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現在日本は、四半世紀をまたずして本格的な高齢化社会の時代を迎えようとしている。
人間はいつまでも若くもなければ、初めから高齢者で
もない。若者も確実に年を取り高齢化していく。人間のコミュニティは、幼・青・壮・老が交ざり合いながら循環している。全体の構成は変化せずとも、その中
の個人はゆるやかに変化を続け、コミュニティの中での位置関係は時間とともに変わっていくのである。そうした内的変化を考慮せず、ある一時点だけの要素を
とらえ、その完璧性を期したコミュニティ計画では、すぐ破綻をきたすことになる。
そうした観点から見れば、高齢者だけを集めた施設は、いかに設備が充実していようとも生きたコミュニティとはなりえない。各年齢層が自然に交ざり合い、子供や青年が人生の先輩の背中を見て育っていく中で、高齢者がその役割を十分に果たせるようなコミュニティづくりこそ、これからの時代に求められているのではないだろうか。
また、それぞれのコミュニティは、周辺環境から隔絶して存在するものではない。周囲の人間社会や自然との交流も大切である。社会にそして自然にどう接するか、その境界領域のデザインも、これからのコミュニティづくりの重要な課題である。今回の課題「高齢者にやさしいコミュニティ」は、そうした問題意識を踏まえて、高齢者対応を主眼としながらも、アクティビティがあり、周辺環境とのつながりが好ましいかたちで展開していくようなコミュニティのあり方を求めるものである。ただ一方、高齢者は環境適応の幅が狭い。また、健康者と病者の間のグレイゾーンに高齢者のほとんどは位置している。当然、設備計画、平面計画、所要施設、デザイン、人や自然との付き合い方の誘導などにも、やさしい配慮が必要になってくるであろう。そうしたコンセプトも提示してほしい。
コミュニティの規模や構成する施設内容、立地条件は応募者の想定に委ねる。心豊かに高齢化していくことのできるコミュニティの提案を期待している。
審査委員長:
槇文彦(槇総合計画事務所代表)
審査委員:
伊藤直明(東京都立大学教授)
紀谷文樹(東京工業大学教授)
原広司(東京大学教授)
村尾成文(日本設計専務取締役)
六角鬼丈(東京芸術大学教授)
田和恭介(東京ガス空調営業部長)
コーディネーター:
馬場璋造(建築情報システム研究所 代表)
最優秀作品
長島靖、堤俊雄、植田信男作品詳細
優秀賞
冨田恒雄、小野正人、土屋信介、水津功、今井健雄、池田浩、佐藤貢、小田部信彦、花島真也作品詳細
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