www.irt.i.u-tokyo.ac.jp/pressrelease/irtomoi.pdf
報道関係各位
平成20年12月3日
国立大学法人東京大学
高齢者等の快適で健やかな生活を支える
「思い出し支援技術」の発表
1.発表概要:
東京大学IRT研究機構は、高齢者等の健やかな生活を支える「思い出し支援技術」を研究開発しました。この技
術は少子高齢社会での健康・生きがい支援ロボットのコア技術の一つです。
2.発表内容:
2006年度から、国立大学法人東京大学と、トヨタ自動車株式会社、オリンパス株式会社、株式会社セガ、凸版
印刷株式会社、株式会社富士通研究所、パナソニック株式会社、三菱重工業株式会社は、文部科学省が公募し
た科学技術振興調整費「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成」事業に参画し、「少子高齢社会と人を支え
るIRT基盤の創出」(注1)というプロジェクトテーマ(総括責任者:小宮山東京大学総長)で協働して、10~20年
後の大きなイノベーション(注2)を目指した研究開発を進めています。このプロジェクトの実施主体である、東京大
学IRT研究機構(機構長:下山勲)は、このたび、高齢者等が快適で健やかな生活を送れるよう、「思い出
し」を支援する技術を開発しました。
年齢とともに増える物忘れは、過去にしまったものだけでなく、眼鏡やリモコンなど普段使用している
ものでも収納場所を忘れてしまい、もの探しに多くの時間を費やすこともしばしばです。また、薬の服用
など、もの忘れが重大な支障を招くことも少なくありません。こうしたことに対応して、IRT研究機構で
はロボットと環境カメラなどが連携して日用品の収納場所や薬の服用を教えてくれる技術を開発しま
は、ロボットと環境カメラなどが連携して、日用品の収納場所や薬の服用を教えてくれる技術を開発しま
した。
今回開発した技術は、(1)人が扱った日用品やロボットが片付けた日用品の収納場所を記憶し、どこにしまった
かなど思い出しを支援する技術と、(2)広視野多重解像度カメラを用いてロボットが人の行動を認識し、薬を飲んだ
ことなど思い出しを支援する技術です。
○思い出し支援技術の各機能と特徴
(1)人が扱った日用品やロボットが片付けた日用品を記憶し、収納場所などの思い出しを支援する技術
室内に配置されたカメラおよびロボットに搭載されたカメラによって人がしまった日用品や、ロボットが人の指示
によって片付けた日用品の画像ベースで管理し、データベースを検索することによって収納場所などの思いだしを
支援します。この技術は、記憶画像を適切に選択するイベント検出技術、取得画像から既知の物品を探し出す画
像マッチング技術、莫大な計算を高速に処理するネットワーク分散計算技術を統合することで実現しています。探
している日用品が、最後にいつ使われ、それがどこに収納されているかを教えてくれます。
(2)広視野多重解像度カメラを用いてロボットが人の行動を認識し薬を飲んだことなど思い出しを支援する技術
(2)広視野多重解像度カメラを用いてロボットが人の行動を認識し、薬を飲んだことなど思い出しを支援する技術
人のそばにいて一日の動作を観察し、薬を飲むなど毎日行う動作をすでに行なったかどうか、今日はまだ行なっ
ていないかなどの思い出しを支援をします。この技術は、(株)富士通研究所との共同研究により開発した、小型
広視野多重解像度カメラ・人の移動の追跡・特定の場所での人の手先の動きの注視・相対的な奥行き比較を行な
う両眼立体視などの技術と、行動の記録とそれを提示する技術を統合することで、実現しています。
((注注11)「)「少子高齢社会少子高齢社会とと人人をを支支えるえるIRTIRT基盤基盤のの創出創出」プジプロジェクトについいて
クトにて
わが国は課題先進国とも言われ、なかでも、少子高齢社会は、介護が必要な世代だけではなく、壮年期を過ぎ
ようとしている人、働き盛りや子供に至るまで、社会全体の課題となっています。少子高齢社会では、働き手の減
少による労働力不足、高齢者の増加に伴う健康不安と社会保障費の増大、単身世帯や高齢世帯の増加による家
事負担の増大、要介護者増加による介護負担の増大などの課題が懸念されますが、こうした課題を解決する上
で、ロボットの活用は大きな役割を果たします。
一日でも早いロボットの実用化を促進するために、大学と産業界が、互いに手を取り合い、「社会と人を支援する
産業」を新たに創出することが期待されています。この「少子高齢社会と人を支えるIRT基盤の創出」プロジェクト
は少子高齢社会のわが国が持続的繁栄をなすために、社会と人とを支援するIRT(情報通信技術ITとロボット技
は少子高齢社会のわが国が持続的繁栄をなすために、社会と人とを支援するIRT(情報通信技術ITとボット技
術RT)と社会科学SS( Social Sciences)の融合イノベーションを、対等な産学協働で先端融合的に創出し、自動
車、コンピュータに続く新産業の創出をめざすものです。
(注2)「イノベーション」の定義は、科学技術基本計画によると、「科学的発見や技術的発明を洞察力と融合し発
展させ、新たな社会的価値や経済的価値を生み出す革新」のこととされています。
(参考:文部科学省HP http://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/kihon/main5_a4.htm)
3(3) 問い合わせ先
.問い合わせ先:
東京大学IRT研究機構事務局
TEL: (03)5841-1625
e-mail: [email protected]
URL:http://www.irt.i.u-tokyo.ac.jp
4.添付資料:
詳細解説資料(添付)
東京大学IRT研究機構説明資料(冊子)
報道発表用画像
左から、人の行動を見守るロボット、日用品を片付けるホームアシスタントロボット、人に密着して日用品を記憶す
る屋内型パーソナルモビリティ
る屋内型パーソナルモビリティ
思い出し支援を実現する基盤IRT技術
収納場所思い出し支援行動思い出し支援
収納場所思い出し支援:
日用品のある場所を表示したり
ロボットが指さす等で教えてくれる
行動思い出し支援:
毎日行う動作をすでに行ったか、
まだ行っていないかを教えてくれる
思い出し支援IRT技術
紹介用ビューワ:
ロボットや人の位置は
SLAM、RFIDで認識日用品ブラウザ:
探したいものを選択する
物品情報取得DB構築技術:
日用品DB:
56CPUクラスタで
高速並列処理
物品情報取得DB構築技術:
天井カメラで画像を取得し、高速並列認識を行い
部屋中の棚の中の物品をDBに記憶行動DB構築技術:
高速視覚ハードと多重
解像度視覚による薬飲み
認識
(1)人が扱った日用品やロボットが片付けた日用品を記憶し、収納場所などの思い出しを支援する技術の解説資料
ロボット上のカメラ天井設置カメラ
手元の映像を記録棚の開閉を検出して記録
日用品情報取得
局所特徴による局所特徴による
マッチング
テンプレート画像
ライフログ画像
(50物品程度)
PCクラスタ
並列計算・画像マッチング
検索対象物品検索対象物品
GUI・リモコンで検索ロボットでその場所に移動
日用品検索
日用品検索
2) 広視野多重解像度カメラを用いてロボットが人の行動を認識し、薬を飲んだことなど思い出しを支援する技術の解説資料
身長40cm
体重3.8kg
自由度4(首2腕1x2)
視覚広視野多重解
像度カメラ
富士通ビジョン富士通ビジョン
ボード
聴覚
16chマイク
音声スピーカ
見守りが求められる状況見守りロボット「Mamoru」君
広視野多重解像度カメラ
富士通ビジョンボード
180度の広視野画像と複数の望遠視動き検出、パターンマッチング計算にお
野画像を同時刻に取得いて、汎用PCの6倍の高速処理性能
薬を飲んでいる人を見守るMamoru君薬を飲んでいる人の視覚認識処理
薬箱をもってきたこと、薬を飲もうとして顔パターンの知覚、立体視による顔と
いることを視覚で認識し、記憶する手の注視と奥行き比較を統合し実現