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ある日のテラス。三人の少年

『あー、そりゃスイネだよ。なんだジンあったことなかったっけ』『あ…はい』
『まあ俺も最近っちゃ最近だしな会ったの』

中庭にあるテラスで、訓練後のつかの間の休息
ハヤトシスイ、それからジンは、
思い思いの飲み物を口にしながら一番日の当たるテーブルでくつろいでいた

ハヤトは甘い炭酸飲料をぐびぐびと飲みながらジンの言う『青い女の子』について語りだす

『あいつはスイネ。俺たちと同じ学校に通ってる一応能力者
実際訓練とかで一緒になったことは無いけど、かなりやり手っぽいな』
『車イスに乗ってたけど…?』

ジンが心配そうにそう尋ねると、
二人は苦虫を潰したような表情を浮かべて口ごもった

『あー…それはなんつーか…』
『スイネはさ、ホウオウグループに狙われてるんだ。
それも命を狙うとかよりもっとタチが悪い形で』

まぁ、詳しくは俺の口から話すべきじゃないだろうから言わないけど…とシスイが言うと、ジンは眉間にシワを寄せてストローから息を送りぶくぶくとオレンジジュースに泡を作る

『ずいぶん仲がいいんですね、その、スイネさんと』
『えっ?!……なあシスイ俺たちスイネと仲いいのかな…』
『おいおい、寂しいこと言うなよ…一応俺ら護衛だよ?』
『…ずるいです』

ジンがぼそりと呟いた言葉に、二人は悟ったようににまりと笑ってわざとらしい声で

『なあに、ジンクンはスイネちゃんにLOVE?』
『……!!!』

がちゃん、とオレンジジュースをひっくり返したジンは、違いますよ!と上ずった声で否定する。
尚もにやついた二人にため息をひとつ漏らしてジンは語りだした


『…にてるんです』
『似てる?』
『昔。ほんとうに昔、ほんの少しだけだけれど僕と友達になってくれた子と。
雰囲気とか全然違うんですけど、顔とか、声とか、なんとなく
あんまり詳しくは思い出せないんですけど』

ジンがそう言うと、驚いたような顔をして二人は首を傾げる

『名前とか覚えてねーの?』
『はい…記憶もあやふやで』
『ふーん。ってかスイネに似てるって結構レベル高いだろ。
顔もやべーくらい綺麗だけど大分クールだぜあいつ』
『…(そう、そこが違うんだ)』


記憶のはしっこにいる名前も思い出せないあの子は、
もっと優しくてにっこりふんわり笑う子だった気がする
でも、こんなに気になるのはやっぱり

『確かめたい…です!』
『わっ!………行っちまったよ……なあ、どう思うシスイ』
『どうもこうも…ありゃ完全にお熱だろ。無自覚かよやっかいだな』
『かーっ!なんでスイネだよ馬鹿だなあいつも!だってスイネは…』
『どうでもいいけどお前さりげなくスイネ綺麗だって言ってたよな』
『……………いや、ほらその、普通に綺麗じゃんか』
『ふふ、まあな』


ある日のテラス。三人の少年
(まあ、無理もないか)
(我らが守るべき姫だもの)

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最終更新:2011年07月08日 20:36