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色覚の多様性に配慮した案内・サイン・図表等用のカラーユニバーサルデザイン推奨配色セット

 

 

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研究報告 > カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット

色覚の多様性に配慮した案内・サイン・図表等用のカラーユニバーサルデザイン推奨配色セット
(色のバリアフリーに配慮した色見本)

■ 東京大学分子細胞生物学研究所 高次構造研究分野 伊藤啓
■ 社団法人日本塗料工業会(JPMA)
■ DIC 株式会社(旧・大日本インキ化学工業株式会社)DIC カラーデザイン株式会社
■ 特定非営利活動法人カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)

概略

  • 一般の人にも色の見え方が異なる人にも見分けやすい、カラーユニバーサルデザイン推奨配色セットを作成。
  • 被験者実験を重ね、数千の候補色から20色を絞り込み。
  • 塗料業界の色指定の業界標準であるJPMA塗料用標準色2011年F版に対応色を収録。印刷・デザイン業界の色指定の業界標準であるDICカラーガイドシリーズから対応色を選出。

はじめに

 いわゆる色弱(色覚異常)の人や、緑内障など網膜の疾患を持つ人、白内障の人は、色によっては違いを区別しづらいことがあります。公共施設の案内表示・工業製品・情報機器・印刷物・報道・教科書などのカラー化がすすみ、色を用いた情報をどのような色覚の人にも分かりやすく伝えることへのニーズが高まっています。それぞれの色覚タイプでどのような色が見分けにくいかは視覚神経科学の分野で研究されてきましたが、どうすれば分かりやすいのかに関する研究はこれまでほとんどありませんでした。そこで被験者実験による調整を重ねて、どのような色覚の人にも比較的見分けやすい色を絞り込み、実用的な配色セットを策定しました。塗料業界と印刷・デザイン業界の色指定の業界標準が本結果を盛り込んで、それぞれの分野で普及を図る予定です。

1:推奨配色セットの内容

配色セットは、全20色(プラス代替色2色の22色)あり、4つのグループに分かれています。 


CMYK 版 TIFF ファイル  sRGB 版 TIFF ファイル 
CMYK, sRGBの色合いはあくまで参考で、4色印刷やホームペー
ジでは違った色あいに表示されることがあるのでご注意ください。

● 小面積用の高彩度の色(アクセントカラー)

文字・サイン・線など、小さいものを塗りわけるのに使えるような、彩度の高い色です。 

  • 赤  :色弱の人が赤と感じやすいように、オレンジ寄りの赤にしています。
  • 黄色 :白内障の人が白と区別しやすい、濃い黄色にしています。
  • 緑  :色弱の人が黄色や赤と間違えやすい黄色みの強い緑を避け、青みが強い緑を選んでいます。ただし青緑まで行ってしまうと、今度はグレーや紫と混同するので、それよりも緑に近い微妙な位置にしています。
  • オレンジ:赤がオレンジ寄りになっているのとバランスを取るため、少し黄色寄りのオレンジになっています。
  • 空色 :青との明度差を確保するため、少し明るめになっています。
  • ピンク:青みのピンクだと空色と混同することがあるので、やや黄みに寄せたピンクにしています。
  • 茶色 :明るめの茶色は赤や緑と混同することがあるので、暗めの色にしています。(ただし黒と間違えることがあるので注意が必要です。)
  • 紫  :青紫は青と間違えやすいので、赤みの強い紫にしています。

【備考】青と紫、黄色とベースカラーの明るい黄緑などは比較的混同しやすいので、なるべく片方のみ使用してください。

● 彩度をわずかに落とした代替色

 黄色と緑に関しては、少し彩度を落とした色も用意しました。ただしこれを使った場合、次に示すクリームや明るい緑とは混同しやすくなるので、同時には使えません。

● 大面積用の低彩度の色(ベースカラー)

地図や帯グラフなど、広い面積を塗りわけるのに使える色です。色の差が小さいため、小さなものを塗りわけるには不適当です。相互に区別しやすく、なおかつ小面積用のアクセントカラーともなるべく区別しやすい色を選びました。

【備考】ベージュと明るい黄緑、明るい空色と明るい紫などは比較的混同しやすいので、なるべく片方のみ使用してください。

● 無彩色

「グレー」と「色」の差は、一般の人ほど明確ではありません。緑・紫・ピンクなどをグレーと混同することがあるため、逆にニュートラルグレーやウォームグレーに、色があるように感じてしまうことがあるためです。やや青みのあるグレーが一番誤認しにくく「無彩色」だと感じられることが分かったので、このような色調を用意しました。また、配色セットの中でグレーと誤認しやすいような色とは明度差を確保しました。 


● 推奨セットを使った塗り分け例

 それぞれの色のカテゴリーを保った範囲で、なるべく誰にでも見やすい色調に調整しました。


以上のように、小面積用と大面積専用を分けることで、実用上十分な色数を確保しました。案内図・グラフ等の図版・表示パネルなど幅広い用途に利用可能です。また、塗料と印刷という異なる媒体で、共通の指標を提供することができました。従来はあまり交流がなかった2つの分野で、同じように色を指定できます。この配色セットが有効なツールになることを願っています。

最終更新:2009年10月27日 21:54
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