ストラウル跡地、赤い空はすっかり漆黒の闇に包まれ、銀色の冷たい三日月が妖しく輝いていた。
そんな月に照らされた瓦礫の山に、いくつかの赤い花が咲いていた。
これらの『花』の近くには、人と思われる腕、足、頭等が至る所に落ちていた。
服装から見て、どうやらいかせのごれ高等学校の不良連中である。
その中、一つぽつんと起つ者があった。それは、獣の耳、尻尾が生えた異形なる姿をしていた。そして、『花』を咲かせた事を証明するような、赤に染まった右腕。その先の、獣の如く鋭い爪。
三日月のような、鋭く光る銀色の瞳を細め、爪についた血を舐め取る。
舐め取ると、溜め息一つもらして、空を見上げる。空には幾つもの星が輝いていた。この時だけはストラウル跡地も、星が綺麗に見える隠れスポットとなっていた。
とある星を見つめて、「鳳凰、龍、この『虎』がお前等を喰らってやる」と呟く。
彼は『虎吉』四聖獣の一つ、虎の力を持つ者である。
呟いた後、彼は獣の様な速さで駆け、そのまま暗闇の中に姿を消した。
新たな戦いの幕が切って落とされた。
最終更新:2011年07月19日 21:59