「あれ、獄王?珍しいじゃん、教室にいるなんて。」
「ん、まぁの。いつも屋上に居るんじゃ暇じゃし。」
机に腕を投げ出し突っ伏する獄王。
スザクは物珍しそうにその姿を見ていた。
「全く教室に来ないからな。何してるのかと思ったよ。アースセイバーではたまに見かけるけど。」
「んー、まー、色々あるからの。」
「色々って…、ん?」
スザクは獄王の腕を見、一つ疑問を感じた。
「なぁ、獄王。お前、腕時計は?」
「付けても付けなくても、授業に出ないから意味ないんじゃ。」
間髪いれずに答える獄王に、スザクは更に気になった。
「そんなもんなのか?」
「ん。基本屋上じゃ寝てるだけじゃしのう。まぁ、出席日数足りないのも問題じゃけぇ、形だけでも授業には出ておこうと思ったまでじゃ。」
「そうなのか…。」
その時、チャイムが鳴った。先生が入ってくる。
席に着いたスザクは尚、獄王の「手首」が気になっていた。
その両手首には、擦過傷の跡がぐるりと一周ついていた。
消えていないということは、かなり深い跡であろう。
そして気がついていた。彼は「腕時計を付けない」のではないことに。
推測が正しければ。
彼は「腕時計が付けられない」のではないか?
理由も大まか分かる。
自分にも、もしかすると
ノルンにも似たような思いあたりがあるのだから。
両手首の擦過傷。もし調べられるのなら、両足首にも同じ跡が見受けられるだろう。
彼女は自らの手首を見た。擦過傷の跡は消えているが、自分も未だに腕時計が付けられない。
いや、腕につけるものはできるだけ避けたいものだ。
(獄王、お前は一体何者なんだ?)
(転校した時の自己紹介。嘘を見抜くという「特技」。そして、その腕の擦過傷…。)
(その腕にかつて付けられていた「枷」は、誰のものだったんだ?お前は一体「何に囚われていた」んだ…?)
最終更新:2011年06月20日 15:49