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神栖市は、 市内で地域実習を行う筑波大医学群と連携し、 ヘルスプロモーション(健康づくり教育)事業を始めた。
市民向けに実施する健康教育や禁煙教育の場で、 同大の学生や医師が講師を務める。 学生らにとってはコミュニケーション力向上、
市民には健康づくりなどの効果が期待される。
同大医学群は今年から、 医師不足対策や地域医療向上を目的とした県の寄付講座で、 同市内の神栖済生会病院を拠点にした学生の実習や同病院への医師派遣を実施。
5年次全員が3~4人ずつ、 外来や訪問介護などを1週間にわたって住み込みで実習する。 健康教育は、 木曜の予定に組み込まれている。
健康教育は、 「血圧」 と 「メタボリック」 の2コース各3回の教室を開く。 疾病や栄養などの知識と実践の教室で、 生活習慣改善を支援する。
小中学校対象の禁煙教育も開催予定だ。 同大の医師が講義全体の内容を組み立て、 部分ごとの講義を学生に担当させる。 学生は、
与えられた部分をどう説明するか検討し、 講義で実践する。
市や講師の阪本直人医師によると、 地域の健康事業に、 大学と学生が参加するのはめずらしい取り組み。 阪本医師は 「コミュニケーションスキルの大切さを学べる。
専門用語だけではなく、 相手に通じるよう話すことが大切。 予防医学として、 マスを対象にした健康介入の大切さも学ぶ」 とメリットを示す。
今月10日、 市保健センターで血圧を題材とした第1回目の教室が開かれ、 市の呼び掛けた人や希望者の市民14人が参加。 阪本医師とともに、
医学生4人が交代でマイクを握り、 講師を務めた。
医学生の大場光信さん(25)は 「分かりやすく説明することに悩んだ。 病気に至る経緯は複雑。 簡単な言葉を使うよう苦心したが、 いい機会になった」
と振り返った。 参加した女性(55) は 「病名の違いを分かりやすく説明してくれた。 運動や食事で血圧を下げられると聞き、 やりがいを感じた」
と感想を語った。
市健康増進課は 「学生は市民とふれ合うことで地域医療を考えることにつながり、 地域の人は健康への意識が高まるなど、 医師定着と地域医療の充実が期待できる」
と話している。