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猫、神江裏 灰音と会話する。

「さぁ、どうぞ。」

(灰音、差し出されたパンを凝視。)

<・・・・・・・・・>
「おや、食べないのかい?」
<何の、つもりなのかな。>
「何の、って物を食べる喜びを分かり合おうとしているんじゃないか。」

(猫、にんまりと笑う。)

「いらない?」
<・・・・・・・・・>
「それは、君の持つ『中立』の意に反するから?」

(猫、袋を破りパンを頬張る。)

神江裏 灰音は平等で、中立なんだ。>
「知ってる。」
<・・・本当は、君とこうして話すのは相応しくないのかもしれない。>
「そうなのかもしれないね。」

(猫、片手にあるいちご牛乳を飲む。)

「灰色の傍観者、オイラはね・・・君に興味がある。」
<興味?>
「そう、君が何故誰よりも中立と平等に拘り、そして傍観者であるのか。
とても、とても興味がある。」
<そんなの、神江裏 灰音は傍観者であるからに決まってるからじゃないか。>
「それは違うね、君の存在は傍観者という人物ではなく、神江裏灰音という人物だ。」
<・・・・・・・・・>

(灰音、僅かに笑みが陰る。)

「いかせのごれには正義の味方を自称したり、気違いだと主張したり、それはそれは
色々な役者達がいるけれど・・・君みたいに傍観者を気取る人は早々いないかな。
関わりたくない、普通でありたい、そう願って似たような立場を取る人達は
たくさんいるけれど。」
<神江裏 灰音は、君の話す意味が理解出来ない。>
「じゃあ、聞き流せば良い。それも傍観の内に入るだろうから。」
<・・・・・・・・・>
「傍観とはそもそも手を出さずただそばで見ることを意味するけども、
それは何故?そして目的は?意図なくしての行動はないからこそ、気になる。」
<そんなの、・・・>
「その理由と目的が、傍観者である神江裏灰音の存在意義。当たり?」
<・・・・・・・・・>


(沈黙。)


「・・・おやおや、すっかり気分を害してしまったようだね。」
<違うよ、それを君に話すことは中立に反する。何より・・・それを話す必要が、ない。>
「そう、それが君の答えならオイラもそれ以上追及しないことにしよう。」

(猫、食べかけのパンと飲みかけのいちご牛乳を置いたまま立ち上がる。)

「灰色の傍観者、一つ言っておこう。」
<なんだい?>
「君はオイラと違って個がある、それを大切におし。」
<・・・何故?>
「ドリーマーは許されざる存在、だから許される為に、この世に存在する為に己を殺す。
つまり、その目的が達成されない限り・・・いずれ消えてしまう。」
<・・・・・・・・・>
「それでもオイラが、風変わりなドリーマーであり続けるのは・・・」
<あり続けるのは?>
「・・・・・・続きはWebで。」


(沈黙。)


<何それ・・・>
「だって君が教えてくれないから、オイラも教えなかっただけさ。」










表題
「猫、神江裏 灰音と会話する。」


「ああ、でも」
<?>
「ひとつ断言しよう、君が傍観者でなくなった時・・・君は物語の中に戻り、神江裏灰音という役者になる。
そして、今のようなこの関係は・・・・・・なくなるだろうね。」


(猫、にんまり口を残したまま消える。)


これにて終劇。

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最終更新:2011年08月16日 13:57