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少女のある日

私はいかせのごれ高校に通っている、ごく普通の、女の子。
…というのは半分嘘。
今は普通の日常で普通の生き方してる。
でも一方で、普通じゃない日常にも足を伸ばす事もある。
それの象徴が、今目の前にある、ウスワイア。
ここは特殊能力という、普通じゃない力を持った人達を世間からの疎外や弾圧から守るために作られた施設。
つまり、私がここに来ているという事は、少なからずとも私もその対象であったという事。
今は条件付きで普通の日常にいるけど。

「こんにちは…」
「おっ、ミノリじゃないっすか! 元気にしてたっすか?」
「シノさん…はい」

私を出迎えてくれたのは、アースセイバーの能力者、シノさん。
彼女は最近増加しているという能力、ナイトメアアナボリズムの使い手。
因みに私の力もそれだ。

「ところで何の用で来たんすか?」
「あの、カナミさんの忘れ物を、届けに…」
「ああ、それならアタシから渡しておくっすよ」
「ありがとうございます」

シノさんはいつも明るい、お姉さんの様な人だ。
だから話すとすごく安心する。
とそこへ。

「あ、ミノリさん」
「春美ちゃん。こんに…ち…は……」

春美ちゃんの後ろにいる男の人。
包帯を巻き付け、軍服を羽織り、大きな鋏を持ったその姿に私は思わず―――。

「ぎゃああぁあぁぁぁああああ!!!!!」


「…小生は何もしないでありマスから、もう悲鳴をあげるのは、やめて欲しいでありマス」
「すいませんすいませんすいません!!」
「そんなにガタガタしなくても…」
「わわ、わ、わ、分かってはいますが、しし、『死んだとき』の事を思い出してしまうので、つい…!」
「……まあ、しょうがないでありマスね」

溜め息をつくキリさん。
キリさんは悪い妖怪じゃないって、分かってるんだけど…やっぱり、怖いよ!

「…あ、そうだ」
「ふえ?」
「久し振りに来たんだし、折角だからミノリの童歌聞かせて欲しいっす!」
「え、え…えぇ!?」
「ミノリちゃん、童歌歌えるんですか?」
「しかも上手いんすよ!」

ちょ、ちょっとそんな!
人前で歌うなんて恥ずかしいよ…!

「小生もちょっと聞いてみたいでありマス」
「キリさんまでー!」
「さあ歌うっす!」
「う、うう…」

しょうがないなあ…。
私は泣く泣く歌うことになった。

「じゃあ、京都の通り歌を歌います…」

「… ♪まーるたけえびすにおしおーいけー あねさんろっかくたこにしきー」

「♪しあやぶったかーまつまんごじょうー」

「♪せえったらちゃらちゃらうおのたな」

「♪ろくじょうさんてつとおりすぎーしちじょうこえればはっくじょうー」

「♪じゅうじょうとうじでとどめーさすー」


「…どう、ですか?」
「凄く良かったよ!」
「中々のものでありマスな」
「相変わらず上手いっすね~」

と、皆拍手してまで褒めてくれた。
嬉しいな…。

「アンコールで他にも何か歌って欲しいっす!」
「ま、まだやるんですか!?」
「私も聞きたいな、ミノリちゃんの童歌!」
「ちょっと春美ちゃん!?」
「実は小生も」
「もういいよ~!!」

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最終更新:2011年08月26日 14:02