「よーっす、久しぶり。」
駅から現れた奇妙な男は、そのまま真っすぐウスワイヤに向かっていた。
中に足を踏み入れ、
チサトに連絡を取ってもらい、地下の一室へと足を運んだ。
その部屋で待っていたのはモノクロの男。
彼は顔を上げると、久しぶりだな、と一言言った。
「…そうか、いかせのごれ署に異動になったのか。」
「ああ、ターゲットの逮捕命令まで下されちまって、参ったよ本当に。」
そういいつつ、金髪の男は笑っている。
その様子を見ながらモノクロの男…
七篠 獏也はコーヒーを口に運んだ。
「まぁとにかく、またアースセイバーにはお世話になるぜ。」
「了解した。他のメンバーにも顔を出しておけ。」
「勿論。もうあれから大分経つからな。忘れてなきゃいいんだけど。」
彼はそういい、携帯を取り出し、メールを開いた。
「それで、獏也さん。こいつらの内誰か知ってる人いるか?」
メールを見た獏也は瞬間、絶句した。
「…正気か、お前…?」
「正気も何も、言われたからにはやらないとだろ?」
「悪いことは言わない、今回は降りた方がいいぞ。」
声をひそめて獏也は言った。
「全員ここにいることは確かだ。だが、一人捕えることでさえ困難だ。ましてやこれは…。」
そこまで言って、獏也は顔を上げた。
「…そうか、そんなに難しいのか…w」
…しまった、やってしまった。
この男、「不可能」と言われるほど燃えるタイプの男である。
ああいってしまったからには、行動しないわけが無い。
言わなければよかったと後悔する獏也をよそに男はにやにやしていた。
「こうなったら意地でも逮捕してやる…!」
こうなったもう俺は知らない、と獏也は顔をそむけた。
「じゃ、これからお世話になるぜ。時々顔出すから、その時はよろしくな。」
彼は立ちあがった。獏也も立ち、ドアを開ける。
廊下に出ようとした時、彼は立ち止った。
「…獏也さん、『あの子』は、元気にしてるか?」
みなまで言わずとも、獏也は承知だった。
「ああ。もう立派に活躍している。」
「そっか。ならよかった。」
獏也は何か言いたげだったが、彼は振り切るように一礼してその場を立ち去った。
「…何処までも自由だな、お前は…。」
典型的熱血刑事の行動準備
「…あ、宿の事相談すんの忘れてた。」
最終更新:2011年09月27日 10:39