アットウィキロゴ



第13話「観察」


「良い具合に引き分けてくれたなぁ……よし!生田さんと鈴木さんを倒そう。」

イクタ達が戦っていた公園から1kmほど離れたビルの屋上。
仮面ライダーハウガは遠くから戦いを覗き見ていた。
ハウガの装着者は飯窪春菜、モーニング娘。の10期メンバーである。
黒のボディに緑色の鎧をまとったデザインをしており、クワガタライクの金色の角が印象的だ。

「そのためには追いかけないとね、グリーンは疲れるから、ブルーになろっと♪」

ハウガが変わりたいと念じるだけで、緑色だった鎧がたちまち青へと変わっていく。
メダルやメモリやカード等のアイテムを使わず自由にフォームチェンジ出来るのがハウガの利点だ。
服でも着替える感覚で形態を変えることが出来るのである。
緑の姿は五感を極限まで研ぎ澄ます能力を持ち、遠くても暗くても対象を視ることが出来る。
ただし異常に見えすぎたり聞こえすぎたりするので身体に負担がかかるのが欠点である。
青の姿は機動力を向上させる能力を持ち、跳躍力とスピードを大きく上昇させる。
その代わりパワーが弱体化してしまうのがウィークポイントだ。
ちなみにハウガは緑の姿を「ハイエロファントグリーン」、青の姿を「ハイウェイスター」と呼んでいる。

「あの距離だったら1分で行けるよね、変身を解かれる前に行かないと!」

青いハウガは跳び上がり、隣のビルへと移っていく。
このようにビルとビルの間を縫うようにしてイクタとズッキの元へ向かおうとしているのだ。

ビルを何個も飛び越えたところでハウガは敵の気配を感じる。
はじめは透明生命体が襲い掛かってきたのかと思ったが、その感覚とは少し異なるようだった。

(なんなの?ハイエロファントグリーンになって知覚しようか?)

敵の正体を知るために五感を強化させようと思ったが、その必要はなかった。
正体不明の敵の方から姿を現してきたのだ。

「はるなんだよね」

その声の主は仮面ライダーであった。
シアン色のスーツを着て、顔には黒いカードが10枚ぶっ刺さったような奇抜なデザインをしている。
そんなライダーが自分の名前を知っていたのでハウガは驚いてしまう。

「だれ、だれなの?……いや、どなたですか?」
「はるなん酷いなぁ、みずきの声忘れちゃったの?」
「譜久村さん!」

敵の正体は仮面ライダーディエッグ、そしてモーニング娘。9期メンバーの譜久村聖だったのだ。
同じモーニングのメンバーなので力を合わせて戦おう!……と思っているようには見えなかった。
右手に拳銃が握られているのがその証拠だ。

「はるなんさ、えりぽんとかのんちゃんを倒そうとしていたでしょ」
「……!!譜久村さんは生田さん、鈴木さんの味方ってことですか
 それで私をその銃で撃ち落そうと」
「違う違う!みずきはあの二人の味方でもなんでもないよ」
「えっ、それじゃあ……」
「みずきはね、ボロボロになってるところを襲うその根性が気にいらないだけ
 あの二人を潰すのはみずきだけなの。どうしてもって言うならみずきが相手になるよ。」

ハウガは血が凍るような感覚に襲われる。
戦いの前はいつもこうだ、緊張で最悪な気分になってしまうのである。
しかも仮面ライダーと戦うのは初めてなので、緊張は普段の数十倍だ。

(だからデビュー戦は絶対に勝てる戦いにしたかったのにぃ……譜久村さんに勝てるかな)

さっきから吐き気がひどいが、それでも戦わなくてはならない。
ハウガは落下防止の柵を一部引っこ抜き、軽く念じだす。
するとその柵がみるみるうちに青い棒へと変わっていく。ハウガの鎧と同じ色だ。
ハウガは周囲の物体を自分の武器へと変換する能力を持っているのである。

「ドラゴンロッドです。どうですか譜久村さん、この辺りのすべてが私の武器になりますよ。」

ハウガとしては武器変換能力を見せてディエッグを牽制したつもりだった。
これでビビってくれることを期待していたのだ。
しかしディエッグは全く恐れないどころか、さっそく攻撃の準備を始めている。
以前オーデンを倒した時のように銃に生写真を挿入しているのだ。

「武器を作れるくらいなんでもないよ、みずきはね、人を作れるんだから」
「え?」
「見せてあげる……みずきの忠実なるしもべを」

『ハローライド・クドウハルカ!』

ハウガは驚愕した、ディエッグが宣言通りに人間を製造してしまったからだ。
銃から放たれた光はハウガと同じ10期メンバーである工藤遥の形を形成する。
その姿はかなりリアルであり、本物と全く相違がない。

「そんな……どうしてくどぅーがこんなところに?」
「その子はただの映像だよ、もっとも、実体を持つ映像だけどね」

ディエッグが言い終わる前に工藤遥の映像はハウガの懐に入り込んでいた。
棒術を扱うハウガにとって、ここまで接近されると対処が難しい。
さすがはケンカがちょー強い工藤遥、本能でそのことを知っていたのだ。
実体を持つ工藤遥の映像はハウガの顎に強烈なアッパーカットをぶち込む。

人間のものとは思えぬ力で殴られたのでハウガは混乱する。
そして条件反射で遥を蹴っ飛ばしてしまうのだった。
仮面ライダーの力で蹴れば生身の人間は壊れてしまう、それに気づいたハウガは青ざめる。

「いやっ!くどぅー大丈夫!?」

普通の人間だったら骨折で済まない大怪我をしていたところだろう。
特に工藤遥は線が細いので、生命の危機も十分にありえる。
だが目の前の工藤遥は涼しい顔をしていた。
おかしな点といえば腹のあたりがユラユラとぼやけていることだけだ。
まるで水面に映る人影に波紋が入ったような、不思議な光景。

「言ったでしょ映像だって、安心して戦っていいんだよ」

ディエッグはフリーズしているハウガに3発ほど光弾を撃ち込んだ。
ハウガはすぐに攻撃に気づくも避けきれず、すべて被弾してしまう。
このようにハロプロメンバーの映像を前衛として戦わせ、
自分は安全なところから援護射撃をするのがディエッグの得意とするスタイルなのである。
足元をふらつかせながら、ハウガは細い声でディエッグに質問を始める。

「ということは……くどぅーを倒さないと譜久村さんに攻撃出来ないということですね?」
「そういうことだよ」
「そんな、くどぅーを倒すなんて……くどぅーを傷つけるなんて……超楽しそうっ♪♪」

ハウガのテンションが突如急上昇し、両手に持ったドラゴンロッドで工藤遥を滅多打ちにする。
本物では無いのでその行為自体に問題は無いのだが、躊躇が無さ過ぎるハウガの行動にディエッグはドン引きする。

「オラオラオラオラオラオラオラオラァッ!」
「ちょ、ちょっとはるなん、くどぅーは同期なんだよ?……ほら、12歳にそんな……」

積もりに積もったストレスを解消するかのようにハウガは工藤遥を叩いて、叩いて、叩きまくる。
ダメージに耐え切らなくなった映像が消滅しても、ハウガは叩き続けていた。

「気ン持ちイぃですねぇ~~♪譜久村さん、次はまーちゃんとか出してくださいよっ♪」

ディエッグは手元に佐藤優樹と石田亜佑美の生写真を用意していたが、すぐに仕舞いだす。
ハウガの異常性を前にして、この2枚を具現化しても役立たないと感じたのだ。
ディエッグだって同期の生田や香音を潰したいと考えてはいるが、それはあくまでもライダーバトルでの話だ。
生身の人間に攻撃したいと考えたことは一度も無い。
それゆえにハウガの楽しそうな感じにディエッグは引いてしまうのだった。

(はるなん……苦労しているのは分かるけども……)

ここでディエッグは困ってしまう。ハウガに通用するハローライドは一体なんなのだろうか。
先輩メンバーなら手出し出来なくなるのではないかと考えたが、
もしそれでもハウガが嬉々として攻撃しだしたら、あまりにも気まずすぎる。
今後春菜とどう付き合えば良いのか分からなくなってくる。
そう考えながら生写真を探っているうちに、ディエッグは最適の写真を発見する。

「譜久村さん、ボーっとしてるなら私から行きますよ!」
「その必要は無いよはるなん!これでみずきの勝ちが確定したんだから!」

『ハローライド・ワダアヤカ!』

続いてディエッグが召喚したのはスマイレージのリーダー和田彩花だった。
和田彩花は飯窪春菜の親友であるため危害を加えることは出来ないと考えたのである。
もしこれでも容赦なく攻撃するようならハウガの人格を疑わざるをえない。
ディエッグは戦いの結果よりもそちらの方にドキドキしていた。

「なんでもアリですね譜久村さん……お手上げです。私には和田さんを叩くことなんて出来ません。」
(ホッ……よかったぁ)
「だから、和田さんを叩かず直接譜久村さんを攻撃させてもらいますよ」
「えっ!?」

ディエッグがキョトンとしている隙にハウガは隣のビルへと跳び移る。
彼女の狙いは遠距離からの狙撃だ。
接近戦で戦おうとするから攻撃を阻まれるのであって、
見えないところから撃てば直接ディエッグを狙うことが出来るのである。
青の姿で遠くまで移動し、それから緑の姿で狙撃すればハウガの勝利だ。
それに気づいたディエッグも追いかけようとするが、
1つビルを跳び越えるうちに青の姿のハウガはビル3つ分先に行ってしまう。

(はるなんがこんなに動けるなんて……仕方ない、ちょっと手荒だけど夏焼さんに頑張ってもらうか)

ディエッグは追いかけるのを中断し、夏焼雅の生写真を銃に挿入する。
ここまでは工藤遥や和田彩花を召喚した時と同じだが、ディエッグはさらにもう1枚を手にしていた。
2枚連続で生写真を使おうとしているのだ。

『ハローライド・ナツヤキミヤビ!』
『シングルライド・リュウセイボーイ!』

黄色いワンピースを着た夏焼雅が出現し、ディエッグと和田彩花を道連れにして宙に舞いだす。
これは流星ボーイのアー写がもたらした能力であり、
ターゲット目掛けて一目散にぶっ飛ぶことが出来るのだ。
ジェットコースターに乗るより速いスピードでディエッグと雅と彩花はハウガ目掛けて飛行していく

「ちょっ、譜久村さん何やって……」

流星がソフトランディングなんて出来るはずもなく、
ディエッグはハウガに体当たりする形で衝突する。






 仮面ライダーイクタ / 生田衣梨奈
 仮面ライダーオーズッキ / 鈴木香音
 仮面ライダーなでしこ / 真野恵里菜 敗退
 仮面ライダーゲンキックンホッパー / 萩原舞
 仮面ライダーオーデン / 竹内朱莉 敗退
 仮面ライダーパレット / 鈴木愛理
 仮面ライダーディエッグ / 譜久村聖
 仮面ライダーBig W  / 熊井友理奈&徳永千奈美
 仮面ライダーハウガ / 飯窪春菜
















最終更新:2012年08月31日 16:24