アットウィキロゴ


その日舞は思い悩んでいた

はぁ・・どうしよう・・舞が勝てる訳無いよ・・

連日繰り返されるライダーバトルで誰かが倒されて行くのを知るうちに怖くなりすっかり自信を無くしてしまったのだ
もともと戦う事自体好きではないし運動神経もあまり良くない
それでも愛理に助けられながら透明な敵と戦っているうちに少しずつ戦闘のコツなども掴んできた

しかし今の実力では優勝できる力には程遠いだろう
愛理とも何れは戦わなければならない
自分が戦って果たして勝負になるのか?
いやその前にそこまで生き残れるのか?
舞の不安は募って行く

愛理・・
ホテルで同室の愛理はテレビを見ながらしゃこしゃこと歯を磨いている

頼ってばかりじゃダメだ
舞は強くならなきゃ
ライブの振り付けの確認を早めに終えた舞は近くの公園で透明な敵相手に鍛練を積む事にした
勿論抜け出した事はマネージャーには内緒だ


「変身!」
【CHANGE GENKICKN HOPPER】

夜の公園で仮面ライダーゲンキックンホッパーに変身すると直ぐに敵の気配がした
「行くぞー!」
ゲンキックンになった舞は敵に向かって突っ込んで行く
「えい!えい!」
景気良く一体また一体と倒して行く

 ・・が
あ、あれ?
しかし予想外に数が多く苦戦を強いられてしまう
徐々に鎧にヒビが入り剥げていく

ヤ、ヤバ・・!
雑魚敵相手に失格になるとか恥ずかしすぎるでしょっ!!

クロックアップを試みるが数が多く追いつかない

どうしようどうしよう
ここで負けちゃうの?そんなのやだよ
助けて愛理・・

【STRAIGHT FLUSH】
刹那、稲妻の一線が敵を一気に薙ぎ払った
辺り一面が焼け野原の様な状況になる



「あ、愛!・・理?」
稲妻を放ったライダーは愛理ととてもよく似ているが少し違う気がする

「危なかったですね」

そういうとライダーの姿が変化した
赤を基調としたライダーで暗闇に光る緑の瞳が印象的
顔にはバーコードの様な線が沢山入っている

「あなたは?」
「えっと・・通り縋りの仮面ライダーだ 覚えておけ」
 ・・・
カッコイイ!でもちょっとダサい!

「萩原さんを倒すのは私です!そして貴女の能力を頂きます」

ゲ!正体バレてる
そしてこの人もやっぱり敵なのか・・
あーあ
どうしていつも舞だけこうなるの?
どうしていつも舞だけこうなるの?

舞が負の無限ループに迷い込んでいるとライダーは剣で切り掛かってきた

「わ!ちょっ!」
慌てて応戦する舞

逃げようかと思ったが何度かの攻防を繰り返しているうちに相手の身体能力があまり高くないことに気付いた

あれ?これなら勝てんじゃね?
きっとこの人は戦闘経験が浅くて力を使いこなせていないに違いない
単純な舞は少しの戦闘で勝利を確信し、一気に畳み掛ける事にした

ゲンキックンは静かにベルトの横のボタンに手を掛ける
相手は気付いていない

ピピ・・
【CLOCK UP】

「!!!」
相手ライダーは一瞬のうちに身体に幾つもの衝撃が走り鎧がボロボロになってしまっていた

「ぐっ・・いつの間に!?」

いきなり自らの身体が破損してしまったのでライダーは驚いてしまう

「はぁ・・はぁ」
「!」
しかしゲンキックンが疲労しているのを見て状況を読み取った
「・・成る程ぉ超高速移動かぁ」


予想外に早く気付かれたが関係ない
もう一度決めれば確実に鎧は大破するだろう

「ちょっと遅かったね もう舞の勝ちだよ!」
「そうとは限りません 付き合いますよ!10秒間だけね!」

そう言うとライダーはベルトに一枚のカードをリードさせる
【KAMEN RIDE 555】

電子音声と共にライダーの姿が変わる
額に「φ」のマークがあり全身が機械的なライダーになる
【ATTACK RIDE ACCEL】

ゲ!何か変わった!しかも何かしようとしてる!
でも傷は残ったままだし・・何かする前に倒しちゃうよ!

舞は若干焦っていた
高速移動を見せた敵はなるべくその場で倒さなければならない
クロックアップは舞にとっての生命線であるため逃げられて対策を取られるとマズイのだ

【CLOCK UP】
舞が二度目のクロックアップを発動させるとライダーは仮面の下で薄い笑みを浮かべた
【START UP】

時を遅くした空間で舞は敵ライダーに留めをさす筈だった
「!?」
しかし姿を変えたライダーは更に変形し舞に襲い掛かってきた
 ・・!?


「あ、あれ!?どうして!?」
「目には目をです」

キャーー
そんなの反則だよ!
相手も高速で動けるなんて聞いてないよ!
これじゃあ普通の戦闘と変わらないよ!

真夜中の公園で二つの影が音速を超えて動き回る
烏達は甲高く鳴きながら一斉に飛び立ち犬達は遠くから雄叫びを繰り返した
さらに相手は加速して行き徐々に劣勢に持ち込まれる

「ちょ!待っ!わぁ」
脚を払われバランスを崩してしまうゲンキックン
ライダーはゲンキックンの懐に潜り込み腕を掴んだ
「せいや!」
「きゃあ」

【CLOCK OVER】
ライダーに投げ飛ばされた所で時間切れになってしまった
同時に相手ライダーも先程の赤い姿に戻る

「もう終わりです 最後は苦しまないようにしてあげます」

そう言うとまたカードを取り出しベルトに読み込ませる

【KAMEN RIDE HIBIKI】


そうするとライダーは紫の鬼のような姿に変わった

このライダーは姿を変えながら戦うのか・・さっきパレットに似た姿になったみたいに・・ズルイな
舞はようやく理解したが先程透明な敵に深手を負わされているのもあって気力も体力も殆ど残っていない

舞の言わんとする事を汲み取ったのかライダーは語り出した

「この力、異世界のライダーの力なんです 素晴らしいでしょう?もうすぐ貴女も私の一部にしてあげますよ・・フフ」

吸収されちゃうの?そんなのやだよ
舞はただ毎日笑っておいしいご飯が食べられればそれで良かったのに
もうセンターになれなくてもいいから助けて神様

そんな舞の思いも虚しくライダーは更にカードをリードさせる

【FINAL ATTACK RIDE HIBIKI】
姿を変えたライダーが持つ先端が球状の棒が火の粉を纏う

「!」
「あはは!もう終わりですよ!貴女を倒せばキックホッパーの力が手に入ります」

このままでは負けてしまう・・
しかし相手も傷ついている
恐らく会心の一撃を叩き込めば勝てるだろう

「行きますよ!爆裂深紅の型ぁ!」


ライダーは一気に突っ込んで来た
舞は残りのエネルギーの全てを次の高速移動に賭けた
姿を変えている今なら舞のスピードについて来れない筈!
舞は最後の力を振り絞る

「クロックアップ!」

ピピ・・
【CLOCK UP】

「!?まだそんな力が!?しかし無駄ですよ!」

今度はしっかりとゲンキックン以外の時が遅くなる
舞は炎をかい潜り一気に距離を詰めると渾身の蹴りを叩き込む

「!?」
しかし蹴りを入れた瞬間大きな振動が走り敵の反対方向へと吹き飛ばされてしまった
よく見るとライダーは音の衝撃波の壁に守られている
!!・・裂鬼の時と同じ・・

「どうして!?まさかこのマラカスが?」

本当は撥(ばち)だがそんな事には気付かない

音の壁に捕まってしまったがもう舞に猶予は残されていない
再び止まった時が動き出したら舞は終わりだ


 ・・強行突破で行くしかない
幸い裂鬼の音波より壁が薄いみたいだ

ゲンキックンはベルトのレバーを動かした

ピピ・・
【RIDER JAUP】

ゲンキックンの周囲を空気の渦が舞う
舞はそれを受けて空高く舞い上がる

空中で体勢を整え、同時にもう一度レバーを入れ直す

ピピ・・
【RIDER KICK】

電子音と共にゲンキックンの右足にエネルギーが蓄積されていく

ピピピピ・・キューン

舞は狙いを定めると勢い良くライダーに向かって突っ込んだ

「うおおおおお」
音の壁にぶつかった所で脚のジャッキを動作させキックの威力を最大限まで引き出す
徐々に壁に皹が入っていく
「行けええええ」

音の壁を突き破り一気にライダー諸とも貫いた


【CLOCK OVER】
同時に時間切れとなりライダーの身体が粉々になる

「ぐはっ!」
敵ライダーの鎧が完全に砕けた
「そ、そんな・・」

「か、勝った!」
舞はそのまま地面に倒れ込む
やった!
自分の力で倒したのだ 愛理の手を借りずに
これは自分にとっての自信になる
もうすぐ全ライダーに一斉にメールが送信されるだろう
そうすれば皆ゲンキックンを恐れるに違いない
フフフ・・

「行け行け行け行けゲンキックン!行け行けゲンキックーン♪」
嬉しくなった舞は踊りだした
ウフフ

しかし何時までたってもメールを受信しない
「あれぇ?おかしいな」
携帯を振ったり場所を変えたりするが反応がない

「・・・!?」

チラッとライダーに目をやった舞は驚愕した
なんとライダーはもう一度変身し直して全回復していたのだ

「えーー!?」
「あ、すいません、私は倒せませんよ?」
「えーー!?」
「ライダーバトルに参加してないですし」
「えーー!?」

舞はもう何がなんだか分からなくなってきた
ではこの戦いは何だったのか
ホームシックになってきた
「まぁまぁ、でも貴女が勝ったのは事実ですし、このカードを上げますよ」
「・・ってこれ舞の生写真じゃん!」
「か、勘違いしないでよねっ!べっ別にアナタのことが好きになったとか・・そんなんじゃないんだからねっ!」
「・・・」
口をあんぐりと開けたまま呆気に取られている舞に踵を返したライダーは逃げるように去って行った

「・・おのれデレード」
茂みの奥で鳴滝は悔しそうに顔を歪めた

世界の破壊者 デレード
9つの世界を巡りその瞳は何を見る


    • 帰って寝よう
愛理に添い寝してもらおう そうしよう
行け!ゲンキックンホッパー!明日の為に!





















最終更新:2012年09月03日 08:51