
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