カラーユニバーサルデザインCUD、スライド使用色に関する学会への提言

 

 

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 スライド使用色に関する学会への提言

岡島修 (三楽病院)  中村かおる(女子医大)

 

 再び,スライド使用色に関する提言を行う。
近年,色覚による大学入学制限が著しく緩和され医学をはじ めあらゆる分野に色覚異常者が進出してきている.社会の側には 彼らを受け入れる環境の整備が要求されることは当然であり,ス ライド使用色の問題もこの一環として考えるべきである.
第51回臨床眼科学会において,我々は色覚異常者の立場から スライド使用色の現状を検討し,見やすいスライド作成について の問題提起を行った.その後は多色使用の欠点を意識したと思わ れるスライドも散見されるが,一般に未だ事態が改善したとは言 い難く,色覚異常者への配慮は十分に浸透していない.
今回我々は,学会のスライド規定に次の項目を付記することを 提案したい.
色覚に異常のある参加者のため,次の点に留意して下さい.

 


1.使用色の数は最小限にとどめる.
2.黒・白・青・黄を基本とする.
3.赤と緑の同時使用は避ける.

4.色以外の情報を付加することが望ましい.

 

 


今後は眼科学会のみならず,多方面の学会に向けて啓蒙を拡大 する必要がある.

  色覚異常者におけるコンピュータ処理画像の間題点

中村かおる(女子医大)   岡島修 (三薬病院)
フルカラー表示のコンピュータシステムが急速に普及している が,色先異常者には判別しにくい色の組み合わせも少なくない.  この間題は,進学・就職制限が大幅に緩和され色覚正常者と同 様の社会進出が可能となった色覚異常者に多くの業種で深刻な影 響を与えている. 
医用検査機器にも疑似カラー表示を採用した画像が急増してお  り,色覚異常者の混同色が段階的に用いられることが多い.今回 はいくつかのコンピュータ処理画像の問題点を色覚異常者の立場 から検証した。 
眼科検査機器のうち,Optical Coherence Tomography(OCT)や レーザースペックル画像では面積の小さい赤・黄・緑が点在し, 色覚異常者には場合によっては判別困難であった. 
一方,各種核医学診断装置や超音波診断装置にも多彩な色が用 いられているが,ほとんどの場合,表示される色は任意に変更可 能である.従って色発異常者にも見やすい色の設定は容易である が,得られたデータを学会や医療チームで共有する際には赤・ 黄・緑が多く用いられ色覚異常者に対する考慮が全くなされて いないのが現状である. 
コンピュータ処理画像の使用色が色覚正常者の利便性に沿って 決められるのは,ある程度はやむを得ないであろう。しかし色覚 異常者の見やすい色について社会に注意を喚起することは重要で ある.

(日本臨床眼科学会1999抄録より)

最終更新:2009年10月27日 22:01
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