休日の予定は

「……うーん」

昼休み、佑は窓際の自分の席で頬杖をつきながら悩んでいた。
その手にはペンが握られ、視線は机の上のメモに注がれている。

「米、味噌、醤油に食パンと…台所用洗剤に洗濯用洗剤、柔軟剤。あー、箱ティッシュとトイレットペーパーも必要か…」

小さく呟きながら、買うものをメモに書き連ねていく。
書き終えると、今度は箇条書きにしたものに目印のように丸をつけていく。

「トイレットペーパーはそろそろ買わないといけないな。あと、味噌と醤油と食パン…これは今日買って帰ればいいか。
洗剤は…まだ大丈夫かな。今日帰ったら確認して、駄目そうだったら明日買おう」

早くなくなりそうなもの、主に食品や調味料を先に買うことを決め、順位を決めていく。
よどみなく走らせていたペンが、ある一点で止まった。

「……米かぁ~……どうしようかなぁ」

一人暮らし(今は二人)とはいえ、お米はほぼ毎日食べるもの。できれば残り少なくなって慌てないうちに買っておきたい。
しかし、米は重い。いくら重たい本の運搬で力がついているとはいえ、どちらかといえば小柄な体。ついている力も高が知れている。
同級生に頼もうかとも思ったが、よくよく考えたら自分の家と同方向に家がある相手は少ない。
そういった人に頼むのも、何となく気が引けた。

「うーん………あ、そうだ」

彼女の頭に、一人の人物が浮かび上がった。
彼女の家に泊まりこんでいる彼。
彼ならば、自分よりは力があるに違いないし、帰路の心配もないだろう。

「……うん、駄目元で帰ったらタイヨーさんに相談してみよう。今度の休みなら、時間もあるよね、きっと」

そう呟くと、メモに書いた「米」の横に「保留」と付け足した。


休日の予定は


「…休日に仕事あったらどうしよう。…その時は一人で買うしかないか」

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最終更新:2011年09月27日 19:09