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第20話「オン・ザ・Line?」

矢島舞美の声になっためん王は、手に持った斧で桃子の映像に斬りかかる。
その斬撃はとても力強く、映像は一瞬にして消え去ってしまう。
ディエッグは桃子がやられたことはもちろん、めん王が舞美になったことにも驚いている。
焦ったディエッグは矢島舞美の生写真を取り出し、また確かめるように銃に入れていく。

『ハローライド・ヤジママイミ!』

いつも通り召喚することが出来たのでディエッグはますます混乱する。
彼女の考えでは、この状況では召喚出来ないはずだったのだ。
そんなディエッグの動揺を知ることもなく舞美の映像はめん王に立ち向かっていく。

「わぁ!あたしがもう1人いる!ごめんねもう1人のあたし!」

めん王は高速移動する舞美の映像も斧の一振りで消し去ってしまう。
矢島舞美の声になっためん王はとてもパワフルなので、タイマンでは無敵に近い。
なのでディエッグは状況を打破するために戦い方を少し変える。
多めにエネルギーを使うことになるが、これしか無いと考えたのだ。

『ハローライド・アップアップガールズカッコカリ!』
『シングルライド・アッパーカット!』

今まで1人や2人ずつしか召喚しなかったディエッグだったが、
今回はアップアップガールズ(仮)のメンバー7人を同時に呼び寄せた。
それぞれが胸に(仮)と書かれたメンバーTシャツを着ており、
「アッパーカット」の効果で両手にボクシンググローブもはめている。
ボクシングスタイルで7人同時にめん王に殴りかかろうとしているのだ。

「仙石さん!古川さん!森さん!佐保さん!関根さん!新井さん!あやのん!頑張ってくださーい!」

めん王は1人や2人を自慢の斧で斬りつけるが、
その隙に他の映像らに攻撃を受けてしまう。さすがのめん王も複数相手には弱いのだ。
ディエッグ優勢になったのを見て香音がはしゃぎだす。

「みずきちゃん勝てそうだね!」
「いや、もしえりがめん王やったら、これじゃ終わらん」

イクタの予想通り、まためん王がフォームチェンジを始めた。
お次は青い鎧と仮面だ。全体的に亀の甲羅のようにカクカクとしている。

「エッグ相手は私に任せてくださいよ、先輩。」

今回のめん王の声はなんと真野恵里菜であった。
ライダーバトルに脱落したはずの恵里菜が出てきたので、
ディエッグと香音はひどく驚いたような表情をする。
さすがのイクタも恵里菜に登場には少し驚いたようだった。

「ちょっとえりちゃん!どうして倒したはずの真野さんが!?」
「かのんちゃんはめん王は誰が変身しとると思っとぉと?」
「えっと……嗣永さんと、矢島さんと、真野さん?
 BigWの徳永さんと熊井さんの時みたいに3人が合体してるのかなぁ……」
「ハズレっちゃ、原作通りだとしたらめん王に変身してるのは一人だけとよ。」
「それは、誰なの?」
「分からんと。でも言えることは嗣永さんでも矢島さんでも真野さんでも無いってことっちゃん」
「???」

イクタと香音があれこれ話しているうちに、めん王はアップアップガールズ達を縛り上げてしまっていた。
釣竿状のロッドの先から伸びるピアノ線を巧みに操り、分散するガールズ達をひとまとめにしたのである。
さすがは一級釣り師と呼ばれるだけあって釣り竿の扱いは大得意なのだろう。
しかし順調そうに見えためん王の様子がまたおかしくなっている。

「うふふ、下ごしらえは完了♪あとはトドメを……あぁっ!あぅぅ……ま、ま、ま、
 まーちゃんがトドメさすーーーーーー!!!」

めん王の声がモーニング娘。の問題児・佐藤優樹に変わるとともに紫の鎧が装着されていく。
右手には立派な銃が握られており、その銃であちらこちらへ無闇やたらと撃ち始める。
近くにいたアップアップガールズはもちろん、
めまぐるしく変化する環境に思考が追いつかなくなったディエッグにも弾丸が直撃してしまう。

佐藤優樹の声になってからは酷かった。
近くに鈴木香音がいるのもお構いなしに銃を撃ちまくるので、
イクタは必死になって香音を護らなくてはならなかった。
ディエッグもディエッグで、動揺のあまりほとんどの銃弾を被弾してしまう。
そしてひとしきり撃ったかと思えばめん王はどこかへ逃亡しだす。
ハチャメチャすぎるめん王の行動に、一同は唖然としてしまう。

「なんなの!本当に分からない!」

ヒステリックに叫びだしたのはディエッグだ。
桃子、舞美、恵里菜、優樹という順にコロコロと声を変えるめん王に参っている様子である。
いくらハロメンのことを詳しく知っていても、こうも変わられては対応が出来ないのだろう。
結局ディエッグにはめん王の正体を掴むことが出来なかった。
そもそも、ディエッグは今戦ったライダーの名前すら知らなかったのである。
どのライダーの正体がどのメンバーかというのは分かっているが、
元々仮面ライダーに詳しくないため、めん王を見ても「電王モチーフ=めん王だ!」とは繋がらないのだ。
ライダーに対する疎さ、および検索能力の乏しさがディエッグの弱点と言えるかもしれない。
そんなディエッグにイクタは近づき、ある提案をし始めた。

「みずき、取り引きをせんと?」
「取り引き?」
「えりがあのライダーについて知ってることを教えてあげるっちゃん
 その代わり、みずきが全てのライダーの正体を知っている理由を教えてほしかと。
 あとは嗣永さんや矢島さんが参加しとらんと知っとった理由も、やね。」
「……」

ライダーの情報は喉から手が出るほど欲しかった。
だがこの取り引きに応じてしまうとディエッグの持つ特性をイクタにばらすことになる。
宿命のライバルであるイクタを有利にしていいのかと、ディエッグは悩んでしまう。

実際問題、ディエッグには迷っている暇は無かった。
こうしてウダウダしているうちにめん王に逃げ切られるのはまずいのである。
もしめん王が他のライダーにディエッグの能力をバラしたら不利になるので、
すぐに追いかけて倒さねばならないのだ。

「分かった、みずきの知っていることを教える。
 でも一つ約束して、さっきのライダーはみずきが一人で倒す。
 だからえりぽんは絶対手を出さないでね。見るのもだめだよ。」
「どうして?」
「えりぽんに手の内を見せたくないから。」
「そ、そっか……分かったっちゃん、みずき一人で戦ってよかよ。」

ディエッグの勝利への執念にイクタは圧倒されてしまう。
よっぽど最終決戦でイクタに勝ちたいのだというのが伝わってくる。

「じゃあまず何を教えればいいんだっけ」
「みずきが全てのライダーの正体を知ってる理由っちゃ」
「そっか、それはとても簡単なこと。私は生写真を使うことでハロメンを呼び出せるでしょ」

ここでディエッグは生田衣梨奈の生写真を取り出す。
急に自分の生写真を出されたので照れてしまう。

「でもね、仮面ライダーに選ばれたメンバーの映像は呼ぶことが出来ないの。
 このえりぽんの写真も、かのんちゃんも、あかりちゃんだってダメだった。」
「あ、てことは……」
「うん、みずきはね、ハロプロメンバー全員分試したの。
 モーニング娘。からスマイレージまで29人分、いや、もっと。」
「そんなに!?……いや、当然の行動ったいね」
「だから誰がハロプロメンバーかは分かったんだ、後はリストを見て
 誰がどのライダーの名前に近いか当てはめてみるだけ……簡単でしょ。」

以前イクタは仮面ライダー910をなぜ中島早貴と特定出来たのか質問したことがあったが、
これでその疑問が解消された。
おそらく中島早貴以外の℃-uteメンバーはライダーではないか、
もしくは他のライダーに既に当てはめられていたのだ。
この能力を持っているのならば全てのライダーの正体を特定するのも簡単なことである。

ディエッグの能力の解説を受けたことで、もう一つの謎もおのずと解けてきた。
誰がライダーでは無いか知っていたからディエッグは桃子や舞美の登場に驚いたのだ。

「嗣永さんと矢島さんは召喚出来るけん、ライダーじゃないってことやろ?」
「そう!本当に意味分からないよね~!!」
「ちなみに元ライダーは召喚出来ると?例えば真野さんとか……」
「ううん出来ない、ひょっとしたら出来ると思ったけどね」
「じゃあまさきちゃんはライダーなん?」
「違うよ……ってさっきからみずきが答えてばっかりだよ!はやくえりぽんも教えてよ!」

急がなくてはいけないのに次々と質問してくるイクタにディエッグは怒鳴ってしまう。
イクタは少し残念に思ったが、約束は約束なので解説へと移る。

「じゃあ仮面ライダー電王について教えるっちゃん。
 電王に変身するのはたったの一人、でもその一人に4体のイマジンがついてるとよ。」
「イ、イマジン?」
「うーん、説明が難しいっちゃけど、怪人みたいなものが憑依しとるっちゃ」
「ひょうい?……」

国語の成績が悪いディエッグに難しい言葉を使ってしまったとイクタは反省する。
そして簡単な言葉にして言い直す。

「お化けみたいに取りついとるってことっちゃん。嗣永さんの霊、矢島さんの霊、
 真野さんの霊、まさきちゃんの霊、それらがとりついてフォームチェンジしとるんやね。」
「霊!?嗣永さん死んじゃったの!?」
「だから物の例えだってば……」
「あ、ごめん……」

ディエッグがところどころで突っ込んでくるので解説がますます遅れてしまう。

「とにかく、仮面ライダーめん王は4パターンのスタイルを入れ替えることが出来るっちゃん。
 もっとも今のところはそれをコントロール出来てないようやけど。」
「本当に4パターン?他の先輩とか出てきたりしない?」
「う…う~ん、ひょっとしたらもっとおるかもしれん、でも基本フォームは4つだけのはずとよ。」
「後えりぽん、さっきめん王って言ったよね?あのライダーの名前はめん王で合ってるの?」
「あ、知らんかった?」
「そっか、めん王か……じゃああの仮面ライダーの正体は……」


                    ♥


人通りの少ない路地裏でめん王は小さくうずくまっていた。
あの強そうなディエッグとイクタに勝負を挑んだことを後悔しているのだ。
だがあれはめん王の意思ではない。
めん王に憑くイマジンであるモモタロス、ヤジタロス、マノタロス、マータロスのせいなのだ。

「もう、なんで勝手に変身しちゃったんですか……」
「だっていずれ倒すんでしょ?じゃあ早く片付けた方が手っ取り早いじゃん♪
 あ、謝った方が良い?謝ろっか?」
「いえ、いいです」

めん王はポジティブすぎるモモタロスの言動にガックリきてしまう。
高所から飛び降りて登場する等の派手な行動はめん王の性格には合わないのだ。
ヤジタロス、マノタロス、マータロスもモモタロスに同調し始めるのでめん王は更に困ってしまう。

「たしか譜久村ちゃんってもう2人も倒しちゃってるんだよね」
「ももちは確かにやりすぎですけど、まぁ優勝候補を潰すのは良い作戦ですよね。」
「まーちゃんもっと戦いたーい。」

めん王だっていつかはディエッグもイクタも倒したいと思っている。
モベキマスのセンターに立って歌ってみたいとも願っている。
だが自信が無いのだ。
ハロプロに詳しい譜久村聖と仮面ライダーに詳しい生田衣梨奈はライダーバトル覇者の最有力候補。
そんな2人と同時に戦おうと思うと、足がすくんでしまうのである。
またもや怯えためん王を見てイマジン達が励ます。

「もう、勝田ちゃん!桃に任せたら大丈夫だってば!」
「勝田ちゃん涙はこのハンカチで拭きなよ、私が戦うから安心して」
「りなぷ~、私がフクちゃんもえりぽんも釣ってあげるよ?」
「りなちゃん……あの2人倒していいよね?答えはきいてないけどー」

スマイレージの二期メンバー勝田里奈は心からうんざりしていた。
ライダーバトルを承認したころから自分にしか見えないこのイマジン達にだ。
いや、イマジンというよりは「いつめん」と呼ぶべきなのかもしれない。
どんな時も、どんな場所でも、この人たちはいつでも自分の前にいるのだから。






 仮面ライダーイクタ / 生田衣梨奈
 仮面ライダーオーズッキ / 鈴木香音 敗退
 仮面ライダーなでしこ / 真野恵里菜 敗退
 仮面ライダーゲンキックンホッパー / 萩原舞
 仮面ライダーオーデン / 竹内朱莉 敗退
 仮面ライダーパレット / 鈴木愛理
 仮面ライダーディエッグ / 譜久村聖
 仮面ライダーBig W  / 熊井友理奈&徳永千奈美
 仮面ライダーハウガ / 飯窪春菜 敗退
 仮面ライダー裂鬼 / 清水佐紀
 仮面ライダー910 / 中島早貴
 仮面ライダーめん王 / 勝田里奈
















最終更新:2012年08月31日 17:27