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SEA (Significant Event Analysis) 医師のプロフェッショナリズム教育の一手法

Significant Event Analysis:
医師のプロフェッショナリズム教育の一手法
大西弘高* 1 錦織宏* 1 藤沼康樹* 2 本村和久* 3

 

プロフェッショナリズム教育としてのSEA

・・・

技術的熟達者モデルで抜け落ちていた反省的実
践家モデルでの教育は,プロフェッショナリズム
の教育の根幹であると言える.現実の事例や症例
に向き合い,正面からその解決を図れるようにな
ることが最も重要であることから,症例に基づい
たディスカッションは非常に適した方法であると
推察される.SEA は,現実の事例や症例の中でも,
特に重大であると発表者が感じた点に関して掘り
下げていく方法であり,医療専門職の教育方法と
しても注目しうるものである.

・・・

 

地域医療に求められる反省的実践家

www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2006dir/n2697dir/n2697_01.htm

続いて,藤沼康樹氏(ほくと医療生協)が登壇。地域医療の現場では,予期せぬ出来事に遭遇する機会が多く,複雑系の環境のもとで決定不能な問題を取り扱わなければならない。そのため地域医療においては,フォーマルな教育で育つtechnical expertではなく,実践の中で経験しながら育つreflective practitioner(反省的実践家)が求められることを強調した。さらに,反省的実践家を育てる教育方略として,「行為中のふりかえり(reflection in action)」と「事後的なふりかえり」(reflection on action)の概要を説明。EBMとreflectionを統合したカンファレンス,“clinical jazz”を定期的に実践していることを報告した。

 志村俊郎氏(日医大)はシミュレーション教育の利点として,学習のパフォーマンスを評価し,教育上のニーズによるスタンダード設定ができる点やチーム医療を学べることを評価。日医大では,臨床シナリオによる状況再現型シミュレーション教育を行っており,AV装置などを用いたreflectionにより,さらに教育効果を高めていることを紹介した。

失敗に学び,喜びや驚きをふりかえる

ディスカッションでは,会場の質問に演者らが答えながら,reflectionを促すコツが話し合われた。藤沼氏は「本来は驚くべきところに驚かない研修医もいるが,集団でふりかえって他の研修医の話を聞くことで,気づくことができる」と,集団でのreflectionの効用を指摘。その際は,「話したことで責任を追及されない,“no blame culture”が大事」と,学習者の安全確保に努めることが必要と述べた。また,ポートフォリオに関しては,最初のアウトカム設定の重要性が確認された。

 座長の郡氏は「指導医が困るのは,失敗する研修医ではなく,失敗に学ばない研修医」と自らの指導経験を語り,失敗から学ぶ環境づくりの重要性を強調した。また,問題を起こす研修医は他者評価に比べて自己評価が高い傾向にあることから,シミュレーション教育に関して「技術習得というより,自分の能力を客観視するところに意味がある」と意義を述べた。

 最後は,意欲ある学びを続けるために,喜びや驚きをふりかえることの重要性が確認され,盛況のうちにシンポジウムを閉じた。

最終更新:2009年07月12日 11:46
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