「悪い人ではないんです。ただ、僕と同じ位…いや、「世界」を知っていた分僕よりも苦しい人生を送って来ただけです。」
「分かってる、それは十分。」
そういえば、どうしてこんな話題になってしまったのだろう。
ついさっきの話なのに思い出せない。
彼は違う人の事を話しているはずなのに、まるで自分の事を弁解するように言葉を紡いでいる。
「本当に苦しいのは彼の方なんです。僕自身よりもむしろ、彼が生きる意味を探すべきなんです…。」
「…でも、今となっては俺たちは
ホウオウの…勿論、あの人とも敵だ。」
辛い現実だがな。と立っている男はかえした。
「俺たちがホウオウを抜けた以上、抹消対象にされているのは間違いない。もしかしたら、あの人が担当しているかもしれない。」
彼ははっと顔を上げた。
「そんな!それが事実なら、僕は…!」
「あくまで可能性だ。…だが、あのグループならやりかねん。」
「…僕の家族は、何処にあるんでしょう…。」
両膝に置かれた手が拳を作る。
「僕は『家族』と離れ離れにならなければいけないのですか!?」
「…。」
「…血がつながってなくても、僕にとってあの人は僕の『兄さん』なんです。」
「分かってるよ。俺だってそうだ。だが、現実は…。」
そこで言葉を切り、二人とも黙りこんでしまった。
「…どうなるんでしょうね、僕たち…。」
「何れ殺されて終わりだろ。いつまで生き残れるかだけどな。」
「そうですね…。」
いつまでこの「家族」と一緒に居られるのか。何時「家族」の手によって殺されるのか。
「家族」との因縁
彼は、自分で「作り出した」青い髪をくしゃりと握った。
最終更新:2011年09月24日 13:45