CCNAの基礎
ここではCCNAを取得するにあたり、基本的な用語や操作について記載します。
機器との接続
スイッチやルータに接続する方法にはコンソール、AUX、vty(仮想端末)の3つがあります。
- コンソールによる接続は、「機器にあるコンソールポート」と「コンピュータのシリアルポート」をコンソールケーブルで接続する方法です。コンソールケーブルは機器に標準で付属しています。シリアルポートがないコンピュータではUSB-シリアル変換ケーブルが必要になります。
- AUXによる接続は、「機器にあるAUXポート」と「モデムなど」を接続する方式です。
- vty(仮想端末、virtual teletype)は「機器にあるEthernetポートなど」と「コンピュータのNIC」をLANケーブルで直接、あるいは間接的に接続する方法です。コンソールやAUXのように管理のための接続を用意する必要がなく、機器の置かれたセグメントにアクセスさえできれば管理が行えます。
IOSのモード
IOSにはいくつかモードがあり、モードにより使用できるコマンドが異なります。機器の設定を行うときには、これらのモードを行き来しながら設定することになります。
モード名 |
説明 |
プロンプト |
ユーザモード |
ログイン後の初期状態です。一部の情報を参照することができます。設定変更はできません。 |
> |
特権モード |
すべての情報を表示することができます。設定変更はできません。 |
# |
グローバルコンフィギュレーションモード |
機器全般に関わる設定が行えます。詳細な設定は行うことができません。 |
(config)# |
各コンフィギュレーションモード |
詳細な設定が行えます。設定する内容により名称が異なります。例えば、インタフェースに関わる詳細設定はインターフェイスコンフィギュレーションモードで行います。 |
(config-xx)# |
コンフィギュレーションモードでは特権モードで利用できるshowコマンドが実行できません。モードを遷移せずに特権モードでshowコマンドを利用するにはdoコマンドを使います。「show interface status」を実行したい場合は、「do show interface status」とします。このdoコマンドではTab補完が利用できませんが、省略することは可能です。つまり「do show int status」でも問題ありません。
補完とヘルプ
- コマンドを途中まで入力してTabキーを押下すると補完機能が働きます。
- ?キーを押下するとその辞典で入力可能なコマンドの一覧が表示されます。
- コマンドは一意に定まる場合は省略することができます。「configure terminal」は「conf t」で実行できます。
主なエラーメッセージ
Ambiguous command:コマンドが特定できない場合に表示されます。
Incomplete command:コマンドが不完全である場合に表示されます。
Invalid input detected at ^:コマンドが理解できなかった場合に表示されます。^マークの位置に誤りがあります。
コンフィグの保存
IOSはstartup-configとrunning-configの2つのコンフィグを持っています。startupは起動時に読み込まれるコンフィグです。runningは今現在のコンフィグです。
設定変更を行った場合はrunningのみが変更され、startupは変更されません。もし、この状態で機器を再起動した場合、startupが読み込まれてrunningとなるため、変更は破棄されることになります。そのため変更後はコンフィグの保存が必要です。コンフィグの保存は以下で行います。
copy running-config startup-config
または
write memory
初期化
初期化するにはrunning-configを削除してから再起動します。
erase running-config
reload
ただし、スイッチなど一部の機器ではvlan.datも削除する必要があります。
erase running-config
delete vlan.dat
reload
最終更新:2013年12月30日 22:46