アットウィキロゴ

「6人の楽しい(?)訓練」4

「さっきの叫び声、ノセさんのだったけど何かあったのか?」
「あら、人の心配をしてる余裕なんてあるのかしら?」

じゅっ、とマイクの近くの床が奇怪な音を立てて灰になった。
それを冷静に見下ろし、また視線をヒトミコに戻した。ヒトミコの表情はいまだ余裕の表情だ。

「まさか、余裕なんてあるわけないじゃないですか。ヒトミコ先輩も人が悪いなぁ。」
「あら、あなたにそんなことを言われるなんて思ってもなかったわ。さっきだって私に追いついたとたん周りに塩酸の雨降らせたくせに。」
「仕方ないじゃないですか。早く終わらせたかったもので。」
「……どれだけ帰りたいの、君は。…まったく、なら早く終わらせてあげる。」

ヒトミコが動いた。手に持っているナイフをマイクに向けて投げる、それをマイクは塩酸で溶かす。
そのままヒトミコは一気にマイクに近づきまわし蹴りを決める。がそれもマイクはひょいっと避けてしまう。
お互いに沈黙が走った。

「………何気にすばしっこいわね。」
「…………ヒトミコ先輩こそ、見かけによらず武闘派ですね。」
「あらありがとう。私の能力って後方だから、自分でも戦えるようにしないといけなかったから。」
「恐ろしい人。」
「今度こそ息の根とめてあげるわ。」
「それだけは勘弁。」

マイクはバク転で後ろに下がる。もちろんヒトミコの顔を蹴り上げるのも忘れずに。
そのため、ヒトミコも避けなくてはいけないため後ろに下がった。2人の間に緊張が走る。
そして、カラン、と何かが倒れるのと同時に2人は走り出した。





「6人の楽しい(?)訓練」 4 中編

走り出してすぐ、マイクはふと違和感に気がついた。
さっきの何かが倒れる音は、一体なんだったんだ?
そしてすぐに、それは視界に入った。

「ヒトミコ先輩、危ないっ!!」
「きゃっ!?」

とっさにヒトミコを押し倒す。その頭上を何かが飛来した。
きらり、と鈍く光るそれは先のとがった鉄パイプだった。ここは廃工場だ、鉄パイプもそこいら変に転がっている。
だが、これは先がとがっている、一体誰が。
そこまで考えて、マイクは考えるのをやめてしまった。見えてしまったのだ。
マイクはヒトミコの手をとり走り出す。

「ちょ、マイク君!?」
「早く逃げますよ!!あれは、僕たちじゃ手に負えない、誰かと合流しないと。」
「一体何が起こっていたの?説明して頂戴!」
「やつらの機械兵です。やつら、ホウオウグループの!!」

ヒトミコの手がびくん、と震える。
無理もない、彼女を殺したのはホウオウグループなのだから。

「なんで……、こんなところに!?」
「わかりません。けど、大方つけられていたか、監視でもされてたんでしょうね。」
「…他の、みんなは。」
「多分、何ですけど。さっきの悲鳴、乃瀬さんはあれに襲われたんじゃないでしょうか。だから、今はイチスケ先輩と合流すべきです。」
「……落ち着いたから、手を離してもらえるかしら?自分で走るわ。」
「あ、すいません。はい、どうぞ。」

するりと手が離れる。後ろからは何の音もしない。うまく振り切れたもだろうか。
少しだけ、走るスピードを緩める。…どうやら、振り切ったようだ。

「ヒトミコせんぱ…、!?」
「来ちゃ駄目。」
「なん…で!!」

ヒトミコは、機械兵へと向き直っていた。すぐに機械兵もヒトミコに追いつき、目の前でとまった。
こんなはずじゃなかったのに。
マイクはヒトミコに向かって叫んだ。

「何やってんですか!いいから早く――――」
「イチスケ達はこの先に居る。私ってがんばっても早くないから、呼んできてくれないかしら?」
「だからって、ヒトミコ先輩はどうなるんですか!」
「私はここで食い止める。私だって戦えないわけじゃない。」
「………」

マイクは黙って背を向け走り出した。
ヒトミコの声を受けながら。

「早くつれてきて。私を助けたいなら。」

ヒトミコと機械兵の戦闘が始まる。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2011年06月25日 22:59