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第12話「Cのプライド/奇跡起こす」

ミーハー心を持ちながらも、衣梨奈は勝つためにBig Wを観察していた。
まず気になるのは二人が使用したチャチャメモリとジンギスカンメモリの効果だ。
原作でのWでは緑色の右半身が風を操るサイクロンメモリの能力を持ち、
紫色の左半身は格闘技主体のジョーカーメモリの能力を備えていた。
つまり仮面ライダーWは右と左でまったく違う性質を持っているのである。

(BigWも色はWと同じっちゃ……強さも同じやとええんやけど)

ライダーシステムが原作と異なるかもしれないのが不安だが、安心出来る要素だってちゃんと有る。
それはBigWが千奈美の身体を使っていることだ。
友理奈の巨体でライダーになられたら脅威だったが、千奈美の体格ならまだ許容範囲内。
これなら全然Bigではない。イメージ通りに戦えるだろう。

「ちょっと二人ともまだ変身しないの!待ってるんだけど」
「遅刻したちぃが言うのは変だよ、でも確かに早く変身してもらいたいね。
生田ちゃん、先輩を待たせるのは罪になるよ!お前の罪を数えろ!」
「えっ、でも熊井ちゃんさっき気絶したところを助けてもらったじゃん」
「えっ、えっ、あっそっか、じゃあ生田ちゃんの罪は2マイナス1で1個になるのかな?」
「熊井ちゃんが数えてどうするの!」

先輩二人のやり取りを見て、一つの不安材料が消えたことを衣梨奈は確信する。
その心配事は大学生熊井友理奈の頭の良さだ。
あの天然っぷりを見る限り、原作通りの天才っぷりは見られそうもない。
衣梨奈は晴れた気分で変身を行うことが出来た。

「変身」「変身!」

衣梨奈と香音は先輩をこれ以上待たせてはまずいと、すぐに変身する。
イクタはセーブモード、オーズッキはピョヒョバ。
二人ともいわゆる様子見フォームだ。
BigWの実力がいかほどなのか確かめようとしているのである。
二人の作戦を知ってか知らずか、BigWは全力でオーズッキに殴りかかってくる。

「「たぁっ!」」

BigWの右ストレートは素早く力強かったが、避けられないようなものではなかった。
ヒヨコの眼を持つオーズッキからしてみたら回避は朝飯前だ。
もっとも、それはBigWがただ殴るだけで終わっていればの話ではあるが。

「うわっ!何!?」

突如吹き荒れた突風にオーズッキはバランスを崩してしまう。
この突風は緑色のメモリ「Chacha」によるものであり、
東南アジアで吹くような突風を巻き起こす力を持っているのである。
風の力は相手の行動を阻害することも出来るし、
自分に対する追い風にして行動速度を上げることも出来るのだ。
連戦連勝の王の力を持つ紫メモリ「Jingisukan」とは相性抜群だ。

「ふふん、すごい風でしょう」
「やるね熊井ちゃん!次はウチが決める!」

左半身を担当する千奈美は左ストレートを1発、蹴りを1発、そしてチョップを1発喰らわせる。
疾風怒濤の猛攻を受けたオーズッキはバッタの脚でも踏ん張ることが出来ず、吹き飛ばされてしまう。

「あぐっ!えりちゃんごめん……」
「問題ないっちゃん、ここまではぜんぜん想定内」


「かのんちゃん、あのフォームは近距離しか攻撃出来んから遠くに逃げるっちゃん」
「遠くに?……分かったけど、戦わなくていいの?」
「イクタカリバーを銃形態にして狙い撃つから平気ったい」

BigWの基本形態チャチャジンギスカンはイクタの言う通りインファイトの戦法をとるフォームだ。
なので遠くに逃げ回られたら手も足も出なくなってしまう。
イクタの放つ銃弾など風の力で防げるが、このままでは勝負がつかない。

「ちぃ、こんな時はアレでしょ」
「今やろうと思ってたの!」

BigWの左手はどこからともなく青色のメモリを取り出した。
そして紫のメモリの代わりにその青色メモリを挿入していく。

『Dangan!』

メモリを交換するなり、紫色だった左半身が青色へと変わっていく。
その手には立派な拳銃が握られている。
アイテムを交換することでパーツが変化する様はまるでオーズッキのようだ。

「変わった!」
「メモリチェンジしたら当然変わるっちゃん、あれは本家で言うところのトリガーメモリっちゃね」

イクタが解説するのもお構いなしにBigWは銃を構えだした。
その銃口はオーズッキに向けられている。

「「シューーート!!」」

青い銃から放たれる弾丸は音速を超越していた。
チャチャメモリによる疾風が弾丸のスピードを増加させているのだ。
チャチャ弾丸フォームはこのように超高速の弾丸を連射することの出来る形態なのである。
そしてその弾丸はすべてがオーズッキのバッタ脚へとぶち当たっていく

BigWがオーズッキの機動力を奪おうとしているのは誰の見ても明らかだった。
弾丸メモリの銃弾は確かに強力だが致命傷を与えるほどではない。
なのでBigWはバッタ脚を壊した後から、重い一撃を与えようとしているのだ。

「ちぃ、熱くいくよ」
「分かったよ熊井ちゃん!」

BigWの右手は赤いメモリを、左手は銀のメモリを握り締めていた。
そして今回は左右同時にメモリチェンジしようとしているのだ。

『Bomber!』
『Faipo!』

またも瞬時にBigWの配色が変わっていく。右半身が赤色、左半身が銀色だ。
赤のボンバーメモリは爆発するほどの高熱を発する能力を持つ。
銀のファイポメモリは全身を硬い鎧でまとった闘士のメモリだ。長い鉄の棒を武器とする。
ボンバーファイポの熱い鉄棒攻撃は強力無比。喰らえばひとたまりもないだろう。

オーズッキがやられるのはまずいと、イクタが間に立ちふさがる。
その両手にはイクタカリバーとガルルセイバーが握られていた。二刀流で鉄棒を防ごうというのだ。

「行かせないっちゃん!」
「「邪魔だぁっ!!」」

高いところから振り下ろされた鉄棒は、2本の剣ををポッキリと折ってしまう。
そしてそのままの勢いでイクタの腹へとぶつける。

「ぎゃ!」
「狙いはオーズッキなんだから邪魔しないで見てなよ!」

イクタを軽く薙ぎ払ったBigWは、特に追撃を加えることもなくオーズッキの元へと走っていく。
BigWの中では完全に優先順位が決まっているのだろう。
地面に倒れたイクタは誰にも聞こえないような声でボソッと呟く。

「微妙に想定外やし……もっとメモリ見たかったっちゃけどしょうがない、
 かのんちゃんにコブラ使ってもらわんと」

「かのんちゃーん!コブラー!」
「わ……わかった」

言われるがままにオーズッキはメダルを取り出す。
頭のパーツを赤のヒヨコからオレンジのコブラに変えようとしているのだ。

「あれがちぃの言ってたメダルチェンジ?」
「そうだよ熊井ちゃん、止めないと!」

徳永千奈美はオーズッキがなでしこを倒した戦いを見ていたのである。
そこで彼女はメモリチェンジの威力と危険性を知ることが出来た。
ハロコン本番に遅刻して叱られはしたが、得るものは大きかったと言える。
しかしこれだけ離れていればメダルの交換を阻止する手段はない。
黄色いメモリを挿していればなんとかなったかもしれないが、もう遅い。

『コブラ!』
『ヒョウ!』
『トノサマバッタ!』

オーズッキの頭部はターバンをかぶったみたいに蛇が巻きつけられている。
この蛇を自由自在に操るのがコブラメダルの能力なのだ。
リアルな造形をした蛇は、こちらに向かってくるBigWへと伸びていく

「いやぁああああ!!蛇やだ!蛇やなのお!」
「ちょっと、ちぃしっかりしてよ!」

オーズッキのもとへ走っていたBigWの動きがピタッと止まってしまう。
千奈美が担当している左半身がテコでも動かなくなってしまったのだ。
これこそがイクタの真の狙い。片方に異常が起きればBigWの力は半減以下になる。

「Wの弱点は恐怖(テラー)に弱いことなんですよ!そんなんじゃもう戦えませんよね
 クフフフフッ♪反撃させてもらいますよぉ♪」

イクタナックルを拳に装着しながら、イクタはゆっくりとBigWに近づいていく。

「そりゃあ!!」

イクタは千奈美の担当する左半身を集中的に狙って攻撃する。
左半身はファイポメモリの効果で防御力が向上しているが、
反撃することの出来ない今はただ硬いだけの的になっている。
まったく動けなくなるほどに千奈美は蛇が苦手なのだ。

「もう!辞めてあげてよ!!」

怒った右半身が熱い鉄棒でイクタを殴ろうとするが、
オーズッキの蛇が腕に巻きつくのでそれも上手く行かない。
このように、BigWは片方が停止するだけで戦力が大幅にダウンしてしまうのだ。
イクタの攻撃を貰いながら、千奈美は友理奈に謝りだす。

「ごめん熊井ちゃん……ほんとにごめん」
「気にしないで、ちぃ、こっからは私の方でやろう」
「そうしてもらえると助かる……」

急にBigWのスーツが弾け飛び、中から徳永千奈美の身体が現れる。
それは敗北による強制的な変身解除のように見えた。オーズッキも勝利を確信しているようだ。
しかしイクタはそうは思っていなかった。

「ま……まずいっちゃん」

イクタが視線を送った先には、気絶していたはずの熊井友理奈が仁王立ちしていた。
そのベルトの左スロットには紫のジンギスカンメモリが挿入されており、
右手で恐竜の形をした白のメモリを掴んでいた。

「もう怒ったよ生田ちゃん、ここからはどうなっても知らないからね」

友理奈は白メモリを右スロットに挿入し、変身を開始する。
今度は友理奈の身体をベースにBigWになろうとしているのだ。

『Otakebi!』『Jingisukan!』
「ぬおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

右半身が白、左半身が黒になった……というだけではこの変身の説明は終わらない。
でかい、でかいのだ。
176cmなんてものじゃない。もっともっと大きく見える。
仮面ライダーBigW 雄叫びジンギスカンフォーム、攻略するには骨が折れるだろう。


雄叫びジンギスカンはBigWの数ある形態の中で、唯一熊井友理奈の身体を使うフォームである。
白い雄叫びメモリは野獣の力を持つメモリ。
熊井友理奈の怒りのすべてを力に変換する代わりに、感情が暴走してしまうのだ。
暴走ということは千奈美が恐怖を感じてようが関係ないということ。
左半身の千奈美が何を思おうと、右半身の友理奈は目の前の敵を完膚なきまでに叩き潰す。

「生田ぁ!許さない!!」

BigWは獣のようなスピードでイクタを捕捉せんと追いかける。
その速さはチャチャメモリを挿してた時以上だ。
あっという間にイクタを捉え、強烈な左拳を胸にお見舞いする。

「ウラアッ!」
「ぐっ……!!」

スーツ内部まで伝わるその衝撃にイクタは驚き、体勢を崩してしまう。
凶暴な獣はその隙を見逃さず、イクタの顔面に白い右拳で追撃を放つ。
怒りがこめられたその拳はとても重く、イクタの金のバイザーが割れてしまう。
セーブモードなのに、バーストモードになった時のように赤い複眼が露出する。

(強すぎる!こんな化け物どうやって……)

雄叫びジンギスカンは本家でファングジョーカーと呼ばれるフォームに相当するのだが
イクタはその対策を練らなかった訳では無かった。
ただ、BigWが大きすぎたのだ。
熊井友理奈ベースのBigWはその巨大さゆえにすべての攻撃を上から下へと振り下ろす形になる。
これが強烈な打撃を生んでいるのである。
本家のWはそのような攻撃をしなかったので、イクタの計算が狂ってしまったのだ。

バイザーが割れ、イクタが地に倒れてもBigWは攻撃を止めたりはしない。
右拳をギュゥッと握り締め、イクタの腹へと振り下ろすのだ。
その攻撃もまた強烈で、イクタのボディはたった3発の攻撃しか受けてないのにヒビ割れてしまう。
このまま攻撃をし続ければ、特に時間をかけることもなくイクタを倒すことが出来るだろうが
千奈美はこのままではいけないと友理奈に警鐘を鳴らしだす。

「熊井ちゃんダメだよ、先に香音ちゃんを倒す作戦でしょ!
 生田ちゃんは弱いんだからほっといても平気だってば」
「ぬがああああああああ!」
「だめだ、聞いてない!」

千奈美の発言を聞いたイクタはショックを受けてしまう。
自分がオーズッキより弱いと言われたことが信じられないのだ。

(なんで!?えりはかのんちゃんに勝っとぉよ?
 そんなえりがどーしてかのんちゃんより弱かね!!)

イクタは立ち上がって反論したい気分だったがそうも行かない。
BigWの猛攻が未だ止まず、4発目、5発目を貰っている最中だったからだ。
これ以上受けるとヤバいというところでオーズッキがBigWの腕を掴み出す。

「やめてくださいっ!」

オーズッキの身体は全身緑色になっていた。
これはクワガタ・カマキリ・トノサマバッタの「ガタキリバコンボ」だ。
ガタキリバコンボの特殊能力でオーズッキは50体に分身している。
数の力で凶暴な獣に対抗しようと言うのだ。
しかしこの作戦は悪手中の悪手、イクタはオーズッキの判断を見て青ざめてしまう。

(かのんちゃん何しとぉと!そんな作戦指示しとらん!)

50体のオーズッキが次々と薙ぎ倒されていく光景はまさに地獄絵図。
BigWは襲い掛かるオーズッキを殴り、蹴り、斬りまくっていた。
このような事態になったのはただ単にBigWが強いというのもあるが、
トノサマバッタの脚が破壊されたままガタキリバコンボになったのが最大の理由だろう。
機動力が落ちたまま分身したので、虫特有のあちらこちらに跳びまわる動きが出来なかったのだ。

(かのんちゃんのバカ!コンボはえりが指示した時だけって言ったやろ!)

軽率な行動に苛立ちを覚えてはいるが、
イクタだってオーズッキが自分を守るためにやってくれたということは理解している。
それでも、助けられたところで何も出来ないことをイクタは痛感していたのだ。
先ほど千奈美が「イクタは弱い」と発言したが、イクタにも思うところはあったのである。

(えりだってイクタじゃ勝てんことくらい分かっとる……だからかのんちゃんを利用するしか無かったっちゃん
 だって不公平やろ!かのんちゃんのオーズッキにはヒヨコとかクマとかよぅ知らんメダルあるし、
 BigWだってチャチャとかジンギスカンとか訳分からんメモリ使いよる、つーかデカすぎやし!
 みんななんで原作通りじゃなかと!?原作通りやったらえりが最強なのに!!!!
 えりのイクタは……えりのイクタだけどないして……)

デザインにおいても、能力においても、イクタと原作のイクサは変わりがないことを衣梨奈は気にしていた。
つまりイクタはインターネットで調べれば分かってしまう程度の能力しか持っていないのだ。
他のメンバーはそれぞれの個性がライダーに反映されていると言うのに、なぜイクタだけ原作通りなのか
これはあまりにも不公平すぎる。

(もうやだ……イクタにもえりの個性が欲しい……)
(でも、えりの個性ってなんやろ?)

イクタはハッとする。
これまでイクサモチーフのライダーとして的確に戦うことばかり気にして、
自分の個性を出す戦い方をしていなかったのだ。
思えば香音も、千奈美も、友理奈も、仮面ライダーを知らないなりに自分らしく戦っていた。
だから個性が色濃く反映されたのではないだろうか?
真野恵里菜はなでしこを知っていたので「なでしことして」戦っていた。
だから衣梨奈や恵里菜には個性が反映されなかったのではないだろうか?
それならば、今から衣梨奈が衣梨奈として戦ったらどうなるのか

「えりは、えりとして戦う。」

ボロボロの身体になりながらもイクタは立ち上がった。
あれだけ多かったオーズッキも残り10体以下になっている。早く助けないとオーズッキが失格になってしまう。
助けてくれたオーズッキを見殺しにすることなどイクタには出来ない。
イクタは衣梨奈として戦い、オーズッキを助けなくてはならないのだ。

「とぉっ!」

腕をまっすぐ伸ばしながらイクタは前方へと跳躍する。
両手で着地しては跳び、着地しては跳び、
次々と前へ進んでいくアクロバティックなこの技は「ハンドスプリング」
仮面ライダーイクサではなく生田衣梨奈が以前から得意としていた技である。
元々高い運動神経がライダーシステムによりさらに向上し、
通常では考えられない回転速度と跳躍力を産み出している。

「はぁぁぁっ!」

BigWに接近したイクタは地面を強く打ち、その勢いで高く舞い上がる。
そして高い位置にあるBigWの頬に鋭い蹴りを入れる。
オーズッキばかりに集中していたため、BigWは簡単に蹴られてしまう。

「あでっ!」

衣梨奈の第1の技であるハンドスプリングはよく効いたようで、BigWがふらつきだす。
ここがチャンスだとばかりにイクタはイクタカリバーを取り出した。
このイクタカリバーを使って衣梨奈の第2の技を見せようとしているのだ。

(あ……イクタカリバーはさっき折られたんやった)

BigWにポッキリと折られたのを思い出したイクタは、慌ててカリバーをしまう。
そしてハンドスプリングでBigWのまわりをグルグルと回りながら
衣梨奈の第3の技の準備を始めるのだった。

「かのんちゃん!もう分身解除してええよ!えりがなんとかするっちゃん」

前転運動をしながらも香音に指示を出すことの出来るイクタはさすがだった。
しかもイクタは喋るだけでなく、ベルトのホルダーからフエッスルを取り出すことも出来るようだ。
これまで使用したことの無い紫色のフエッスルを掴み、
回転でBigWを翻弄しながらベルトへと挿入する。
この時挿入したフエッスルの名は「ドッガフェイク」
衣梨奈のメンバーカラーであった紫色の巨大なハンマーを手元に呼び寄せる効果を持つ笛なのである。
イクタは地にしっかりと脚をつけ、両手で持ったドッガハンマーを高く振り上げる。

「チャー!シュー!メーン!!」

ドッガハンマーをゴルフのドライバーを扱うかのように、イクタはスウィングをした。
狙いはゴルフボールなどではない、BigWの右足だ。
直前までハンドスプリングをしていたイクタが突然ゴルフスウィングをしだしたので、
BigWは対応など出来ずハンマーの直撃を受けてしまった。

「イクタ300ヤードショット!!」
「なぁあああああああ!!」

一撃でBigWの脚を破壊するほどの威力、これが衣梨奈の第3の技ゴルフスウィングの力だ。
もっともこの技は腕に相当の負荷がかかってしまうため多用することは出来ないが。

戦闘スタイルがガラリと変わったイクタを見て千奈美は驚く。
以前なでしことの戦いを偵察した時にはこんなに強くは見えなかったからだ。
BigWも反撃しようとするが脚が破壊されてしまったため動くことが出来ない。
肩に取り付けられた刃を飛ばす「ショルダーファング」という技もあるのだが、
イクタは早々にその攻撃範囲から逃げ出してしまう。
そして分身の副作用でグッタリとしたオーズッキを優しく抱き上げる。

「えりちゃん?……戦わなくていいの?」
「あは、実はえりも結構ギリギリやけん」

イクタは軽々と動いているように見えてかなりガタがきていた。
BigWに何発も強烈なのをもらったうえに反動の大きい行動ばかりしたのが原因だ。
ここで無理して凶暴な獣に立ち向かうよりは逃げるのが得策と考えたのである。
だがこれは逃げではない。
生田衣梨奈として戦うことを覚えたイクタは、万全な状態でやり合えば勝利できると確信しているのだ。
次に戦う時までに自分の技を磨くことを決意しながらイクタは勇退する。

「あぁ~!逃げちゃった……」

ライダーバトル初戦が引き分けで終わってしまったので、千奈美は苦虫を噛み潰したような表情をする。
このような結果になったのは元はと言えば千奈美が蛇を怖がったせいだ。
イクタ・オーズッキペアと再戦するまでに恐怖を克服できるのかと千奈美は心配になってしまう。

(怖い、怖いけど……なんとかしないとウチらは勝てないんだ……)






 仮面ライダーイクタ / 生田衣梨奈
 仮面ライダーオーズッキ / 鈴木香音
 仮面ライダーなでしこ / 真野恵里菜 敗退
 仮面ライダーゲンキックンホッパー / 萩原舞
 仮面ライダーオーデン / 竹内朱莉 敗退
 仮面ライダーパレット / 鈴木愛理
 仮面ライダーディエッグ / ? ? ?
 仮面ライダーBig W  / 熊井友理奈&徳永千奈美
















最終更新:2012年08月31日 16:05