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「6人の楽しい(?)訓練」 5

イチスケはそのときリナとやっと対峙していた。

「おまっ……、どれだけ走らせるつもりだったんだよ!」
「え?それこそイチスケ先輩が息切れで死んじゃうほどに。」
「ひでぇ!!くそっ、もうこうなったら手加減はしねぇ!」
「きゃー、暴力はんたーい!」
「うるさい!こっちからいくぞ!!」

イチスケは手を振り上げる、すると無数の釘が出てきた。そのすべてがリナに向かっていた。
手を振り下げると同時に釘は動き出した。すべてがリナに向かって飛んでいく。
しかし、リナはよけようとはしなかった。釘が刺さる――――、瞬間、上から何かが降ってきた。
それが釘に当たった瞬間、釘が溶けた。すべての釘が溶けて床を焦がした。

「げ」
「それだけですか?イチスケ先輩。それで終わりなら、私から行きますよ?」
「、まだまだぁっ!!」

イチスケの目が鉛色に光る。釘がリナの周りを取り囲んだ。
これには少しリナの顔にも動揺が浮かぶ。

「えー、イチスケ先輩。これはないでしょう、これは。」
「だったら、さっきみたいにやってみろよ!」

またも、無数の釘がいたるところからリナに進んでいく。
ごぉっと熱波が部屋を支配した。リナを囲むように、溶けた鉄がドーム状になった。触れた瞬間、釘が溶ける。
最後の釘がしゅうしゅうととけ、そのドームは花が開くように消えた。

「………あー…えっと…。」
「…ふう、熱かった~。で、終了?」
「た、タイムで。」
「いいですよ、私はかまいませんし。」

リナはそういうと、ポケットから取り出した櫛で髪をとかし始めた。
「イチスケ先輩って、こんなに弱いんだ…」といっていたのは聞かなかったことにしたい。

「(さて、どうやって倒そうか…。全部溶かされちまうしなぁ、こういうとき、ヒトミコがいると楽なんだが。)」
「まだですかー?」
「も、もう少しだ!!(マイクあたりが来てくれんないもんか…。いっそのこと、合流でもするか。)よしいいぞ!!」
「あ、いいんですか。で、どんな作戦なんです?」
「誰が教えるかボケ!知りたかったら、ついてくるんだな!!」
「(罠ってバレバレ…)じゃあ、ついていきまーす!」

「イチスケ先輩に…、早く知らせなきゃ!!」





「6人の楽しい(?)訓練」 5 後編

「イチスケ先輩っ!!いたら返事をしてくださいっ!!」

マイクはあれからずっと走っていた。イチスケを探すため、早くヒトミコのところに行くため、ずっと走っている。
けれど、まだイチスケには出会えていない。早くしないと、ヒトミコ先輩が。

「イチスケ先輩ーっ!!!どこですかーー!!」

がさり、と音がした。音がしたのは機械の陰からで、恐る恐る近づき、そこを見た。
そして、そこにいたのは、



「(勢いで走り出したのはいいものの、どこに向かえばいいのやら。)…。」
「ねぇ、どこに行くんですかー?」
「さあな!もうこうなったらやけくそじゃあ!」
「えー、だったらもう終わりにしてもいいですか?えいっ☆」

リナは球体にした溶鉄をイチスケに投げつけた。
間一髪でそれを避けたイチスケは床に転がる。

「あぶっ、あぶな!!」
「ちっ、はずしちゃったか。」
「リアルに舌打ちはやめて!?」
「だったらよけないでください!!もう、イチスケ先輩の馬鹿っ。」
「よけなかったら死ぬっつうの!」

立て続けに投げてくるリナに、それをひたすらよけ続けるイチスケ。
二人の耳に声が聞こえたのはそのときだった。

「イチスケ先輩ーっ!!!どこですかーー!!」
「…あれって、マイク君の声だよね。あんなに必死そうな声、何かあったのかな?」
「ここは一時休戦ってことでマイクのところにいこうぜ?なっ?」
「そうですね、そうしましょうか。それにしてもあんなに必死になってるって、何があったんだろう?」
「とにかく、声はあっちから聞こえてきた。いくぞ!」


「はっ!!」

きらりと流線を描いて飛んでいったナイフはその体に当たったとたんキンッ、と高い音を響かせはじかれた。
機械兵はそんなことには気にかけず、ただ一直線に向かっていく。
右に飛んで回避すると同時に鉄パイプが飛んでくる。

「一、二、三、四、五、強制退却(キャンセル)!!」

すると、鉄パイプがさらさらと灰になる。が、ヒトミコは気づいていなかった。
鉄パイプの第二波がすぐきていたことに。先のとがった鉄パイプはいともたやすくヒトミコを切り裂いた。

「いっ、ぐぅ……!!」

すぐに足元に血だまりができた。血独特の錆びた匂いが充満する。
少しだけひるんだところに、機械兵は蹴りを入れた。
メキメキ、と嫌な音が響いた。

「がっ………、げほっげほっ。、最…悪。」

無情にも、機械兵は一歩、また一歩と歩みを進めてくる。
激痛に意識を支配されながらヒトミコは思った。

「(私、がんばったわよね…。あとは、マイク君たちにがんばってもらわないと……、はは、情けないなぁ。………誰か、私まだ死にたくないよ。)」

カシャン、カシャン。
目の前に、機械兵の足が見えた。機械兵の足が持ち上がり、振り下ろされ―――――

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最終更新:2011年06月25日 23:00