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第14話「復活」

ビルの屋上で衝突したディエッグとハウガは、遥か下の地面へと落下してしまう。
かなりの高所だったのでライダーシステムの力を持ってしても無事に着地出来るかどうか分からない。
下手すれば二人とも大破確定だ。
ところがディエッグの左手には無事に着地する手段が握られていた。
そもそもそのような安全策が無ければ流星ボーイを使わなかっただろう。

『ハローライド・タナカレイナ!』
『シングルライド・シャボンダマ!』

モーニング娘。六期メンバーの田中れいなと同時に大きなシャボン玉が出現する。
ふわふわとしたシャボン玉に包まれればゆっくり着地出来ると考えたのだ。
六期デビュー当時のアー写は今となってはレアだが譜久村聖には関係ない。
産まれた時からハロヲタの彼女はありとあらゆる生写真を保有しているので、
どんな状況でも優位に戦うことが出来るのだ。
もっとも、生写真を使うたびにそれなりのエネルギーを消費することになるが、
落下して全損してしまうよりは生写真を贅沢に使ったほうがずっとマシだろう。
このように安心しきっていたら、突然シャボン玉が破裂音とともに割れてしまった。
ハウガが落ちる直前のところでドラゴンロッドを投げつけてきたのだ。

(はるなん!?…どうしよう、なんとかしないと)

焦るディエッグだったが、今更何をしようともう遅い。
受け身をとることも出来ず地面に落下してしまう。

「あうっ!……」

シャボン玉が割れたのが比較的地上に近い高度だったので全損は免れることが出来たが、
れいな、雅、彩花の映像は耐えきれず消滅してしまう。

「あぁ……皆さんごめんなさい……でもおかげではるなんは倒せましたよ。」
「誰が倒れたと言いました?」
「!?」

背後から聞こえてきた高い声にディエッグは身震いをしてしまう。
あの高さから落ちたのに全損しないなんて信じられない。
ディエッグはすぐに後ろを振り向き、ハウガの状態を確認する。

「あれ……さっきと色が違う。」
「紫の姿の私は頑丈ですよ。いくら攻撃しても無駄です無駄なんです、無駄無駄……」

ハウガは落下中に少し念じるだけでまた姿を変えていた。
今回は紫の姿。彼女はシアーハートアタックと呼んでいる。
最も頑丈な姿で落下のダメージを無理矢理耐えきったのである。

無駄と言ってはいるが、ハウガのスーツは確実に破損している。
どんなに硬い鎧でも耐久性には限界があるのだろう。
そんなハウガに追い討ちをかけるために、ディエッグは各ユニットの武闘派の生写真を揃える。
Berryz工房の須藤茉麻、℃-uteの矢島舞美、スマイレージの竹内朱莉を同時に召喚しようとしているのだ。

『ハローライド・スドウマアサ!』
『ハローライド・ヤジママイミ!』

茉麻と舞美の生写真は具現化されたが、朱莉のだけは反応しなかった。
ディエッグは「やっぱりダメか」と呟きながら生写真をしまっていく。
二人召喚しただけでも十分強力なので問題は無いと判断したのだ。

「先輩を傷つけるのは心苦しいですけど仕方ないですね、
 一番戦いやすい姿でお相手します!たぁ!」

またもやハウガの鎧の色が変化する。お次は赤色だ。
やや暗めなのでチョコレート色がかってると言えなくもない。
この色こそがハウガ本来の姿であり、パンチとキックを主体とした格闘を得意とする。
また、キックとともに巨大な爆発を起こすことからハウガは「キラークイーン」と呼んでいた。

「またコロコロと色変えて!一色にしなよ!」
「譜久村さんだって推しメン多すぎではないですか?」

ハウガは二人相手でも劣勢になることなく、確実にパンチを入れている。
赤の姿は他のフォームより攻撃力が飛躍的に上昇するので、
工藤遥の映像を倒した時よりも早くカタをつけてしまった。

「うそ……この二人がこんな簡単に……」

ここで窮地に立たされたのはディエッグだ。
労することなく倒すことが出来ると思っていたので、理想と現実のギャップに苦しめられてしまう。
ハウガにはただのハローライドでは太刀打ちすることなど出来ない。
ディエッグは終盤まで取っておきたかった切り札を使わざるをえなくなってしまったのだ。
切り札となる生写真を握った時、聞き覚えのある声が聞こえてくる。

「ディエンドとクウガやん!……いや、ディエッグとハウガか……」
「え、えりぽん!」

イクタとオーズッキは変身したまま逃走していた。
BigWが千奈美の体をベースにして追いかけてくる可能性があったので
最速で逃げれるように変身を解除しなかったのだ。
だからこそイクタとオーズッキはディエッグ達の戦いを見ることが出来た。

「えりぽん、かのんちゃん、どうしてここに……」

ディエッグの声を聞いたイクタとオーズッキは驚愕する。
決して忘れることのない同期の声を聞いて、すぐに誰だか分かったのだ。

「みずき!」「みずきちゃんだ!」
「くっ……」

ディエッグは特に自分の正体を隠そうとは思っていなかった。
いずれバレてしまうことだと分かっていたからだ。
しかし今は時期が悪すぎる。
ハウガを倒すには切り札を使うしかないのに、それをライバル2人に見られるのは大きな損害だ。
いずれ同期と戦う時までに隠し通したかったが背に腹は変えられない。
腹をくくったディエッグは最終兵器となる生写真を銃に挿入する。

「また召喚ですか、何が来ても無駄だと思いますけどね!」
「はるなん!」「はるなんだ!」

ハウガはまた同じような召喚をすると思っているようだが、今回は特別中の特別だ。
この召喚を実現出来るようになった過程を思い返すと今でも胸が痛む。
だからこそこれまでの召喚とは同じにしてほしくない。

『カメンライド・オーデン!』

ディエッグが召喚したのは仮面ライダーオーデンであった。
黄金に輝くボディも、翼の形をした肩も、カードを差し込む杖も、すべてが本物そのものだ。
このように仮面ライダーを召喚する能力こそがディエッグの最終兵器。
ディエッグは自らの手でオーデンを倒すことで、生写真を入手することが出来たのである。
オーデンの登場にハウガとオーズッキは困惑する。

「仮面ライダー?……ハロプロ以外も呼べるんですね。」
「え、え、え、このライダーどこから出てきたの?ていうか誰?」

そんな中、オーデンのモチーフであるオーディンを知っているイクタだけが異なった反応をしていた。

「オーディン!いや、仮面ライダーオーデン!!たしかディエッグに倒されたはずじゃ……」
「そういえばそんなメールが送られてたね、そう、オーデンはみずきがトドメをさしたの。
 今じゃみずきの忠実なるしもべ……はるなんもすぐにこうなるんだよ!」

ディエッグが声を荒げるとともにオーデンはハウガの背後に瞬間移動し、
手に持った杖で殴りかかる。

「きゃっ!何!?」

死角に瞬間移動して安全なところから攻撃するという戦法は、
オーデンがゲンキックンホッパーを苦しめたものと同一だった。
このまま同様の攻撃を繰り返せばハウガは倒れるだろうが、ディエッグはやや不満そうだ。

(これだと時間かかりすぎちゃうかも、えりぽんとかのんちゃんに苦戦を見せたくない!
 はるなんには悪いけど終わらせてもらうね。楽しかったよ、はるなん。)

ディエッグはハウガにトドメを刺すために最後の生写真を取り出した。
この生写真は雅に使用した流星ボーイのように、オーデンをサポートする能力を持っている。

『アタックライド・ファイナルベント!』

突如現れた黄金鳥「楽天」がオーデンの背中に合体し、大きく翼を広げる。
これはオーデンが仮面ライダーパレットに見せた最後の技「ファイナルベント」だ。
ディエッグは召喚した仮面ライダーにここまでさせることが出来るのだ。
大きな翼で空高く舞うオーデンを見て、ハウガは動揺してしまう。
これからのオーデンの攻撃に、這う這うの体な自分が耐え切れるか分からなかったからだ。

「譜久村さん本当になんでもアリなんですね……大人気なさすぎませんか」
「はるなんのが年上でしょ!」
「いやそうですけども……仕方ない、私も切り札使います。30秒だけですが」

ハウガが念じるとその赤い鎧のあちこちにハニー色のラインが入ってくる。
これはハウガの体内に宿る雷の力が表面に出たものであり、
30秒間限定で攻撃力をさらに上昇させることが出来るのだ。
しかもハウガは気づいていないが金のオーデンに対し雷は相性抜群。
このままやり合えばハウガが競り負けることはほとんどない。
と思われたその時、ハウガの背中に5発の光弾が立て続けにヒットする。

「な……!?」
「ごめんねはるなん、オーデンはただのオトリなんだ。」

ディエッグの狙いはハウガの視線を上空に固定することだったのだ。
崩壊寸前だったハウガのスーツは今回の攻撃で完全に大破してしまう。
全損したスーツが細かい破片となり周囲へとばらまかれると同時に、
全ライダーへ以下のメールが送信される。

「仮面ライダーハウガ」
が
「仮面ライダーディエッグ」
に
敗北したことをお伝えします

ハウガを撃破することで、ディエッグはその右手で新たな生写真を掴み取る。
その生写真はもちろん仮面ライダーハウガのものだ。
これによりディエッグはオーデンと同様にハウガも使役する能力を得たのである。
それを悟ったのか、春菜は負けたというのに清々しい顔をしている。

「なるほど、私は負けてもハウガは戦い続けてくれるんですね。
 それでしたら本望です。必ず勝ち上がってセンターになってください!
 譜久村さんの強さなら絶対なれると思いますよ!」
「う、うん」

まったく悔しくなさそうな春菜を見て、聖は困惑してしまう。
夢が潰えた後輩の泣きじゃくる姿を見てリビドーを感じたかったのだが
このように褒められてしまうと逆に気分が萎えてきてしまう。
ハウガの生写真だって積極的には使う気が無かったので、どうしたものかと考えこむ。
そこに変身を解除した衣梨奈と香音の声が割って入ってきた。

「みずきかっこよかったっちゃん!やけん、はるなんもライダーらしくて良かったとよ♪」
「二人もライダーだったなんて知らなかった!しかもみずきちゃん強いし!」

ライバルであるにもかかわらず無邪気にはしゃぐ二人を見て、聖はニヤリとする。
二人を少し虐めて欲求を満たそうと思ったのだ。

「ということは二人とも、ディエッグとハウガが私たちだって知らなかったってこと?」
「元エッグかなとは思っとったけん、まさかみずきとは……あ、ハウガは全然分からんかった!」
「えりぽんダメだね、みずきはもう全てのライダーの正体を知ってるよ」
「「!?」」

聖以外のメンバーは驚いたが、考えてみれば当然のことだった。
ライダーの名前はハロメンの特徴に由来しているので、聖ほど詳しければ分からないことは無いのだ。
そのハロプロ知識の豊富さに衣梨奈は感嘆し、是非チームに引き入れたいと考える。

「みずき、一緒のチームにならん?」
「チーム?」
「みずきのハロプロの知識と、えりの仮面ライダーの知識と、かのんちゃんの強さが合わされば無敵っちゃん!」
「そうだよみずきちゃん!ちょっとあたしは足手まといかもしれないけど……同期の絆で勝ちあがろうよ!」

衣梨奈と香音のキラキラと輝いた瞳を見た聖は背筋がゾクゾクッとしてくる。
純粋無垢な同期の夢を潰したらどんな気分になるのか考えるだけで興奮するのだ。
決して同期が嫌いというわけではない。むしろ大好きだ。
大好きだからこそ、悔しくてクシャクシャになった顔を見てみたいのである。

「チームになんか、なれないよ。」
「「えっ!」」
「みずきはね、二人を倒したいと心から思ってるの。」
「だったら他のライダーを全部倒した後に決着を着ければ……」
「それはだめ!……一緒にいたらすぐ倒したくなっちゃう。」

そう言いながら聖は指で鉄砲をつくり、衣梨奈の額に人差し指をくっつける。

「えりぽんとかのんちゃんを倒すのはみずき。それも最後の最後にね。
 だからみずきは二人と一緒にはなれない。だってみずきは強いから、二人を簡単に倒しちゃう。」






 仮面ライダーイクタ / 生田衣梨奈
 仮面ライダーオーズッキ / 鈴木香音
 仮面ライダーなでしこ / 真野恵里菜 敗退
 仮面ライダーゲンキックンホッパー / 萩原舞
 仮面ライダーオーデン / 竹内朱莉 敗退
 仮面ライダーパレット / 鈴木愛理
 仮面ライダーディエッグ / 譜久村聖
 仮面ライダーBig W  / 熊井友理奈&徳永千奈美
 仮面ライダーハウガ / 飯窪春菜 敗退
















最終更新:2012年08月31日 16:32