店内に入ると、待ち構えていたかのように店長が顔を出した。
「いらっしゃい!久しぶりだね!」
「久しぶり、亜音ちゃん。」
風真は手を振った。
「由衣から話は聞いてるよ。一番奥、開いてるから座りなよ。」
「ああ。ありがとう。」
「親父、今の人、知り合いか?」
「まぁね。ときどき一緒に仕事とかしててさ。」
「ふぅん…。ていうか、親父って仕事何してんのさ;」
「内緒☆」
「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりに…って、凪!」
「おお、由衣!」
「この間は大丈夫だったか?なんだか、様子がおかしいみたいだったが…。」
「ああ、とりあえずは。」
少し話をしていると、厨房から亜音が出てきた。
「貴方が凪ちゃん、だっけ?由衣から話は聞いたよ。」
「あ、はい。」
「ちょっと由衣と話しててくれるかな?風真さんに用があるんだけど。」
「大丈夫ですよ。」
「ありがとう。由衣。暫く休憩してていいから。」
「了解です。」
「何時振りかな、こうして顔を合わせるのは。」
案内され裏に回った風真は呟いた。
「3年じゃないかな。私が
レストラン開いてからだから。」
「早いなぁ。話は聞いていたけど、これなくてごめんな。」
「いいんだよ。あの位の子が一番大変な時期さ。手はかからないが反抗してくるもんでね。」
「…あんた、何時の間にそんなに大人になった?人づきあいもうまくなったみたいじゃないか」
「そっちは変わんないようだね。他人思いなところとか。オタク趣味もかわってないだろう?」
「御名答。変わるつもりもないからね。」
くすくすとお互いに笑う。
「いつだったけなぁ。私がウスワイヤに引き取られた時、あんた、あの子より若い位だったんじゃないか?」
「そのくらいだな。あんたがアースセイバーとして初めて戦場に立ったときも一緒だったからなぁ。」
「あれから15年くらいしか経ってないのに。」
「十分だろう?」
「そっちには随分お世話になったさ。おかげで今の私がいるようなものだしね。」
「そんな大したことはしていないつもりなんだけどなぁ…。」
「いやいや。それだから私は、あんたに提案したいんだよ。」
姉は風真に向き直った。
「由衣から話は聞いた。凪の様子がおかしいっていうのは、やっぱり「戦闘狂」がかかわってるのかい?」
「…ああ。封印していたが、それが今とけかかってるんだ。」
「私と由衣に、その協力をさせてくれないか?」
「!?」
「勿論私たちだけじゃ何もできない。だけど、人間不信とはいえ人脈は広いんだ。意地でも協力者を見つけて見せる。」
「亜音ちゃん…。」
「由衣も、折角の友人を失いたくないと言っていた。だから私は、これをアースセイバーとしての初の仕事として言い渡したんだ。悪くはないだろう?」
「…。」
「そして、万一発狂しても、とめて見せる。約束だ。命に変えても、守ってやるよ。」
「…逞しくなったみたいだな。分かった。お願いするよ。」
「任せてちょうだいよ。」
彼女は強気の笑みを風真に向けた。
「さ、あんまり待たせると由衣と凪ちゃんが心配するからね。もどることにしようか。」
「分かった。さっさと注文決めないと。」
「ドリンクくらいおまけしておくよ。」
「それだけかよ;」
「良いじゃないか。」
二人はそう話しながら、店に戻って行った。
最終更新:2011年07月10日 18:51