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第08話「消えた二人!!」


黄金の戦士、仮面ライダーオーデンは見るからに強そうだった。
一般的な仮面ライダーのように複眼が露出しているわけではなく
黄金色の仮面により顔の大部分が隠されている。
そのあたりはイクタの金色バイザーに似ているのかもしれない。
他に目立つのは鳥の翼の形をした肩パットだ。もちろん金色に輝いている。

「なんか、凄いね……マイのライダーよりずっと綺麗」
「萩原さんも早く変身してくださいよ!楽しみにしてるんですから」
「うん……」

派手派手な見た目のオーデンを見て、舞はますます気が重くなってしまう。
だがこのまま変身を先延ばしにすることなど出来ない。
舞は緑色のバッタ型デバイスを持ち、ベルトへすべらせながら装着するのだった。

「変身……」

『チェンジ、ゲンキックンホッパー』

ベルトから発せられる深緑の光が舞をゲンキックンホッパーに変える。
金色だったオーデンとは対照的に、ゲンキックンのカラーは暗い、ダークグリーンだ。
赤い複眼、額から突き出た角、そして巨大なトゲの生えた肩が印象的である。
ゲンキックンの見た目は舞が思うほど悪くはない、むしろかっこいい部類に入る。
だがやはり金ピカのオーデンと比べると地味な印象だ。
それでもゲンキックンにだって金色のパーツはちゃんと存在する。
それは左脚に取り付けられたアンカージャッキだ。バッタの脚のような形状をしている。
しかしそれを持ってしてもゲンキックンは自分の姿にいまいち納得がいってないようだった。
変身直後だと言うのに下を向きながら愚痴を言っている。

「はぁ……マイの姿さ、まるで悪役だよね……」
「そ、そんなことないですよ!」
「気なんて使わなくていいよ、マイ自分で分かってるし」

いつまでもダベっていては仕方ないと、オーデンはベルトのバックルからカードを抜き出す。
オーデンのベルトはカードホルダーになっており、戦闘を有利にさせるカードが複数枚収納されているのだ。
そのカードを自身の持つ黄金の杖に挿入することで効果を発動させることが出来るのである。
さっそくオーデンはカードを一枚、杖に挿入する。

『バットベント』

空から降ってきた金色のバットをキャッチし、野球でもするかのような構えをとる。一本足打法だ。
ゲンキックンは、オーデンがその黄金バットで自分に殴りかかる姿しか想像しか出来なかった。

(こわっ!先輩にバットで殴るその発想がもう怖いよ
よし、ここはやられないように距離をとって……)

特殊能力を使うために腰に手を持って行こうとしたゲンキックンだったが、
今まで目の前にいたオーデンがこつぜんと姿を消していたことに気づく。
そしてその直後、後頭部に大きな衝撃を感じることになる。

「うわっ……なに!?」
「ホーーーームラン!やった決まった!!」

信じられないことに、オーデンは一瞬にしてゲンキックンの背後にまわっていたのだ。
移動するそぶりも見せていなかったので、ゲンキックンは後頭部への強力な一撃を無防備に貰ってしまう。

(うそ!全然わからなかった……完全に消えてたよ
まさかタケちゃん……マイと同じ能力を持ってるの?)

(そういえば……)

ゲンキックンはハロコン直前の出来事を思い返す。
数人のメンバーが遅刻をしてしまい、怒鳴られながら着替えることになったのだが
その時に遅刻したのは衣梨奈、香音、恵里菜、舞、
そして徳永千奈美に岡井千聖の6人だけだったのだ。
つまり、そこに竹内朱莉はいなかったのである。
だが朱莉は確かに舞が覗いていることを知っていた。即ち、あの場にいたということだ。
オーデンはおそらく特殊能力を使って瞬時に楽屋に戻ったのだろうとゲンキックンは考える。

(マイがやりたかったことをタケちゃんはやってたんだ!
 本当にマイと同じ能力を持ってるんだったら、早く確かめないと)

後ろを振り向いたゲンキックンは、素早く鋭い蹴りをオーデンの胸に叩き込もうとする。
ゲンキックンはバッタをモチーフとした、キックの得意なライダーであり、
その蹴り技は一級品だ。
オーズッキもバッタ脚を持っているが、そのキック力は比べものにならない。
しかしそれほどの蹴りを持ってしてもオーデンに蹴りを入れることは出来なかった。
またもや一瞬にして姿を消されてしまったのだ。

「とりゃあああああ!」

オーデンの居場所はゲンキックンの右斜め後ろだ。容赦ない素振りを横っ腹にぶちかます。
死角からの攻撃に対応出来ないゲンキックンはそのまま地面に崩れ落ちてしまう。

「くっ……」
「もう終わりですか萩原さん!まだ二回しか殴ってませんよ!!」

仮面ライダーオーデンの特殊能力は「瞬間移動」だ。
自分の好きな時に、好きな場所へ、ノーモーションでワープすることが出来るのである。
黄金バットによる攻撃力とワープ能力の愛称は抜群。
オーデンはゲンキックンにトドメをさそうと、もう一度ワープをしようとする。
ところが、その目論見は外れることとなってしまう。

「……あれ?」

ゲンキックンが消えたのだ。
今ちょうど転ばせたばかりだったので、オーデンは困惑してしまう。
一瞬にして消えるその様はまるでオーデンの瞬間移動のよう。
だが事態はそれ以上に深刻だった。
オーデンは自分の身体の異変に気づいて肝を冷やす。

「なにこれ……いつの間にこんなことになってるの?」

オーデンのスーツには多くのヒビが入っており、金色のボディが曇ってしまっている。
何発も攻撃を受けたかのような破損っぷりはあまりに奇妙だ。
なにせ、オーディンには自覚症状がまったく無かったのだから。

(いた!)

オーデンは10メートルほど離れたところにゲンキックンが立っているのを見つけた。
ほんの僅かな時間でどうやってあそこまで移動出来たのか不明だし
オーデンのスーツがボロボロになっている理由も分からないままだが
とにかく今はゲンキックンと戦うしかないのだ。
幸いにも瞬間移動からのバット攻撃は有効だと分かっている。2回も当てたのは伊達じゃない。

(もう1回後ろから殴ってやる!)

闇討ちをしようと、オーデンはまた瞬間移動をした。
ところが、こうして瞬間移動させることがゲンキックンの狙いだったのだ。

(タケちゃん消えた!今だ!)

オーデンが消えるのを確認したゲンキックンは右手を素早く腰に持っていく
そして、ベルトの側面に取り付けられていたボタンを押したのだ。
これこそがゲンキックンホッパーの特殊能力発動の手順なのである。

『クロックアップ!』

ゲンキックンがボタンを押したその時から、世界は遅くなる。
道路を走る車も、うるさく泣いていた虫も、
物質も生物も関係なくすべてが止まって見えるくらいゆっくりになっている。
オーデンだって例外なくその動きを停止させてしまっているのだ。
唯一、この遅くなった世界を動くことが出来るのはゲンキックンホッパーだけ。
自分以外が静止したかのように認識し、動くことの出来る能力が「クロックアップ」なのである。

「ふぅ……タケちゃんが消えるタイミングで止めてみたけど、
 動かないってことはマイと同じ能力じゃなかったのかな?
 じゃあ遠慮なくやらせてもらうよっ!」

マイはバットを振るモーションで静止しているオーデンを蹴る、蹴る、蹴りまくる。
クロックアップは十数秒しか持たないため、短時間で必死に蹴りまくるのだ。






 仮面ライダーイクタ / 生田衣梨奈
 仮面ライダーオーズッキ / 鈴木香音
 仮面ライダーなでしこ / 真野恵里菜 敗退
 仮面ライダーゲンキックンホッパー / 萩原舞
 仮面ライダーオーデン / 竹内朱莉
















最終更新:2012年08月31日 15:47