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摩周湖のダケカンバ衰退調査

 北海道東部の弟子屈町に位置する摩周湖は、人気の高い観光地ですが、近年その外輪山でダケカンバの衰退現象が顕在化しています。一方で摩周湖外輪山では、近隣に原因物質の発生源がほとんどないのにもかかわらず、春先を中心にオゾン濃度が高いことが、近年明らかになってきました。そこで2009年度より、摩周湖のダケカンバ衰退調査を、特にオゾンとの関係に着目して調査を開始しました。現地で行っている主な調査は以下の2点です。

①衰退木の生理生態学的な特徴の把握(野外調査)
②オープントップチャンバー実験(オゾンがカバノキ属の稚樹の成長および光合成に与える影響調査)

この調査は北海道総合研究機構 環境科学研究センター・北海道大学北方生物圏フィールド科学センターとの共同研究で、オゾン以外にも摩周湖の大気環境として酸性霧やエアロゾルなどのモニタリングも行われています。

また、ダケカンバのオゾンに対する応答に関する基礎的な情報が不足していることから、2010年度より北海道大学札幌研究林実験苗畑においてオープントップチャンバーによるオゾン暴露実験を行っています。ここでは同じカバノキ属のシラカンバとウダイカンバ(高級材としても重要)も同時に実験に供試し、オゾン感受性の樹種間差異の比較実験を行っています。


<関連論文>
•渡辺 誠, 龍田慎平, 斎藤秀之, 小池孝良, 稲田秀俊, 久保島 康行, 江口将之, 渡邊 陽子 (2010) 摩周湖外輪山のダケカンバ衰退に関する生理生態学的調査. 日本森林学会北海道支部論文集, 58, 13-16.
•龍田慎平, 渡辺 誠, 伊森允一, 斎藤秀之, 小池孝良, 久保島 康行, 江口将之, 渡邊陽子 (2010) 摩周湖外輪山におけるオゾンがカンバ類2種稚樹の成長に与える影響 ~オープントップチェンバー法による評価~. 日本森林学会北海道支部論文集, 58, 21-22.
•山口 高志・野口 泉・江口 将之 (2010) 摩周湖周辺の大気環境について. 日本森林学会北海道支部論文集 58, 123–124
•渡邊陽子, 渡辺 誠 (2010) エアロゾルは樹木へ影響するのだろうか?-これまでに分かっていること-, 北方林業, Vol.62, No. 4, 4-7.
•斎藤秀之, 伊森允一, 青山千穂, 渡辺 誠 (2010) シンポジウム「エアロゾル・オゾン等による植物影響-増加する越境大気汚染から森林を守る-」に参加して, 北方林業, Vol. 62, No. 7, 7-11.

最終更新:2010年09月25日 07:05