サーカス団の楽屋裏で、
マイク・フレイトアは、あまり質がよくないごわごわしたソファで休憩していた
焦げ茶色の扉からコンコンとノックの音がした
「マイクくーん、お疲れ様ー」
「あ、団長お疲れ様です!!」
団長がマイクに声を掛けると彼は笑顔でにっこり笑って答えた
「マイク君、最初の頃より玉乗り上手になったねー」
「そうですか?えへへ、嬉しいな、ありがとうございます」
「だって、乗ってる玉から違う玉へ移るだなんて凄いよっ!」
「団長さんにそういってもらえると嬉しいです。」
彼はまた満面の笑みを団長に見せた
その笑顔を見ると団長は悲しそうな複雑な表情をした
「・・・?団長、どうしたんですか?そんな顔して」
団長は軽く深呼吸をして、マイクの方へ顔を向けた
「あのね、マイク君」
「はい?」
「笑いたくない時に無理して笑わなくて良いのよー」
「え?」
マイクは驚いている顔も少し笑っていた。
そんなマイクを見て団長は、マイクの胸を指さしていった
「顔は笑ってるけどさ、心は笑ってないんじゃないかな?」
「・・・」
マイクは俯いた
それを見て慌てたのか、団長はぶんぶんと手を振りながらマイクに向かって訴えた
「いや、笑うのは駄目って言ってるわけじゃないんだよ、ちゃんとマイク君の気持ちをぶつけてほしいなあって言うか・・・」
すると、マイクが俯き気味に団長の目を見て真剣な顔で話した
「団長、ぼく・・・」
「ん?何?」
「褒めてもらって嬉しいんですけど、ぼくまだ全然上手くないし、もっと練習して玉乗り、上手になっていきたいです」
「うん、そうかー」
真剣な顔を見た団長はほっとしたように、マイクの頭をわしゃわしゃと撫でた
「わっ」
重い腰を持ち上げながら「よいしょ」と呟くと、マイクの顔を見つつ、出口へ向かっていった
「頑張ってね、応援してるよー、えへへ」
「はい」
はいと答えたマイクの顔は、無邪気な年相応の笑顔だった
最終更新:2011年06月14日 19:44