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第23話「聖戦へ赴く戦士たち」


「じゃあなっきぃも仲間になろうよ。」
「はっ!?」

愛理はニッコリと微笑みながら提案する。
その柔和な雰囲気は慈愛に満ちていたが、いまいち早貴には伝わらなかったようだ。
舞もライダーバトルにおける愛理のスタンスには疑問を感じ始めている。

(ちょっと愛理~いきなりそれはまずいでしょ!
なっきぃじゃなくても警戒しちゃうでしょうが……だってライダーは一人しか勝てないんだし……
ていうか、愛理ってなんでそうやって味方を増やそうとしてるの?
愛理は一人でも十分強いじゃん……いったい何を考えてるの?)

舞に協力する理由を訪ねたとしても、それらしいことを言ってはぐらかすだろう。
愛理が自分を助けるのには何か裏があるはず。
でもその裏を知って愛理と敵対はしたくない。
舞はそう考えていた。

それとは対照的に、早貴は愛理に反抗する気マンマンのようだ。

「仲間になれるわけないでしょ!優勝者は一人なのよ?
絶対誰か途中で裏切るに決まってる!!」

早貴の頭には香音の顔が浮かんでいた。
自分が既に後輩にあんな仕打ちをしたので、
今更メンバー同士で仲良しごっこなど出来ないのだ。

「裏切ったりしないよ、三人で勝てたら良いと思ってるし」
「ルール知ってるの!?センターになれるのは一人だけでしょ!」
「それは……そうだけど」

当然のことを言われた愛理は口をモニョモニョさせる。
口論に負けて悲しんでるのかと思えばそうではないらしく、
舞には聞こえない程度の声で早貴に囁きだす。

「じゃあ契約しようよ、絶対なっきぃが得をする契約。
でも舞ちゃんには内緒だからね……だからちょっとこっち来て。」

愛理は早貴を連れて楽屋の隅に行ってしまった。
二人の話す内容が全然聞こえてこないので舞は不安になる。

(愛理~何話してるの?頭良いからなっきぃを上手く勧誘してるんだよね?
信じてるよ、信じたいよ、でも、もしマイを裏切る話だったらどうしよう。
やだやだやだ、もう何も考えたくない。)

今の舞には一秒が十秒にも感じられる。
まるでクロックアップが誤発動したと思うほど時がゆっくりだ。
そのようにして遅くなった時も何かがきっかけで急加速するものである。
早貴が愛理に強烈なビンタをぶつけることで、舞の時はクロックオーバーする。

「もういい加減にして!早貴をなんだと思ってるの!!」
「ごめん……ごめん……」

早貴は涙を流しながら怒鳴りつけてるし、
愛理はただただ謝り続けていた。
そのような光景を見た舞は取り乱してしまう。

「ちょ、ちょ、ちょっとなっきぃ!何やってるの!」
「だって愛理が!」
「やめて、マイちゃんには言わないで……」

愛理は早貴の腕をギュッと掴んだ。
よほど自分の考えをバラされたくなかったのだろう。

「ごめんなっきぃ……でも、約束は絶対守るから……」

愛理の目は怖いくらい真剣だった。
強いメッセージを訴えてくるその目に、早貴は根負けしてしまう。

「わかったわよ!条件としては結構美味しいし、協力してあげる。」

お次は早貴ではなく佐紀の話。
佐紀は千奈美の願いを静かに聞いていた。

「なるほど、一緒になっきぃを倒して欲しいと。」
「そうなの!ね?ね?えりぽんを助けてあげようよ」
「うん、後輩を助けるのは先輩として正しいと思う。」
「でしょー?」
「でもね千奈美……それは10年一緒にやってきたなっきぃよりも
 1年そこいらの生田ちゃんを信頼するってことになるんだよ?
 千奈美はそれでもいいの?」
「えっ」

思わぬ返しに千奈美は固まってしまった。
確かに早貴はグループが違うとは言え、同じハロープロジェクトキッズの仲間だ。
今回の件で香音を騙していたが、それは早貴が勝つために練った策である。
勝ちたい一心で嫌われ役になった早貴を本当に倒していいのか千奈美は分からなくなってくる。

「確実に倒したいから私を誘ったのはとてもよく分かるよ。
 私だってちょっとでも負けそうだったら逃げちゃうような女の子だし。
 でも、ここで迷うようだったら力は貸したくないな。そんなリスク背負いたくないもん。
 答えが出たらまた誘ってよ。そしたら考えてあげる。」

考えれば考えるほど千奈美は分からなくなってきてしまった。
涙の訴えを見せた衣梨奈をとるか、同期の早貴をとるか。
どちらも正解では無い気がしてドツボにはまっていく。

「ちぃ、単純なことだよ!私たちはなっきぃに助けてって頼まれてないよ!」

ここで登場したのは友理奈だった。
元から大きい彼女が不思議といつもより大きく見える。

「どういうこと?熊井ちゃん?」
「えりぽんは私たちに助けてって頼んだけどなっきぃは別に何も頼んでないってこと。
 どっちが大切とかじゃなく、頼まれたからやるでいいんじゃないかな?」
「そっか!」

この意見が答えになっているのかは分からない。
だが少なくとも千奈美の悩みを消すことには成功したようだ。
音叉で僅かな心の変化を読み取っていた佐紀は、千奈美がいつもの元気娘に戻ったのを感じる。

「まぁ、そんな感じで行くなら助けてあげてもいいかな。」
「キャプテンほんと!?やったぁー!」

佐紀は親切心やメンバーの絆だけで協力を決意したわけではない。
千奈美が悩みを振り切ることで、潜在していたリスクが消えたと判断したのだ。
もともとチームを組んだ方が良いということは知っていたのである。
なんせ今度の敵は3人組なのだから。

「でもあまり油断しないほうがいいからね、敵はなっきぃだけじゃないみたいだし」
「「えっ?」」

考えれば考えるほど千奈美は分からなくなってきてしまった。
涙の訴えを見せた衣梨奈をとるか、同期の早貴をとるか。
どちらも正解では無い気がしてドツボにはまっていく。

「ちぃ、単純なことだよ!私たちはなっきぃに助けてって頼まれてないよ!」

ここで登場したのは友理奈だった。
元から大きい彼女が不思議といつもより大きく見える。

「どういうこと?熊井ちゃん?」
「えりぽんは私たちに助けてって頼んだけどなっきぃは別に何も頼んでないってこと。
 どっちが大切とかじゃなく、頼まれたからやるでいいんじゃないかな?」
「そっか!」

この意見が答えになっているのかは分からない。
だが少なくとも千奈美の悩みを消すことには成功したようだ。
音叉で僅かな心の変化を読み取っていた佐紀は、千奈美がいつもの元気娘に戻ったのを感じる。

「まぁ、そんな感じで行くなら助けてあげてもいいかな。」
「キャプテンほんと!?やったぁー!」

佐紀は親切心やメンバーの絆だけで協力を決意したわけではない。
千奈美が悩みを振り切ることで、潜在していたリスクが消えたと判断したのだ。
もともとチームを組んだ方が良いということは知っていたのである。
なんせ今度の敵は3人組なのだから。

「でもあまり油断しないほうがいいからね、敵はなっきぃだけじゃないみたいだし」
「「えっ?」」

翌日の早朝、人通りの少ないと噂の公園。
そこには今回戦う6名のメンバーが集結していた。
Berryz工房からは清水佐紀、徳永千奈美、熊井友理奈
℃-uteからは中島早貴、鈴木愛理、萩原舞
それぞれが敵陣営を倒そうとここに来ている。
まず先に口を開いたのは友理奈であった。

「おかしいな、なっきぃだけを呼んだはずなのに」

口ではこう言っているが、こうなることを友理奈は知っていた。
広範囲の音を聞く佐紀に相手の動向を教えてもらっていたのである。

「そっちだってBigWだけだと思ったんだけどね……なんで佐紀ちゃんがいるんだか」

℃-ute側は、佐紀が来るという確信は抱いていなかった。
舞が「佐紀ちゃんも来たらどうしょう」とネガティブなことを言わなければスルーしていただろう。
そして実際に佐紀は来ていた。

「私がいてもいいでしょ、舞にリベンジしたいし。」
「こ、今度は愛理となっきぃが居るから負けないもん」
「ふーん……愛理はパレット、なっきぃは910だったっけ。」

佐紀は愛理の元へ歩きながら講義を始める。
講義内容は仮面ライダーパレットについてだ。

「仮面ライダーパレット、大きい剣とトランプを扱うライダーね。
トランプを読み込むことで特殊な技を使用するカードライダー。
一番怖いのはスペードの11と13を使って変身するジャックフォーム、かな?」
「そんな……」

パレットの特徴をズバリ言い当てるので℃-uteたちはゾクッとする。
全てを聞いた佐紀には分からないことは無いのだ。
続いて同様に910の情報まで喋り出す。

「仮面ライダー910、特殊能力は無い代わりに基本性能が高いわ。
剣にも銃にもなるその武器は生田ちゃんそっくり。
金色の光とともに蹴るゴル℃スマッシュが要注意ね。」
「くっ……!」

自分の情報も筒抜けだったので早貴はとても悔しがる。
他のライダーにはなるべく能力を隠そうとしていたのに、これで全部台無しだ。
こうして挑発にまんまと引っかかった早貴を横目に、佐紀はゲンキックンの解説も始める。

「一応言っとこうか、舞はゲンキックンホッパーだよね。
なんでも蹴り破るその脚が自慢なのかな
高速移動出来るくらい脚が速いようだしね。」
(……お?)

「いいぞキャプテーン!」
「かっこいいー!」

千奈美と友理奈の声援を背に受け、佐紀は堂々とした顔をしていた。
佐紀は敵の情報をBigWとも共有しており、
℃メンらを倒す打ち合わせも十分に行っている。
このままベリ優勢ムードで戦いに入ると思われたが、
鈴木愛理がそれを許さなかった。

「ちょっと驚いたけど、それくらいなんでもないよ。」
「ん、どういうこと?」
「だって私たちもそっちのこと知ってるから。」

愛理は佐紀がやって見せたように講義を開始する。

「佐紀ちゃんは仮面ライダー裂鬼。マイちゃんから聞いたよ。
キーボードで音の壁を作り出すんだよね。
その壁を破るのにマイちゃん苦労したって言ってたよ。」
「!」

考えてみればこの展開は当然だった。
敵ライダーの情報を持つのは裂鬼に限った話では無いのだ。
仲間から情報を集めればこれくらい容易いのである。

「仮面ライダーBigW、二人で一人の仮面ライダー。
メモリを変えることで色んな技を使えるらしいね。
なっきぃがずっとストーカーしてたから全部わかるよ。」
「ちょっと!人聞きが悪い!」

佐紀は空気がピリリとするのを感じる。
やはり相手が相手なので楽には勝たせてもらえないと分かったのだ。
少し動揺しかけたが、Bigな二人がすかさず励ましのエールを送る。

「気にしないで!どうせ条件は一緒でしょー!」
「私たちの作戦はこれくらいじゃ揺るがないよ、絶対勝てる。」

こんな時でも元気な二人を見て佐紀は勇気づけられる。
そして小さな手を胸の前まで上げ、拳をギュッと握り出す。
このファイティングポーズはダテじゃないことを見せつけるつもりなのだ。
そしてこのポーズが開戦の合図になる。

「変身……」
『チェンジ、ゲンキックンホッパー』

「「変身!」」
『チャチャ!』『ジンギスカン!』

「はぁ~~~やぁっ!!」

「ヘシン!」
『ターンアップ』

『ピ、ピ、ピ、ピピッ、スタンディングバイ…』
「変身!」

五体のライダーが勢ぞろいだ。
最後に誰が立っているのか、ここにいる誰もが分かっていない。
聖戦が今始まる。





 仮面ライダーイクタ / 生田衣梨奈
 仮面ライダーオーズッキ / 鈴木香音 敗退
 仮面ライダーなでしこ / 真野恵里菜 敗退
 仮面ライダーゲンキックンホッパー / 萩原舞
 仮面ライダーオーデン / 竹内朱莉 敗退
 仮面ライダーパレット / 鈴木愛理
 仮面ライダーディエッグ / 譜久村聖
 仮面ライダーBig W  / 熊井友理奈&徳永千奈美
 仮面ライダーハウガ / 飯窪春菜 敗退
 仮面ライダー裂鬼 / 清水佐紀
 仮面ライダー910 / 中島早貴
 仮面ライダーめん王 / 勝田里奈 敗退
















最終更新:2012年08月31日 23:15