「…あ!見て見てカイくん!」
「ん?」
「これっ!」
「…何?その変なぬいぐるみ。」
「ナスアナ人形だよ!」
「ナスアナ?」
「うんっ、ナスの着ぐるみを被ったゆるキャラで今凄く人気なんだ~」
「へぇー」
「いいなぁ…この糸目タイプの子、可愛い…」
「どこが可愛いのさ、こんなちんちくりんのナス。」
「ち、ちんちくりんじゃないもん!それに、ナスの着ぐるみだから可愛いんだもん…」
「はいはい、そうですね。」
「うぅ…」
「ほら、帰るよ。」
「えっ?」
「早く帰らないと母さんが……ミク?」
「あ、あのねカイくん……えへへ、一回だけチャレンジしてみたいんだけど…」
「………」
「だ、だめぇ…?」
「…はぁ………いいよ。」
「やったぁ!ありがとうカイくんっ!…よーし、頑張ってこの子取るんだからね!」
少年少女、挑戦中…
「…はい、終了―」
「も、もう一回!もう一回だけぇ!」
「鈍臭いミクに、こんなの取れるわけないじゃん。」
「と、取るもん!取れるもん!もう一回やるんだからぁ!」
「やるだけ無駄だと思うんだけど…」
少女、再挑戦中…
「う、うわぁぁぁぁん!!!」
「ほら…」
「ま、まだまだー!」
「……先、帰ってるから。」
一時間後…
「うぅー…ぜんぜん取れないよ、カイく……あれ…?」
「カイ、くん?…あれ、あれ…?」
「………」
「…う…カイ、くん…っぐす…カイくんどこぉ…」
「っごめんなさい、ボク、っぐす…カイくんのいうこと、聞いておけば…う、うっ…」
「まだやってたの?」
「うひゃあ!?カカカカイくん!?あ、あれ?ふくちがう…」
「もう家に帰って着替えてきたんだよ。」
「そ、そうなんだ……う、…ごめんね、カイくんの言うとおり、鈍臭いボクじゃ、
っひぐ、こんなの、全然取れなくって…」
「………」
「二千円も使っちゃったよぉ…うわぁぁん!っごめんなさぁぁい!!」
「二千円も…」
「でも、っでもどうしても欲しくてぇ、っぐす、っぐす…」
「…ミクは、そもそもやり方が間違ってる。クレーンゲームっていうのは、こうやるの。」
「ふえ…?」
少年、挑戦中…
「ほら、取れた。」
「す、凄いカイくん!たった一回で!」
「この手のクレーンって力が弱いから、普通に取ろうとしても無理。
今度からは、やり方を変えるべきだね。」
「う、うん……ごめんね…」
「はい。」
「えっ?」
「欲しかったんでしょ?」
「い、いいの…?ホントに…!?」
「ミクが欲しいなら、あげる。」
「っ…!ありがとうカイくん!これっ、一生大事にするね!」
「おおげさだなぁ…」
臆病と幼馴染
(ぶきようでよかったと)
(すこしだけおもったゆうやけのひ)
最終更新:2011年06月25日 22:58