銀狐の迷走
爪ス゚-゚ス話をしよう。あれは、確か私が高校一年生のときだったな。
「入るぞ、冬也」
「どうぞ」
冬也が風邪こじらせて入院したと聞いて飛んできた…は大げさだが、おばさんも仕事が忙しいようなので私がお見舞いに行った。授業?一回くらい受けなかったところで影響はない。
「ごめんね凪姉。わざわざ来てもらって」
「いや、どうせ暇だからな。っと…お前兄貴いたっけ?」
「あ、僕のバイト先の先輩で…水波ゲンブさん。」
「はじめまして、冬也がお世話になってます。私は凪、よろしくお願いします。」
「よろしく。…冬也に聞いた通り、いい姉だな。」
「い、いや…そんなことないです////」
「凪姉、顔真っ赤だよw」
「っ…目的は果たしたから帰る。///」
「うん、またね。」
「気を付けてな。」
いい先輩でよかったな、冬也。
それに比べて私は…
『なぁ、あいつ怖くね?』
『凪さんって、何考えてんのかわかんないよね』
『上級生と喧嘩して叩きのめしたんだってー。怖ーい。』
目付きと身長のせいか、こういうことばっかりだ。
弁解しようにも知り合いが一人もいないし、言ったところで信じてくれる奴なんて…。
「お姉さん、なにか悩んでるでしょ」
声のした方を見ると、親父が見たら喜びそうな黒髪美少女。多分この子も入院患者だろう。
「…」
「あ、私、ブランカ・白波。ランカでいいよ。」
「私は凪。…ランカ、何故私が悩んでいると思った?」
「うーん、なんとなくかな?」
「なんとなくで見抜くなんてすごいな。悩み自体は大したことないから安心してくれ。」
今会ったばかりの奴にホイホイ話すほどでもないだろう、そう思った時
「さっき冷血女見つけたww」
「ボコッて病院送った相手さらに攻撃ってか?怖い怖いwww」
「違いねーやww友達いないもんなwww」
あいつら、同じクラスの…ここまで来ても言うのか
「凪さん?」
「あ、いや、何でもない。病室まで送るよ。」
「うん、ありがとう。」
さすがに病院で騒ぎ起こすわけにもいかないので、今日はこの子を部屋まで送って帰ることにした。
…冬也の病室と近いようだ。
「ありがとうございました。」
「…それじゃ、またな。」
「はい。((また…?」
「遅いし!一人見舞うのに何分かかってんの?」
「悪い。帰るか。」
『またな』か。ランカの病室は冬也の病室と近いから会うこともあるだろう。そういう意味での「またな」だ…深い意味なんて、ない。
「あんたさぁ、最近なんか変じゃない?」
「そうかな…お前には関係ないだろ?」
「関係なくないし。あんたが陰気くさいとなんか気分悪いだけだし。((超元気でもそれはそれでキm…」
「心配してんの?」
「いや、調子狂うなーって思っただけだし!自意識過剰なの?バカなの?」
「
ミナミ、お前私のことどれだけ知ってる?」
「は?」
「別にお前の損になるようなこともしてないし、嫌われるようなことした覚えもない。なのにお前は何かと私に突っ掛かる。学校で変なこと言われて、家でも突っ掛かられて…私の気持ちなんか考えたことないんだろ?!なぁ?!」
「なによそれ。さっきから聞いてりゃめちゃくちゃなことばっか。そりゃ知りませんよ、あんた自分から話しもしないんだから。言ってないんだからわかるわけないでしょうが!それで気持ちわかれって方がおかしいじゃない!」
「な…そこまで」
全て見透かされた。
そして、決定的な一言。
「今のあんたは、心まで凍ってるよ。」
「…ッ!!」
「あ、ちょっと…」
ミナミから逃げ出すように走って、気がつくとランカの病室の前にいた。
最終更新:2011年09月27日 11:01